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発せられた愛が受容されるまでに変質するってことだろうか
降る雪がしだいに霙になるように
ふつうの家に住みたかった
屋根があって壁があって少しあたたかくて
窓があって扉があって好きなときに出 ....
ところで
説明のつく恋などないのだと
言ったところで理解しない
あなたのかわいい肌から放たれる熱をまにうけながら
生まれ変わったら 工場になろう
と思う
頑健な 灰色の
工場にな ....
割れた画面のむこうで自動変換が暴力をふるう
インターネットの毛布は今はもう夢で
冷えたテスラのなかでがたがた震えながら運ばれる(どこへ?)
世界が終わるとしたら午後だろう
希望的観測! ....
あらゆる全部に値札がついて
かんたんに花をつむこともできない
ぴかぴかの看板を背負ってあるき
いちにち集めた小銭とひきかえに
やさしい、こまかい花を持ちかえる
世界はわたしを許したこ ....
ひと山いくらのりんごから
いちばん赤いのをみがいて
光らせて持ち帰る

夕暮れに
朝焼けに
割れるような喪失を持ちながら
生活のすみずみを拭き上げる

その割れが
ひとかけ ....
あなたのかわいい
おくれがちな相槌
寒すぎて ちょっと笑ったよね
愛してたけど
愛じゃなくてもべつによかった

隣りあう洗濯物
使いふるされた工具
石ころ
乾いたスポンジ
 ....
ひどい気分で目を覚ますと、今日はもう終わっていて
どうしてかわからないまま靴を履き替える
さめた湯を浴びて 窓を開ける
今日はもう終わっていて
かといって明日も始まらず
室外機の唸り ....
パンはもうすぐ焼けると思う
夜が来たり
雨が降ったりする
人間の気持ちを傷つけたくて仕方がないときがあり
着替えて
街を廻る

そんなふうに
蓋をして
砂みたいになっていく
 ....
十匹めの
熊を抱いて眠る
波寄せて ひいていく
ながい一瞬に

あらゆるものを天秤にかけ
そして
壊しました

抱いたまま ゆきます
壊れながら
熊たちの なき声を
眠りに ....
あなたの
爪をきってやるの
忘れていた

過去がひとつづきだと
まるで信じがたい
新品の朝

お湯はいつもどおり
湧くけれども
忘れながら
愛すと決めたのに
髪は伸びる ....
春だし煙草が吸える場所はどんどんなくなるし
取りこわし多々 街の自我崩落
もっと詩を書いてよ
泣いたりわらったりして詩を書いてよ
枯れながら苦しんで書いてよ
ひかりがひかるみたいな当然さで詩 ....
タクシーは次々くるから大丈夫だよ
凍った蘭
時間
でもまだ寒くないし
小さく受け付けて林檎赤いシャッターの閉まるさま まぶた
つめたいね

泣いて、ひかりは増えた
増えてもたりないけ ....
うつぶせの 街は夜
わたしはとけて
中指のつめだけが
床にのこった

そのうちに春が来て
夢がながれる
ここにいた爪は
むかし 女のかたちをした
生き物だったと
ついた嘘にみあうだけの歯車が
回転数をあげてじるじるまわっている
夜はいつまでも濡れたままだ

世界がやさしいのに慣れてしまって
ベランダに石をならべる
それはわたしのものにならないし ....
うすらさむい肌に
あなたがのったとき
わたしはまだ女ではなかった

寝返りの襞に言葉が沈み
朝陽に産毛が焼かれると

夥しい嘘が
たった一枚の真実に包まれて寝転がっていた
あかる ....
捨てられた猫のために
いったいいくつの嘘が必要だろう
きみが飛んでいくほど風の強い午後

覚えたてのからだに
バターのようにしみた嘘
ひと晩じゅうかけて
愛をはがしていく
 ....
亀はよなか
光っていた

声が
それを
すべるように引き去ると
亀たちは安心して眠った

毎夜順番に ひかる亀たちを
うつしながら水は
さびしさも 涙も
持っていなかった ....
だれかのためにしたいと思うとき
胸はすみれでいっぱいになった

雨のあとのコンクリートみたいにふしぎに澄んで
すみれでいっぱいになった

そもそものはじまりとして
世界は美しく
ひとは ....
あなたがわたしにひいた線は
しずかに沈んで いまはもう
ほとんど わたしになりました

種から花へ
あるいは花から種へ
その季節ごとにひいた線は
たがいに絡まりながらなお伸びてい ....
もうそれは溢れてて、熱くて
こわれるみたいに鳴っていた

わたしは切るところがなくなって
肌ざむい朝を待って 家をでる
やわらかいブーツとか、とくべつなジャム、
相槌がわりの歌詞やクレ ....
ぬれて可愛い犬のあたまを撫でてやる
自分の手が よいもののようにみえてくる

ほんとうのことを言っていればいいと思っているひとのとなりだと
まるでほんとうでないように見えるわたしの手が
 ....
さいしょは辞書を食べるのがいいとおもったの
すべてがなにかということと
言葉の味と、紙のにおい

うそだよ、とか、そんなものないよ
とか
それか、
ほんとうにすべては正しいのだ とい ....
またくよくよと絵の具を捏ねては黒くしているあなた
飛べないばかりか落ちていくこともできなくなったあなた
海だとか空だとか持ちだして悲しんでいる
いいよ いくらでも
このあいだふたりで行った ....
夜をむかえるのと
朝をむかえるのは
どうちがうだろう

うえになるのと
したになるのでは
愛するのと
愛されるのでは
生きてくというのと
死んでくというのは

どうちがうだろ ....
ミサイルは
花のうえをとんで
どっかいった

あぶないから
線の内がわをあるこう
くるまが、ほらこわいよ
というと
花がはじめて
こわい
といった

ミサイルも
 ....
はぐるまがわずかずつ深くかみ合いながら回っている
つぎの夜か そのつぎの夜か あるいはこのつぎの春には
がしりと組み合ってうごけなくなるだろう
そうしてすべてのはぐるまが動かなくなってようや ....
ときどき風がつよくふいたし
ときどきかみなりも落ちた
照り返しのきつかった床の一部はいまは色あせて
わたしは懺悔しなくてはならなかった
雨の降るようにはひとを好きになれなかったし
嫌いに ....
色吸いはたとえば
女のこたちのまつ毛のなかに住んでいる
彼女たちがねむたげにまばたきをするときには
世界の端の七色を
色吸いたちがひそやかになめているのだ
だれもきょう
ここにいなくても良いのだ
錆びたてんびん座
図形
意味なしのことば
切り分けられる空間

ここにいなくても良いのだ
うつむかなくてもいいし
生きていなくてもいい
 ....
そのときわたしは息をとめていたし
世界はないも同然だった
前でも後ろでもおなじことだ
どっちにしろ転ぶのだ
夢のような一瞬ののち
美しいさびしさとひきかえにして
草野春心さんのはるなさんおすすめリスト(272)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- はるな自由詩524-2-26
排熱- はるな自由詩524-2-9
午後について- はるな自由詩223-10-1
秋桜- はるな自由詩922-10-5
りんご- はるな自由詩422-9-20
洗濯物- はるな自由詩1122-2-15
- はるな自由詩321-8-30
光りはじめる- はるな自由詩15+20-1-25
熊を抱いて眠る- はるな自由詩13+18-11-14
凡庸な- はるな自由詩518-7-13
詩を書いてよ- はるな自由詩518-2-24
タクシーは次々くる- はるな自由詩318-2-24
街は夜- はるな自由詩1218-1-20
うそと歯車- はるな自由詩317-6-15
あかるい森- はるな自由詩817-1-7
どれだけの嘘が必要だろう?- はるな自由詩316-12-28
亀たち- はるな自由詩516-12-19
すみれでいっぱいになった- はるな自由詩416-12-10
せん- はるな自由詩1716-12-4
あいたち- はるな自由詩216-10-3
ぬれた犬- はるな自由詩516-9-25
辞書- はるな自由詩416-3-13
かもめ- はるな自由詩616-2-26
ちがう- はるな自由詩516-2-25
ミサイル- はるな自由詩716-2-8
はぐるま- はるな自由詩315-12-11
懺悔- はるな自由詩515-9-8
色吸い- はるな自由詩715-7-12
かんてん- はるな自由詩515-6-22
一瞬ののち- はるな自由詩315-6-11

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