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夕方になると
家の中の丸いテーブルに
収穫した夕日がたくさん並べられた
トントンとまな板で
取立ての収穫を刻む音は軽快で
一日の話題は素朴だが
夕日色に包まると砂糖の香りがした
夕日 ....
あの空にはたくさんの墓標が立っている
その墓標の苔から僕はひっそりと落ちて来たのだ
今僕の帰りを待つのはその苔ではない
苔はすっかりきれいに掃除された
僕は新品の棺へと
色のない花々にうずも ....
鶯谷で終われば世界も希望に満ちていた。
最終回の続きは水平線へ向かう小舟の日々。
朝焼けも夕焼けも同等に繰り返し、穏やかな波。
果てはない。
せかいをあげるよ
そこできみはひとりぼっちになる
おもう存分たのしんでおいで
いすは
ひとがすわらなくても
それじたい
ひとのようである

だれもすわらないいす
それじたいが
まるでひとのように
みずからにちんざしている

やかれたひとも
まだ ....
ひたひたと雨のふる夜の路地に小さな女の子が立っていた
女の子は少し屈んだかと思うと
黒いアスファルトの上でおしっこを始めた
雨とおしっこは混ざりあい低いほうへ流れていった

マンション三階の ....
ちいさい秋見つけたの輪唱は
町の裏路地を通り抜け
いつしか夕日ばかりの
河原の土手へと
手をつないで駆けてゆく
そんな幼い日の幻影が
電信柱の後ろから
にっこりと顔をのぞかせ
むかし聞 ....
冷蔵庫の炭酸水を飲みながら、太陽をみちづれにして水時計の中身が落ちていくのを見つめていた。むらさき色の部屋が暗くなるまで、シンセサイザーの上でダンスを踊っても、凝り固まった意識が頭蓋骨に当たる反響音で .... きょう
きみがうまれたひに
たどりつきました
ふたりでいっしょに
そのいみをすこしかみしめたい

いきかたは
ひどくつたなくて
そのすえに
きみにであったような
きがした

 ....
バス停は
しずかに濡れていて

時刻表には
ブレスの箇所が
しるされていて

そこにあるのは
文字ではなくて
数字でもなく


声は
とっくに
無力なのでした
 ....
いちにちが
てのひらからこぼれ落ちる

肌をさす
いたいものは
ここの
目に見えないところにかくじつにあって
それはいちにちと一緒に
こぼれ落ちてはくれない

赤い夕陽が木々の葉脈 ....
哀しかった夏

八月もさいごの日

ぼくのこれからを示すように

ひとりぼっちだ

車のなかで夜

なん時間も過ごすようになって

もうどのくらいたつだろう




 ....
できる
けどしない

あなたは
わたしに
なんでも

けど
しない
ちか頃では
傷ついたほうが
えらいので

みんなずたずた

わたしは
Tシャツに
「まんこ野郎」

プリントして

まちをあるく
 
 
縄跳び遊びをしていると
友だちの山村さんがやってきて
それ、ヘビだよ、と
声をあげて笑う
よく見るとわたしの握っているのは
ヘビの頭と尻尾
地面に何度も打ちつけられたヘビは
 ....
失ったものはあまりにも大きい
そう 俺は気づいていた
ニューヨークの薄暗い地下鉄にもたれながら
いつも 俺は 思っていた
きっと帰るべき場所があったはずだった
終わりのない連日の度重なる ....
紫のタツノオトシゴのような銀河と
青色の古代貝のような銀河が
衝突しているという新聞写真

深淵の黒い場所の
手の届かないドラマ
何百万年か後には一つに溶け合うという

地球が属する銀 ....
こうそくバスのりばで
わかものがははに
みおくられている

ふりょうに
からまれんなよ

ははにそういわれて
わかものはうつむき
てれてわらった

それをみてわたしは ....
押入れに入れられて
もうずいぶん長くなる
ときどき遊びに来るねずみに
爪をかじらせてやったり
みかんを潰したりしているうちに
骨の浮いた老婆になってしまった
これではいけないと思う
これ ....
 
それでも星は羽ばたいて
ぼくを夜のそらへ 浮かび上がらせる
雲間からのぞく 朝のつぼみ
いずれは押し寄せる光のざんがいから
隠れているのに
 
白妙の開襟シャツを
風が吹き抜け
猪目山には
夏の雲が浮かぶ

ピンで留められた
7月のカレンダーは
はるかな尾瀬の
遠い空

固い凍土に覆われた裏庭で
キャチボールをしよう
 ....
空いてます
ぼくのとなり

とても広くて
あなたのわがままはすべて叶います
来ませんか
ぼくのとなりへ

ちょっと高くてこわいし
階段もないけど
その右手も 左手も
ぼくに差しの ....
奥に進めばいいと
席を立ったのはいいが
どこまで行けばいいのか
聞くのを忘れた
暗い明かりの下
行き交う人は
あなたの目的は全部
端から端まで知っているんだ
とでもいうように
意味あ ....
0:52

実験をする。あなたは床に寝ている。ケットがみあたらない。あなたはとても疲れている。投げ出された足。わたしではないものの足。さてこれは椅子です。脚が四本ありますし、座面もあります。椅 ....
あなたがそっと背中を押してくれる
それはただしい
とてもただしい

わたしは
そのまま
押し出されるだろう
外がわへ
産まれるように

しぬように
ひさしぶりの世界はするどいやいばだった

半透明な空から直線が降りてきて
その一部になった光があまりにもうるさい
電車が通る音と本当に見分けがつかない

放射能の息を浴びた雨粒も
束にな ....
すきなものはなんですか

あなたがきいた

すきなものは

や木や真っ白な雲
どれも口にはだせなかった

あなたはもうそこにいないから

すきなものはなんですか

私もあな ....
 
 
潮風が吹くだけの頁がある
そこまで読むと
少年はいつも眠くなってしまう
少しずつ部屋に隙間ができる
西日とともに
明日、と呼ばれる不安が
部屋を満たし始める
ハエが小さな声で ....
 散らばった削り屑をかき集めて呻いた。ほのかな樹木の香りがした。あたしは一個の彫刻になっていた、ことばのかたちにからだを削り上げたのだ。記号の救命艇。戦艦は撃たれて沈み、ことばに乗らない彫刻未満がうよ .... わたしは どこにもいない

せかいのどこかに いることを

だれかが ゆるしてくれないようで

だから りそうのなかに

とじこもることに したの

くうきが すごくきれいね

 ....
草野春心さんの自由詩おすすめリスト(1110)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夕日- 花キリン自由詩7*11-9-4
夏の終わり- 葉leaf自由詩311-9-4
1819- di.di.自由詩111-9-4
せかいをあげるよ- はるな自由詩511-9-4
椅子- 小川 葉自由詩511-9-3
おしっこ- 夜明けま ...自由詩311-9-3
かごめかごめ- マチムラ自由詩7*11-9-2
冷透- 魚屋スイ ...自由詩511-9-2
りょう/うまれたひ- かんな自由詩21*11-9-2
両生類- 千波 一 ...自由詩6*11-9-1
漏日- 岡部淳太 ...自由詩511-9-1
哀夏- 吉岡ペペ ...自由詩411-8-31
けど- はるな自由詩5*11-8-31
まちをあるく- はるな自由詩811-8-30
迷子- たもつ自由詩511-8-30
東京を離れて- 番田 自由詩211-8-30
VV340北_VV340南_銀河- 砂木自由詩6*11-8-30
- 小川 葉自由詩411-8-29
帰れない- 春日線香自由詩911-8-29
ひかりのかげ- 四帰自由詩311-8-28
夏の思い出- まんぼう ...自由詩311-8-28
- たま自由詩37*11-8-28
廊下- 春日線香自由詩611-8-28
実験- はるな自由詩211-8-28
出産- はるな自由詩211-8-28
ひさしぶりの世界は- ブロッコ ...自由詩111-8-27
すきなものはなんですか- 朧月自由詩211-8-27
潮風の頁- たもつ自由詩511-8-27
泣きなよビリー- paean自由詩511-8-27
檻の中の少女- 雪路自由詩111-8-26

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