すべてのおすすめ
悲しみばかりが増えて
このままではいけない
花弁をバラしてみても
ご飯を食べても
言葉を知って勇気を出して
幸せを探しに行こう
どんなに遠くにあってもかまわない
歩くための足の準備は ....
宇宙のどこかで超新星が爆発している頃
ぼくは縁側で爪を切っている
我々という混沌を気にもせず
おはようございますと近所を装う
猫が欲しい 人も欲しい お金も欲しい
そろそろ寝ますか
それと ....
○「処理水放出」
「説明不足」というよりも
「信用不足」なのである
信用されてない総理が
いくら説明しても
同意はえられないのである
○「田舎の人間関係」
強ければ多少悪くたって
....
ビーチもゲレンデもナイトプールもダンスフロアもレストランも、そういうのぜんぶいらなかった。あたしに必要なのは、きみの声が届く静かな空間だけ。音程、はずしてもいいからその声で歌ってほしかった。小さく、静 ....
未知の道の途上に在り
根っこ深々と張り出し
次第に熱帯びるノスタルジア
濃密に暗まる空の青みに沈潜する
日を追うごとに
思念は衝動は強く熱く
虚脱と執着は止むことなく
お前は何を求 ....
ダイヤモンドの針をそっと置く
行っておいで
想い出は遠くなるばかりで
美化されたがっているのはなぜだろうか
この溝は
なぞられれば現れる道だ
ふたたび
さみしさの琴線に音を咲かせ ....
鏡の中の自分に問いかけている。積み重ねてきたすべてが答えてくれる瞬間がいつか来ると知っている。あきらめないで、でも、あきらめてでもなく。私の中にだけあることだけ。その中から失い得たすべてがかけがえのな ....
濃密なすきまによって武装された道化師の衣装
時代の手綱を放れて八頭だて馬車がもぐりこむ
目をこらす間をうめてミクロはマクロを着服し
際限のない馬蹄の音で布袋腹をリピートさせる
いついかなる ....
○「坐禅会」
足を組み背筋を伸ばし
一息一息に意識を集中する
坐ると無心になれますか
と聞く人があるが
坐っていると
妄想が次々と浮かんでくる
無心とは程遠い
線香の灰の落ちる音ま ....
午後、
いちまいの枯れかけの葉を、
三塁からの盗塁走者、
にする、
ひとすじのつむじ風、
の、狡さは、
運搬するコンベアーの滞り、
に、よって無残にも堰きとめられた、
試合は、
14 ....
十九
土間のかおりが濃い風の中で
今もまだ鏡を磨くその人は
母方の大叔父だった
茶摘みが好きな
ハモニカの上手が
無口な夏の
終わらぬ波の狭間へ
時の流 ....
子どもたちの夢は
入道雲とともにあった
貧しかったけれど
夢があった
時は瞬く間に過ぎて
もう戻らない
今は夢にうなされる日々
氷の季節には回虫も動きを止めていた
突然太陽が暴れだしたのでリンコ/僕は逆らうことを諦めた
ゆるせないのは涼しい顔をして腹の虫を肥らせていること
弱虫と見せかけて強い者には抵抗し、さらに ....
私たちは畔にいる
この川に隔てられ
あなたとわたし
大空の下 太陽の下
絶え間なく絶え間なく
落ち続けて昇り続けて
洋上で過ごすように
日がな一日、
畔で待ち続けて
絶えず思い出 ....
ふしあわせ というものが
とくに こころ美しく
あたまのするどい ひとに
みいる のでしょうか
はんぶん いろづいた林檎の
つめたい甘酸っぱさを
あなたは こころ ....
砂を、食べている
無限に広がる
砂漠で
時々蜘蛛を、見つける
その、内臓も食べる。
そうして今日も
照りつける太陽に焼かれて
流れ出る汗と熱に
揺れる視界に
方向感覚 ....
○「帰省」
今は
親が
子や孫に
気を使う時代である
子や孫が帰ると
ほっとするという
○「さまざまな会話型AI」
「会話型AIボケ老人対応仕様」
「会話型AIかかりつけ医仕様」 ....
いちちゃが
いちまでぃうんな
あんしぇーまたやーさい
(なぁ、けえてぃくんな)
——
何時来ゃが
何時迄居んな
あんしぇーまたやーさい
(なぁ、帰てぃ来んな)
....
○「災害中継」
テレビの現地中継で
テレビ局の人が言っている「言葉」と
映している「様子」が
一致してない場合が時々ある
これは改善していただきたい
人間は
言葉よりも見た方を信じやすい ....
汗が目をつたい
塩辛さが痛い
草は水を失い
根無し草を被っている
ミンミンゼミは狂い鳴き
一日のはじまりから終わりまで
命の終末まで生を主張する
夏は終わろうとしていた
....
私の名前はルナ
精神科医の父と母と暮らしている
ずっと引きこもりだったから
私を見かけたことはあまりないかも
もしも夜中に変な音が聞こえてきたら
それは猟奇殺人の証拠になるんだけれど
....
○「想定外の時代」
今は
心配していることよりも
心配してないことの方が
起きる時代である
心配症の人も
心配してないことまでは
考えられない
○「しあわせ」
まだ歩ける
しあ ....
濃い青の空に
白い雲の城砦がいくつも立ち
なかぞらを埋めつくす蝉時雨
他のどの季節にもない濃密さで
夏は君臨する
けれどその夏の中に
巨きな空洞がある
夏のあらゆる濃密さが
そこで ....
九十年も連れ添ったなら
死ぬ日も一緒 どうせなら
あんたは言った 猛暑日に
「こんな暑さはどこふく風よ
エアコンなんてやめてくれ」
あたしは火照ってしかたない
あんたの強気に惚れたのね
....
小さな手花火
火をつけられたら
そこからはじまる
儀式
一瞬燃えたあと
丸く赤い心臓が生まれ
酸素を吸って
チカチカと
この世ではじける
火の花
いっときの命
えいえんには続か ....
京都三条大橋から
どう歩いたのか 黄昏時
そこは照明も暗めな地下の酒場
会社で 見かけたことのある
顔が目につく
チケットが一枚余ったんだ、と言う
上司から強引に誘 ....
いつから、
あそこにゐるんだらう。
日溜まりの向かふに、
声がする。
日溜まりの向かふに、
声がする。
わたしの声だ。
それは、
....
昔は僕も若かった
どんぶり飯にラーメン大盛
コーラはオームサイズ
昔は僕も若かった
100メートルを全力で走っていた
マラソンを完走していた
昔は僕も若かった
朝立ち昼立ち夕立ち
いつ ....
過夏、アキ、コメット伝言 わらべから
*大矛盾。社内で行う第三者委員会。
**超現実。分裂することでの刹那の安心。
***近未来。言葉と文字と情報で構築されたネット詩人たち。
....
窓の外からプラハの音がする
かつて愛していた人や物も
眠たい砂鉄のように
廃屋に降り積もっている
少し押し込むと
そこで手触りは行き止まり
肉体は肉体たちのメニューとなり
旧市街 ....
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