寄る雲が海の藻屑も水雲も呑み、鵜が潜る夜。
よるくもがうみのもくずも もずくものみうがもぐるよ
「どう? これ」「それこそ、これぞレコード」
どーこれ それこそ これぞれこーど
....
○「前向きになる言葉」
*考えるから苦しくなるんだよ
考えないことです
*年相応です
*なったらなったでその時に考えましょうよ
*頑張っているね
*できることがあった ....
鶏肉を食べた
美味しくいただいた
鳥、なのに空を飛べずに
生涯を終えた
鶏の悲しさも一緒に
余ったお肉を
冷蔵しようとしたけれど
開け放った窓から
飛んでいったのは
....
思い出に浸して 濡らした糸の切れ端
残したアルバムは鍵しかなくて とても近く
見えるグラデーションの 滲みは切ないね
無味香る さらった風に 遊ぶ糸の色は赤に見える
通り抜ける点に いつで ....
おやすみなさいと
満月から聴こえた声は
夕方までの小雪のせいか
虹色の幸運にくるまれてるみたい
ゆっくりと眠れそうで
おもわずおやすみなさいと
ちいさ ....
目新しさや物珍しさに惑わされて
若者はぐんねりとねじ曲がった世界で息をする
声高々に荒げて語られるのは
コガネ色したメッキを被せた紛い物
メッキが剥がれ落ちればただの鉄屑でしかないのに
本当 ....
ひてろゆにほうは、味覚嗅覚触覚視覚聴覚、凡ゆる感覚器官から成る束縛から、自由である。
束縛とは、なにか? 束縛者を彼岸へと解放し、現世の穴の向こうへと誘う誘惑から押し留めようとするなにか? である。 ....
ワタシガオカシイのか
タニンガオカシイのか
もはやワカラナイ
嫌な顔され
挨拶も無視され
イヤミばかり言われ
訂正する書類をろくに説明もされずにドーンと机に置かれる
受けたばかりの仕 ....
どろりと鉛のような黒
固体が液体に変わる前のあの嫌らしい柔らかさ
便器の裏に知らぬ間にべったり張り付いた排泄物みたいに
鼻をつくような匂いを漂わせながら口の端を歪ませる
「ここはどこだ」
ど ....
生きてるのが辛いんじゃなくて
生きてくのがしんどいんだ
と
言葉が湧いたので
暖かいトレモノで満たしてください
だ
と
返した
....
衣装という過剰と
わたしという過剰が出会う
わたしの過剰は
欠落の過剰
そこに
衣装という過剰が容赦なく流れ込む
わたしの欠落も
流れ込む衣装をしたたかに咥え込む
衣装はわたし ....
聳え立つビルの谷底で
夜明け前の湿度に塗れて
夢と現がぼやけたまま
目の前に迫り来る
陽が昇るころ
どんな景色が見たいのか
輪郭をスケッチすると
ビルの入り口が開いた
夢の大草 ....
さやと さやさや
揺れる揺れる
枝葉の照り映え
きら きらら
肉身冷やす風
軽やかに吹き抜け
意識さめざめ
すっと澄み
自らが
透けていくよな
感覚襲い
最早黙して
天空仰ぐ ....
石ころになりたかったんです
道のはしっこで
誰の目にもとまらないように
ときどき蹴飛ばされても
誰のことも恨まないような
ちいさな石ころになりたかったんです
たいせつな物は思い出の中に ....
構造主義者達はどうも目の前の現実に捉われがちだ
そこにはただ仕事があるだけではないのか
女性を一般的なメスと認知する場合があって
それを何か否定する必要はなくないか
個人の趣向はどうしようもな ....
どこにもないクラシックが
いつの間にか
こんなところまで
花を咲かせていた
だから
そんなことさえも
座席の後ろのつもりで
いたんだね
飛行機が非行気になったり
京都府が狂吐 ....
〈春泥に長靴の坊面白や 涙次〉
【ⅰ】
村川佐武ちやんの事は書いたつけ? あゝまだか。ぢや、改めてご紹介。
村川佐武ムラカハ・サブ。年齡は本人の要請もあり、こゝでは秘す。目黑「 ....
○「言葉だけでも」
金も能力もない身ならば
せめて言葉だけでも
人にやさしくなろうと思う
おはようございます
ありがとうございます
お世話になります
言葉だけならまだ言えるから
○ ....
届かぬ声に喘ぐ日々
言葉を尽しても尽くし切れないなら
きっとその言葉は力を失っている
軽く舞い上がったままふわりと落ちた一枚の無地のコピー用紙
沢山並べたはずの文字がいつの間にか消えていた ....
人を写して人になろうと
私を齧りとろうと 待ち構える鏡が
道行きにある
わたしたちは
人を人とも思わず人が多すぎて人を識別できず
私達
なんのために増えた
無限に増殖せず等しく割り振 ....
時計だけ時を刻んで
静けさで我にかえった
やみくもにいいひとになる
夢なんかむかし棄てたし
悪人に夜なるからさ
嫌ってもあたりまえだよ
夢のないふたり凍えて
白いひとふたりだきあう
....
少女は涙を流した
涙は薄紫色の水晶でキラキラ光りながら
紅潮した頬の上を伝い落ちていった
少女は強く握った拳でゴシゴシと目を擦った
擦られた瞼はたちまち赤く腫れて分厚く垂れ下がった
やが ....
とある夢の国で
子供を無視して自分のところへ
着ぐるみが来てくれたと喜ぶ大人
なんと大人げない
周りは子供の母親が割り込んだからだと正当化し称賛するけれど
母親は着ぐるみがいることに気づ ....
いつの間にか人が住まなくなった家がある。人が住んでいた頃の庭は常に花々が咲き誇り、小鳥を寄せるバードハウスもあり、小鳥の鳴き声で賑わっていた。いつも庭に出て手入れをしている人の姿もあった。
ある ....
川上麻衣子が陥没乳頭だったので
篠山紀信がグラビア撮影のとき
常に川上麻衣子の乳首を触って
勃起させていたという話を聞いて
私は陥没という言葉が大好きになりました
ところで八潮と言えば
埼 ....
〈春雨や濡れて參らう傘一つ 涙次〉
【ⅰ】
坂本鈴之助が、ふらり「カンテラ一燈齋事務所」を訪ねてきた。折詰一つ提げて。カンテラは外殻の中で、惰眠を貪つてゐる。どの道、俺に用だらう、久 ....
べつに 考えなくていいよ
沈む
あなたに 思考はないの
形すらないの 愛よ
大抵
変わらない ものはないよ
何もなきゃ 愛せないの?
あなた
考えなくていいの
信じたいもの ....
ミカエル
私は、ウリエルは死んだ
だから新約聖書には載ってない
天使が死ぬなど
タブーだもの
ミカエル
あなたが憎むのはゼウス
ルシファーかと勘違いした
サタン、サタン、サタン
....
○「ボケ」
ボケると
今日が何日か
わからなくなる
JAにお金をおろしに行ったら
帰宅後電話がかかってきた
日付がまちがっているから
印鑑を持って来てくださいと
受付のチェックミスもあ ....
誰かを赦すことが蔑みや嘲笑の的となり
誰かを許さず非難することが賞賛や奨励の対象となる
逆さまに吊るされた男が
哀れみを含んだ瞳で私を見つめた
男は足首を2本纏めて荒縄で縛られ
両腕は下 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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