暮れなずむ秋の夕べに星一つ

露と消え悩みもどこかへ流されて

あけびの実今は亡き母とともに

名月を見ずとも時は過ぎにけり

雨また雨と見るうちに変わる秋の色

望月の過去は思い ....
からっぽの手紙が積まれてゆく
借りてきた言葉ならまだしも

狩られているものは人の心じゃないのか
彼との間さえも誤魔化し
軽んずるためだけの言葉が連なる

綺麗なつもりでいて
嫌いとい ....
これは骨
これは皮膚
血もある肉も内臓もある
食べたことはないけど
食べたら美味しいかもしれない

これはぶよぶよ
これはどろどろ
よくわからない生き物で始まった
すぐに名前がつけら ....
素晴らしい人に育って
素晴らしい大人になって
素晴らしいでしょ?

#短歌

りんりんとピンポンダッシュで逃げ遅れ
鳴き続けるは鈴の黄昏れ



煌々と動脈だけで生きてます
誰 ....
新しい{ルビ朝=あした}は秋に降り立ちて

思わずとも秋澄む庭に小鳥たち

とがりとがり音立ててなお秋の宵

誓いとはいかなる意味ぞ身に染むる

秋深くつるべ落としの夕暮れに

齟 ....
中華そばが食べたい

鶏ガラスープにしょうゆ味
チャーシューは薄くてかためで一枚あれば上等
メンマはくたくたで噛むとじゅわっと濃い出汁
しゃきしゃきのネギが散らばっている

脂が透明 ....
  川を越えて
  戻ってこなかった
  砂利になった言葉ならば
  ひとつかみにして 気のすむまで
  玩んでいられるのだが


  駅の屋根に
  ふる雪のかなしさ 静かさ ....
遠足の朝、
運動会の朝、
朝の匂い、
光の鈍さと透明さ、
失望、失望の朝、
こんな朝、過去はどこにあるのだろう?、
宇宙はどこにあるのだろう?、

感情で遊ぶ、
遠い昔の感情で、
 ....
火山が好きよ、と言ったら
火山をプレゼントしてくれたあの人
もっと僕を怒らせてくれたら
もっと凄いのあげるって
だから悪口これでもかって
言ってあげた

余りの怒りで真っ赤に燃えるあの人 ....
思い出を遠くに越えて曼殊沙華

ふり帰る道もなくまた秋に落つ

秋遍路憧れという迷い路に

馬肥ゆる秋とは言えど痩身にて

夢見がち秋の蝶に明日を追い

めくるめく思いを秋明菊に寄 ....
プリンターの音と
蟬の音と
僕の爪の掠れる音が
誰のものでもなく騒つく

地球は夜を見せびらかし
僕は寂しさを見せびらかし
ただ操られている馬のように
そこにある穴を探す

あの日 ....
もさもさとはえてきますな
ふつふつとわいてきますな

なんでしょうな?なんなんでしょうな?

たかぶるたましい包む無限の慈愛 微笑み、

無言の沈黙の のびやか色づき
無機を有機を つ ....
悲しい
と言う
悲しみを
遠く
鳥はゆく
栗の実の茹でたてほろり口に溶け

{ルビ暁=あかつき}の{ルビ八千草=やちぐさ}濡らす{ルビ夜半=よわ}の雨

今朝の秋ボアのベストを羽織りけり
季節の猫に触れてはいけない、
音楽は常に涙でいっぱい、
頭をもたげて、
性格とは離れて、

乾いた風景、
どこを見渡しても、喉が渇いていて、
光を浴びて、虹色で
マングローブみたいで、 ....
流れ星今年はひとつも見ずにいて

秋の田や国道沿いに実る穂に

雁の鳴く屋根の上には目をやりて

月の雨雲隠れせず晴れていよ

雨の月かんかん照りで名に負わず

鈴虫に願いをかけて ....
ここへ。私の上の明転の、金糸雀の鍵は
まるく羽織っている うやうやしく蝶々で
その四季は 焚き火には 目隠しばかり

またその大部分はとがり 違えていた
ブロンドの星が監禁される 玻璃のない ....
すべての人が免れ得ないのは孤独

バス停のそばに人々が釣りをする沼

だから一人でいる

秋渇き昨日すら忘れた

愛の空虚さよ空虚さこそ愛

秋の宵わたしは響くか
その人の人生を
私は生きられないので、
私は私の人生を
生きるしかない
一度限りの人生



さまざまな人や物事に
さまざまに支えられている私
これも
みんなのおかげ
ありが ....
我妻へのラブレター

 
初恋のデートで訪れた竹下通り
あの日に入った喫茶店は
何処だったのだろうか

季はゆっくりと移り変わり
刹那にもがき苦しむ人達も
入れ替わり立ち替わり

 ....
悲しくて此の花咲くや秋桜

悲しみや月代を追う人の群れ

泣いてもなお明日には咲く秋桜

爽やかにコーヒーを飲み黙考す

信頼は秋の夕べに訪れて

きりぎりす泣いても良いよ過去は過 ....
もうじき目を閉じるわ
ちょうどいい頃合い見計らって
覚え切れなかったステップ
まだあるけど続きはあちらで

幸せよりも幾分鮮やかに
回る走馬灯の薄明かり
聞こえてくるよ、産声が
歌って ....
   
僕のさみしい夢を
獏は食べててくれたのかな

獏のさみしい夢を
僕は食べてたのかな

今日
どうしてここにいるのかな


  
    
われからに過去の思いで時に秘め

思い出を心に刻む曼殊沙華

秋日傘差しても日焼けは避けきれず

三日月や見つめる我は遠くに失せ

秋の宵父は晩酌ひとり静か

虫の声を聴いて眠るは ....
かつて私は
小鬼だった。
銀河の岸でありがとうと
私に手をふる小鬼も
元気である
溶けていく一番長い一日も
なんてことない日の何処かへと


傘の柄が折れたら水の音がして
この血どこから湧き出てくるか


暮れかかる窓の外側よじのぼる
かえるよ太れチョコレートパフ ....
2023年10月5日朝

もしかすると
東京は
ずっと
夏が続くと
思ってました。

いきなり
昨日から
秋が来た感じ
涼しい朝。

あっという間に
冬になるんだろうな
 ....
寝起きは夜中でもまぶしく

かたちがある白桃

出れば開けた土地に霧

秋気は強烈な感情しかしわたしのではない

他人にも自分にも向かわなければ天に向く

朦朧さではない秋の意識の ....
星月夜あけぼのに見し夢希望

見える見るあいだを越えて星月夜

鶏頭のこころ隠して時は過ぎ

雨月かなそぞろに惟う過去の音

コスモスや失われても追う月日

眠る時律の調べに身を寄 ....
さやと吹く風に揉まれて舞う落ち葉 情(こころ)さみしやしずむ夕焼け
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