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ベジタリアンの君が
冷たい手すりにつかまっている
たった一人、チルドレンの僕は
探偵のようにネクタイを直して
今日も玩具の銃で頭を撃ち抜く
あわ立てたミルク
窒息死
外れた戸から
ぬれたぜつぼうが
はいってくる
泥を舐め
「生活」の遠さに
かなしみを忘れる
拾い上げた空に
青い絵の具が
べったり
逃げてはいけない
戦ってもいけない
忘れても
いけない
そのなかで
見上げる空に ....
深海で気泡がひとつ
ゆらゆらと上昇してゆく
疑えばきりがないことばかりだ
海底に横たわる
屍が呟くから
ボクは
生まれてから今日までの
信じてきたものを
ひとつひとつ
数えてみる
まいこと
きょうとを
めぐる
という
きかくが
やっていて
きっと
かねを
はらわないと
あいてを
して
もらえ
ない
だろうと
おもって
いたけど
こころが
きれい ....
ソーダ水を一杯ください
銀輪の男は言った。
空に白雲 道に影。
道程は遠い、はるかなる世界
へそでおちゃを
わかしていた
ごごさんじまえ
それでも
まだわらっていた
へそでわかした
おちゃはまだかと
いまわかしてるよと
うみがなった
栞が見つからなかったので
小さな紙片を代わりに挟んだ
モノクロの海の挿絵がある頁だった
砂浜に栞が一枚うちあげられていた
巻末には幼い字で父の署名があった
草原に同じ大きさの椅子が並ぶ
たぶん同じ人が座るのだろう
換気扇を回す
他にも回さなければいけないものが
たくさんあるはずなのに
待合室を浮遊する粒子
そして、その沈殿
順番に名が呼ばれ、人は減っていく
女の子が母親と手遊びをしている
ひそひそと西日が射し込む
望むと、かなしい気持ちになってしまう。なぜだろう。薄っぺらい胸を、うさぎがつきぬけていった。龍のかたちにはりさけていた。
わらうには、虚勢を張るしかないのだ。
ずいぶん遠くまで来た。でも、 ....
吸い込まれていくその先は
さいぼうの隠れ家
手を振る、手をふるう
ぼたんになる、頃になる
おや、もうあんなにも遠くに
浸透してしまった窓のつらなり
わたしは遅れた足取りで
ひとつ、ふたつ ....
おねがいだから
君のそのかわいい声に
さわらせておくれ
君のその長い髪を
風に
さらわさせておくれ
悲しくって
腕も脚もちぎれる夜には
思い出させておくれ
君の瞳に映った僕の瞳
....
あたしばかだから
と言って
わらっていた
女の子
あたしばかだから
と言っても
泣きはしなかった
あたしばかだから
いっぱい考えるの
と言って
わらっていた
水たまり ....
みんな
しんでいる
たのしそうに
しんでいる
いきものを
ころしてたべて
それでもなお
しんでいる
紙コップを満たす時間
計算機を分解し続ける少年の側で
親戚の人が斜めになってる
今日会いたい人の
苗字が思いつかないのだ
高円寺の古着屋にある個性という押し売りを
彼女は愉快そうに手に取って
その幾何額模様の可能性を私の太ももに押し当てる
ありとあらゆる自信をくれる
それが次の日に意味を成 ....
おきぬけに
大事なことを思いだし
顔をあらって
みつめようとするけれども
それはもうそこにはなく
かわりに
まずい水を
飲み干さなければならない
今、私の目の前に存在するネジを巻いたら
昨日西永福の駅で私に舌打ちをした中年と
再び会えるのだろうか。
もしそれが叶うのであれば
私は迷うことなくネジを巻いて
その中 ....
二匹の蟹が
久しぶりに再開した
かつて親友だった
今すぐ歩み寄り
肩を叩いて抱き合いたいのに
横歩きしかできないから
蟹はどこまでも横歩きしていった
お互いの距離を保ちながら ....
色のない鉱石を積んで
仲間を探した
冷帯のないこの地方には
生きる望みがあった
書庫だった場所を掘り返し
判読できる紙を集めて
キャンプに持ち帰った
同じ日々が続く
薬 ....
ディーバの死を
CNNのアナウンサーが
大げさに繰り返す
なんでクスリの所為って
言わないの。
ほら
リフレインしてるのは
馬鹿みたいに流行った歌の
高音のサビ、それから
あ ....
海が壊れていた
卵を殺す
そんな思いを込めて
卵を割り 殻を捨て
気味の悪い液体を調理して
美味しそうな料理を生み出す
それが人という生き物だと
テレビの中に並べられ ....
うまれると
もれなくしが
やくそくされる
しはなんだろう
うまれるとは
いきるとは
なんだろう
わたしはいま
はるをまっている
りゆうもなく
まっている
....
正方形の朝から
君の足の親指の
かたちを思って
ぬるい箸を
握り締めてる
鳥のゆく先
瞳でなぞり
テーブルクロスは
からからに乾き
窓から入る朝露に
小さくすんと鼻が鳴る
青いビニール袋を頭にかぶった集団が
夜明けを瓶につめて持ち運んでいるのを
プールサイドの金網の隙間からのぞいている
底に沈んだラジカセのまわりには
人体模型を改造してつくった爆弾が設置され ....
右あし二回
ターン
左で三歩
それは
すばらしい
が
わたしには
みこすり半にしか
みえない
誕生日に
夜景とシャンパン
精子くさい
演出
おまえら
もしか ....
ゆきみちに
しょんべんする
きいろというより
あざやかなイエローの
インジケーション
けものにきをつけなさい
そのいろは
ちかくにいるという
やまのくらしの
....
そのさきにあるのは
なんですか
それはどこに
ありますか
うみのむこうへ
しずんでいく
パレードが
きょうもいく
へやじゅうに散らばるこまかいつぶを一つぶずつ拾いあつめ
へやの
左がわにもっていき
さいごの一つぶを左がわに置いたところで
いちばん左がわの一つぶから
右がわへ
もっていく
死ぬまで ....
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