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この灰いろの曇り空の下、
君のくちびるだけが赤い、
mysterious eyes,
そんな、頬杖の突きかた、
陽だまり、虫たちの空港
夢はいつも
そこで見ている
日々をかたどる
ため息も呟きも
散り散りになって
空のあるべき場所へと
帰っていく、と
痛みだけか残る
整備士の足首の細さ ....
川は土壌や石のミネラルを削りながら流れ大海に辿り着く
人は何を削りながら現在を生きているだろう
そして人がたどり着く先には何があるだろう
誰も知らないその先へ向かっていくのはこわいけれど
どう ....
高級官僚になれますように
七夕の短冊に、そんな願い事が書かれてあった。
デパートの飾り付け。
ユーモアあるわね。
それともユーモアじゃなかったのかしら?
ひばリンゴ。
ひばりとリンゴを ....
朝方は雨に近いみぞれだったが、いつのまにか大粒の牡丹雪となり
真冬のような降りとなっている
誰にけしかけられるでもなく、雪は味気なく空の蓋を開けて降り出したのだ
すべての平面が白く埋め尽 ....
昨日は近く
今日は遠い
明日はその中間くらい
夏は遠く
秋は近い
春はよく分からなくて
冬は一周回って背中に
張りついている
夕は近く
朝は遠い
昼はいつも手探りで
....
朝の冷たい床を踏んで
温水を浴び始める
髪を洗う事にする
泡を立てて
それを洗い流す
泡が伝う
うちがわの
頬を触る
冬をひとつ
生き延びた
ことになる
手を握る
生き ....
新しい扉を開けた
空気が変わり
音符が泳いでいる
軽やかに一歩踏み出すと
未知の光が影を溶かす
昨日までの鎖が解けて
心に翼が生まれる
希望に満ちたメロディが響き
追い風が吹く
やがて白銀の景色は薄桜に染まり、
雪風は砂風となってアフリカの砂漠へ移り吹く
ぐにゃりとした冷たい肌のやつは、
サハラ西岸の浅海で捕れた後、冷凍されて
TAKO と記された紙箱に詰められ海 ....
小さく丸まった背中に
触れようとして
手をのばせなかった
盆の季節までさようなら
しわしわの笑顔で
手を振る人
何度も振り返って
手を振ると
小さくなった姿が
まだ手を振っていた
....
担保とは達成できなかった時に
取り上げられるものだよね
人間も上手く生きられなかったら
命を取り上げて欲しいな
惨めなままで生きるのは辛いから
でも担保は
プラマイゼロになるくらい ....
女性アナ「本日のゲストは関根勤さんです」
パチパチパチパチ
女性アナ「関根さん、以前はラビット関根、さんとおっしゃってたんですよね」
関根勤「 ええ… 」
…
たけし「おい!松村、ウサ ....
曇る空を見上げれば、少し小降りになったようだ。
突然、雷雨に急かされるように外へ飛び出した。
全身の筋肉という筋肉
骨格という間接の隙間から湧き上がる汗だ。
あたまの先からつま先まで
....
○「発展」
経済発展から人間性の発展への大転換を
○「悩み」
人間は悩む動物である
そしてその中味こそ重要である
○「リーダー」
国家はリーダーから腐敗していく
○「今のとこ ....
葉先が触れる人を傷つけた
沈黙は重く
伏し目がちのまつ毛に
影が落ちる
言い訳をしたくなるのを
ぐっと堪える
発すればまた言を超えて葉が
鋭利に振る舞う
許しを乞おうとする唇が歪む
クモの糸にくるまれて考えた
何をするのにも、お金がいるんだなあって
あったくて、微睡んで
暑くて、起きて、苦しんで
まだまだ死ぬまでに時間がかかるなあって
苦しいなあ
もう動くこともで ....
春をどんなに嫌っても
憂いを製造しながら
春はやってくる
薬局でのど飴を買う
漢方ぽくて効きそうなやつを
「噛まずになめてください」と書かれているのに
気づくとがりがり奥歯で砕いてしまい
....
くじらが泳いだ 雲のなか
わたしは そうっと 手を這わせ
ほつれた からだに 火を垂らせ
燃えつく心を 口ずさむ
中途半端な 感性を
握って こさえた 造形の
美しさすら 知らない ....
○「大災害」
海も危ない!
川も危ない!
山も危ない!
日本は逃げ場がなくなる
○「生活習慣病」
薬を飲む前に
やることがある
体操 運動 食事 睡眠
○「いじめ調査」
「 ....
まるくなる
何もない診断書
横風が吹いて
わたしは縦を思った
たくさん浴びて
湖のほと、り
泳ぎそびれた
手漕ぎボートの
車掌の後姿が
群衆に
触れた
汗、それを ....
おれたち闇を見てる
おれたち夜を見てる
おれたち風を見てる
おれたち今を見てる
おれたち虹を見てる
おれたち春を見てる
おれたち海を見てる
おれたち光を見てる
....
何気なくひらいた
絵本の頁のなかに
千代紙で折られたお雛様が
はさまれていた
どうしてそこにいたのか
記憶をさらっても
出てくるのは
春の真水ばかり
けれど
そのお雛様には見覚え ....
あなたは
とうに知っているだろう、自由に書くということの{ルビ荊棘=けいきょく}を
はるかにふかいふかい穴の奥底から
虐げられた名馬たちのいななきが聴こえる
ではただちにそれを装備し また外 ....
才能というのは、なんでしょう。一度才能のあると思う人と話し合ってみたいテーマであります。
僕が一つ思うのは才能のある人は記憶や、記録というものにとても敏感で、大切にしますね。
つまり表現者という意 ....
体温を摩耗した少しずつ違う服
対人に摩擦したヒダと整合するひだ
ときにぴたっと嵌りつつ
春に忘れて
ねつにうなされ
風のじゅうたんに浮かされ
斜線の人差し指にいちげき
さくら ....
はる、
勉強机と低い本棚の間に架けられた、
一本のクモの糸、
その事が今なんだか妙にうれしい、
それは春が春のなかを渡り歩いたという、
ささやかで、
たしかな軌跡、
ひさしぶりに開け放っ ....
夕景、
日ようび、
電信塔は、
今日、という休日を、
あるいは、平日の日々を経た、
この一週間、
を、ほぼ締めくくるように、
この赤い夕陽のなか、
きわめて、
黒い、
きわめてシン ....
音楽や言語の旋律によって意識が肉体から引き剝がされんとする瞬間、乖離の中に痛みや苦しみなど微塵もないことを知るだろう、人間としての知性と生物としての本能が共鳴するためには、生半可な覚悟じゃ到底成し ....
とうに終わったエピローグと
いまだ始まらないプロローグの
狭間に佇む
記憶はずっと仮縫いのまま
予感もずっと仮縫いのまま
だから
来たるべき時のための衣装も
ずっと仮縫いのまま
....
あなたの耳の中に
階段があった
手摺はないけれど
転ばないように
わたしは一段一段
下りていく
一番下にたどり着く
幼いあなたが
膝を抱えて泣いている
もう大丈夫だよ、と ....
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