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泣きたくて 泣けなくて
母に手紙を書いた夜
滲むことさえ出来ずに
笑顔の文字が並んだ


  「変わらずに元気です
  新しい服を買いました
  今度の休みに帰る
  その時に着て行 ....
一回。



初球は大きく外れ、
バックネットに突き刺さった。
球場がどよめく。
マウンドが揺れている。

おれが揺れている。





 ....
毎日ともに働く人が 
あれやって 
これやって 
と 
目の前に仕事をばらまくので 

わらったふりで 
腰を{ルビ屈=かが}めて 
せっせ せっせ と 
ひろってく 

そのう ....
枕の高さの分だけ
浮いてる孤独

しわのように
なみが 追いかけてくる

向きを変えたいけど
やっと こもってきた熱だから

隙間に入り込む外の風を
力なく拒む

しろくにごる ....
たくさんのさよならを
散り敷いた桜の花びらのように踏みしめて
僕は行く
何に呼ばれて
僕は行くのか

からっぽになった
僕のからだは
何色の絵の具を
入れたらいいのかな

もしこ ....
終焉の華やぎを纏い
空いっぱいに広がる桜の隙間を
北風が逃げてゆく
見上げれば天晴の青は淡く
春を深く含んでいる

息を吹き返した芝生の向こうでは
まだ親指姫の誕生しないチューリップの固 ....
いま
{ルビ仄=ほの}明かりの部屋がとても寒くて
ぼくは
コカ・コーラの気が抜けてゆく潮騒の中で
花が開いていくのをじっと見ている
足が冷たく
息の僅かな白さの中に
ちいさな子供だった頃 ....
{引用=




  手紙のうえを 匍匐する 春の補色残像と 虚飾で
  ペン先が 紙を愛撫する この前頭葉には 潤いが
              どうも足りず 西洋風の
  横書き ....
?.

なんだかみんな似てるね
みんな美人ぞろいだね
あのこ ああ、あのこなんか
絵にしても いいね

なんだかみんな似てるね
でもおまえだけ少し違うね ....
一。



昨日はちょっと、
あたしが言い過ぎた。
…のかもしれない。
でも、
あやまらない。
あやまりたくなんてないもん。
あんな言い方なかったも ....
きのう吹いたつめたい風が
あれは冗談とほほえんで
春の粒子を散りばめたなら
さくら通りは魔法のアーチ

鳥がね
枝を渡って
ほら
花びらたちが

くるくると
  ....
あなたへの想いを響く音にして
閉じ込めた心の猫目石
口付けて震わす閃光の弦
石に刻みつけたのは
ガンジス川の砂の数
それほど遠い過去世のこと
二人の日々
誓いの言葉

清音に震わす心 ....
ひとりぼっちに
ならないように
鳴くことをおぼえた
あの日

どこまでも届けと
生まれてくる、こえ
書き付けられた
記憶ではなく
いま、あふれだす、こえ

ことばは、忘れないため ....
イクラ丼が食べたい
キヨシマツモトは突然に言う
案の定僕のポケットには
北へ向かうチケットが二枚ある
キヨシマツモトでは本日も医薬品が大安売りで
僕はまったくの文系だけれど
キヨシマツモト ....
とおくみつめる

あの秒針の刻む音が
きこえるほどの しずけさで
あやしくぼんやりとした曇天に
にじむ光の粒子を
私も刻む
時のまなざしは熱かった
 始まりは、秋の縁側で
ぶらさがっ ....
  
はるは ひたひた湧いてくる
はるかかなたの 地殻の置くから

ひたひたひた

毛細血管を駆け上り
地上にある草木という草木のすみずみまで

ひたひたひた





 ....
春の雨になりたい

あたし 春の雨になりたい



あなたはすぐに 春の砂にまとわれて
その嵐の中に {ルビ荒=すさ}ぼうと揺する

小さなオルゴールの中に
こころ を 忘れてきた ....
君の手は何をつかむためのもの?
君の言葉は誰を包むためのもの?
手が二つあるからこそ
人間は愛する人を抱きしめられる
心があり口があり言葉があるからこそ
愛する人を優しく包むことができる
 ....
あなたを通り過ぎた風は
凪いで
睫の高さで追いかけていた
ニ歩先の肩甲骨と
くしゅん、と鳴った鼻
とのあいだに、置いていった

指先にのせて飛ばした
内緒のくちづけの形をした
ふ ....
水を、欲している
のどの ずっと奥のほうで
さかなが泳いでいる



季節が融けはじめていることに
気づいたときには もう
わたしのなかの海は 浄化され
沈殿していた過去があふれ出て ....
幼い頃からいつも一緒でした

わたしとあなたは

いつしか

あなたの右の指に花が咲くようになり
わたしの左の頬に花が咲くようになり

わたしたちは
その花を愛でたり食べたりするよ ....

 かし  な
  ぎ


  ふきょうわおん  ?


       混じる  ノイズ


             あなたは 閉じて あなたの 青白い まぶた 

 そ ....
犬小屋の中でお父さんとお母さんが
おままごとをしています
春の陽が一番良く当たるお庭で
せまいね、と言いながら
それでもきれいな身なりで
プラスチックの食器を並べていきます
  きょう、の ....
君に対する僕の心は

ほとんど愛で


蝋燭たてとか

傘たてとか


ドアノブとか

靴べらとか


そういうものに

僕はなりたい


 ....
さんびどおもってらば
まだ ゆぎっこ ふってくるおだおの

まぢの たんぼだば すてっときえで    
ながぐつなば はずがしして
みせっこさ よ ....
刀折れ矢が尽きても
倒れられないことがある
身は魂魄に成り果てても
走り続けなければならないことがある
愚かなことよと罵られても

信じるということは疑わないということだ
たとえばそれ ....
明星が
響いて
眉間から
無邪気さだけが
踊りだす


畦道から
蓮華の色彩だけを
怯えながら
手折るように
ことばを
間引くと
やっと

 ....
保育園の窓の外では
世界童話全集が産卵をしています
孵化したばかりの童話は
粘液で汚れしかも鋭い牙があるので
先生たちがきれいに拭いて
牙を一本一本抜いていくのです
暴れて困るものはダンボ ....
  


春 山を見つめる
西の国から旅して来た
黄色い流れが 静かにたゆたい
ゆっくりと全てを覆い隠す

優しさだけを探して
ほかの事には目を瞑り
握りあった手と手を伝わる温もり ....
夜はぴちょん。
月はぬくぬく眠りこけ、
ぽっかりお口を大きく開けて、
しずくを垂らして、
ぴっちょんぴっ。

月のしずくはほろほろほろろ、
夜をすべって、 ....
ルナクさんの自由詩おすすめリスト(3607)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
手_紙- さち自由詩19*07-4-6
「_残球。_」- PULL.自由詩5*07-4-6
畑の道にうつむく人_- 服部 剛自由詩18*07-4-6
古蝶石舞- 砂木自由詩13*07-4-5
DIVE- とうどう ...自由詩16*07-4-5
擦れ合うゆびさきで- 銀猫自由詩15*07-4-5
花冷え- 水町綜助自由詩35*07-4-5
tegami- はらだま ...自由詩11*07-4-5
おまえからすべて奪って- 水在らあ ...自由詩2307-4-5
「_あーそーぼっ。_」- PULL.自由詩5*07-4-5
陽だまりらせん- ささやま ...自由詩13*07-4-5
宇宙の塵の数ほどの想いあなたに馳せし夜- アマル・ ...自由詩5*07-4-5
ひとりぼっちに、ならないように- たりぽん ...自由詩16*07-4-4
北へ- たもつ自由詩507-4-4
時雨れる少女- こしごえ自由詩28*07-4-4
おひたし慕情- るるりら自由詩1107-4-4
春の雨- もも う ...自由詩27*07-4-4
抱きしめて涙零して生きてゆく- アマル・ ...自由詩707-4-4
春の距離- Rin.自由詩20*07-4-4
回遊、わたしのなかの、- 望月 ゆ ...自由詩58*07-4-4
- ふるる自由詩20*07-4-3
春のノイズ- ふるる自由詩407-4-3
おままごと- たもつ自由詩707-4-3
君に対する僕の心は- 水在らあ ...自由詩56*07-4-3
んだがらしゃ_(訳在り)- 砂木自由詩15+*07-4-3
汚辱の底で- アマル・ ...自由詩607-4-2
蓮華- はらだま ...自由詩15*07-4-2
噛みつく童話- たもつ自由詩1607-4-2
春に- 川口 掌自由詩10*07-4-2
「_夜はぴちょん。_」- PULL.自由詩10*07-4-2

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