突き抜けていく、突き抜けていく
独りの個の限定された
知覚を感情を世界観を
声 響き渡る、声 突破する
混沌とした音響のなかを
この世界という音響のなかを
私という存在に真っ直ぐ突 ....
地球が一廻りして朝が来た
雨降りの朝、風が吹く
疼痛は収まり、意識はクリア
道行く人は目的を持ち
僕は温かな喜びに包まれ
今在ることを抱擁する
いつ崩れるともしれないこの覚醒に
ゆっ ....
○「規制」
政治家は
抜け道も考えてから
規制する
○「アベック」
若い人たちは情報的だ!
この猛暑の中
手をつないで歩いている
○「女」
亭主と別れた女は
きれいになる
....
心は
折れなかった
君を失ったときも
心は
いつまでも痛んだが
べつに折れたりは
しなかった
そんなこと
人生に
よくあることではないか
そう
想えていたと ....
おねがい、ぼくを、ころしてくれないか。頭の中のきみは、水色の、ぼくだけがしっている秘密基地で、ぼくをまっていてくれている。それが希望以外のなんだというのか。きっと、かわいいかおをしているんだろうね、声 ....
9月になればまた学校が始まり、けれど暑さはまだまだ過ぎ去ってくれず、プールに入り終えたような夢見の感じが幻熱のように僕らを冒している 時間をゆるやかにしかし直角に左折するような季節のうつりかわり 教室 ....
夏の始まりは曇天 灰色の雲がたなびき 川として日常は過ぎ
ランチにはまだまだ早いな 僕は思った
流れ星を探すよりタイムカプセルを埋めよう
そんな僕は 飛行機の乗客で
23歳 透明なはずの身体が ....
なんでもない一日が
なんでもなく過ぎようとして
でもわたしはやっぱりたましいの
不思議な深みにはまってしまい
途方に暮れる
押し寄せる苦痛
沈み込む哀しみ
息をつめて覗き込む
....
○「精子バンク卵子バンク時代」
これからは
血のつながりよりも血統だ!
○「人間関係」
人間関係は
相手との調整だ!
○「老化」
入れ歯
老眼鏡
補聴器
カツラ
紙パンツ ....
叫ぶように笑う 君の癖に触れて
押さえつけられた 涙の気配に気づく
いつもはしゃいで 明るい君がふと見せる
深い影の中 手を伸ばしてみたくなる
悲しい記憶を乗り越えてく
空を飛ぶより ....
ねえ、甘いものだけ
皿の上にならべたよ
ねえ、食べ物のことだけ
今日は考えるって約束
すみれの匂いがする
そんなことってあるわけない
象意の随意による不本意
小便が止まらねえ
....
あのひとが僕のことをかんがえてくれている可能性はあるだろうか。あのひとはいま笑顔だろうか。きっと雨が降っている、田舎で、きみは濡れながら笑顔で、雨に打たれているのだろう。空は真っ暗で、きみは、真っ白な ....
ゲリ、ゲリ、ゲリラ
豪雨の降る夜
特別避難警報が鳴り響く中
どさくさ紛れに
逃げ出した精神病院
追って来るのは
氾濫した川の濁流と
いつもの奴らの声だけだ
「ゲリ、ゲリ、ゲリラ
ゲリ ....
心模様は
ゆったりと落ちて
貼られた桟橋から
ガラクタが投げ出された
でっぷりとしたぬいぐるみの釦を眺める
....
「今すれ違ったクルマ
SUVなのにシャコタンだったぞ
意味不明だな」
「あぁ、確かに車高の高い車を買って
車高を低くするためにお金をかける
バカみたいだけど」
「そうだね
でも ....
みんみん蝉が鳴いている
曇天空に、ただ一匹
細かい雨が降っている
みんみん蝉は鳴き続ける
それは私の心に木霊する
抑え難い生命の高まりが
溢れ続ける生への執着が
私の魂を掻き立て ....
肩越しに見える夕陽が
傷跡みたいに赤く
落っこちそうで
揺れている
並ぶのは景色ばかり
それでも
君が振り返ると
音なんてしないのに
ギュッと
掴んだ手首は
熱くなる
....
宙へ手紙を
したためる
魂という命のペン
下手な字でも
読んでくれる宙
今の自分に
出来ることをしてから
天を静かに信じる
そして
天に任せる
自分に都合の ....
愛などなかったと思うと
体がすうすうした
夢などみなかった
明日など持たなかった
そう思えばすうすうして
にんべんをはずした私の、
うすっぺらい物語も
すこし良いものに思えた
....
闇に没して
自称詩人、自称詩人と
つまらない悪態ばかりついている
くそったれだ、キサマは
わたしは歌い叫ぶ
この世の地平を突き破り
独りになって、独りに戻って
限界ギリギリまで
内 ....
雲が月をくぐり
見あげて言った
霧の奥でゆっくり
つぶを丸める実
車の窓から
今を遠ざかるものを想う
牙を競うけものらと
美しいあなた
神をこめた
水はいのちと繋がっているの ....
仕方ないよ。
自分の
思い通りにいかなくて
当り前。
思い通りにいく方がすごいよ
出来ないことも見るけど
それよりも 小さなことでもいい
出来ることを見よう
今日も一つ一つ ....
僕は苦しいときいつも走っていた
就職がなかなか決まらないとき
仕事がうまくいかないとき
人間関係に悩んだとき
失恋したとき
いつも走っていた
走って走って汗をびっしょりかくと
気分がリフ ....
いろいろな
一つ一つが
奇跡 だから
何気無いことにも
ありがとう
過去にも
未来にも
現在にも
とらわれていてはつまらないから
ただ味わうことにする
{引 ....
前代未聞の
異様な手製武器による
前首相襲撃事件であらわになった
怨念と闇におおわれた
悪魔がかっ歩する世界
固定票や組織票のように
比較的安定した
安定票という
悪魔 ....
あの空の下からあの空の向こうまで、なだらかにせりあがりなだらかにくぼみながらどこまでも続くみどりの丘、その丘を白くつぶつぶと覆いつくすほどのあの羊たちがいっぺんに、シーツをめくりあげるように消えて ....
山が私を待っているわけではない。山の作業が私を待っているのである。
朝からミンミンゼミは鳴いている。
心の洞窟に蝙蝠がぶら下がり、鬼蜘蛛がのそりと動く。
湿気のある岸壁に苔がむし、カマドウマのよ ....
鳥のように
花のように
深く静かに、
風が死んでいる
湿った潮気とともに
蒼いナパームの花の匂いが
甘く立ちこめていた
融けた日付が
なぜかナパーム岬を過ぎても
ヒロシまだ帰らない
....
何も伝わらなくなった
正しくないときに
言葉を費やし過ぎた呪いだ
骸骨になって
自分の中を旅している
街は闇を内包していて
俺やお前みたいな
サブカル好きの
予定調和嫌いは
そっちに心を奪われがちだ ....
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