テイクアウトのピザを
たらふく食べ
飲みすぎた赤ワイン
炬燵で寝落ちし
ふと目覚める 耳の底の音だけしかない
深夜
空ビン洗って
ベランダの収納ボックスへ入れる音 ....
夜に潜む影
永遠の哀しみに藻搔く者
{ルビ紅=くれない}の、生し刹那を求めて
彷徨う我は ひとり
青白い肌に朱の唇
尖った牙と真珠色の爪
その姿は、美しくも恐ろし
夜の帳に包まれ ....
蝶ひらき天{ルビ透=とほ}く 地霧たちこめ
雄山は笑う
くわ持ちて 枯葉あたたかく
虫達を夢に寝せ
年越しの除夜高く 感謝を叩き
来年も 再来年も ありがとうさま
新年はみかんと炬燵で ....
言葉をつづりたくなる
眠る時間は決まってない
なのに
真夜中は押し寄せて来る
ひとを求めている
スマートフォンの中に
誰かいないかさがしてる
話をきいて欲しいわけじゃない
この時 ....
人間ごときと
寂鬱が漂う鳥瞰
見渡した
人との間が詰まった人混みが
本棚に隙間がないのと同じ
居場所のような
詞のような
君がいられなかった後悔や
もっと素敵で飾れなかった後悔が
押 ....
あの日
粉雪が降っていて
黒曜に閉ざされた狭い部屋
ふたり キャンドルを灯し
薄い毛布にくるまって
しがみつくように抱きしめたね
寒いかい…
ううん、大丈夫。
....
いくつもの出会いを
得て
知った
大切な喜びに
私はつくられている
器、
使えば使うほど
汚れヒビ割れゆくもの
汚れヒビ割れゆく肉体に
宿る魂、使えば使うほど進化スル意志
手のひらにのりそうなぐらいに
ちっちゃくなったあたしの夜を
三鷹の空に解き放した
全ての人々が信じるあらゆる神々へ
あなたがたを信じる人々の心を敬います
信じるその心 ....
いくつもの別れを
得て
知った
大切な悲しみに
私はつくられている
硬いソファまで差す陽が
サキの太腿を切り取り
新居、印鑑、身分証。近くの
小学校から 子どもたちの声が微かに
聞こえる? サキの下腹部に
耳を押し当て 子ども 欲しいな、
....
水流水底に沈み
静かさに群れ成す
様々な形の岩岩岩、
何処までもひろがり在りて
すると今突然正に光のスポット顕れ
底に灰の色群れ成す透明水流に
黄金の色 垂直な貫入
生きて注がれ ....
若き頃の
狂騒を過ぎ
ひとり我
今此処にくつろぎ
内なる普遍へ沈潜す
内なる普遍、
外なる自然本性に呼応し
二つは一つにて
神の道の終わり成就し
この感覚世界在りと
....
冷えていくストーブ
無い言葉
缶の羊
音のないテレビに
二拍遅れの字幕が流れていく
違うこれは
生活ではない
と思う
けれども
風が強く テントを打った
毀たれるような寒さの中で
ストーブにあたった
5つの頃 寂れた駅の入口で
飴色の夕日の中で
吹きすさんだ風と
おんなじ音が聞こえてきた
目を閉じると
あの ....
小学校の正門前
通学路を跨いで並び建つ民家の
玄関先に置かれる
バラの鉢植え
通勤途中に
つぼみが、
いつまで経っても
開かないわ と思っていたら
その日
薄 ....
仰ぎみれば
すっぽりと
闇のなか
煌々と
ただ
夢をみる
ほつとけーきを焼いている
───ホットケーキ ですか?
───はい、ほつとけーっ!
夢 ....
慌ただしい年の瀬に
同行支援の依頼がきた
入院先は山裾にある個人病院だったはずが
いつのまにか医療法人化されて
有料駐車場付きの
大きな心臓循環器疾患専門の病院となっていた
四十歳 ....
僕の同級生が
再婚した
年の離れた若い嫁が二人の子供を残して出ていってから
長い間寂しい思いをしていたようだ
ある宗教団体の合同婚で
東北の少し年下の女性と見合いをして
すぐに結婚した
....
道端の薔薇
朝の公園
焦げていく観葉植物
親切な店員
放り出したコントローラー
立ち上がり
二本の足で歩き
その道を信じて
何の為にかも
分からずに傷付けた人を
腕に抱き締めて ....
何が災いするか
わからないかわりに
何が幸いするか
わからないから
命に従うだけだ
・
ありがてえこってす
こう思えることは
みんなの
おかげ
ありがてえこってす
あなたもわたしも未来さん
そうなんです、未来さん
ガンダムに出てましたか?
そうその未来さんです
砂場を掘り続けて
掘り殺したこともあった
明るい未来さん
背中に羽をはやして
....
都で流行っているひげ茶です
これはご丁寧にどうも
と、そのような取引があってから
何度か顔を洗って
学校にも行きました
戦争があったかもしれません
泣いて帰って戸棚を開けて
ざざーっと海 ....
見間違えるほど
美しくなってゆく君は
夢の中で何をみているだろう
夜毎ぼくは眠れなくて
ウイスキーを舐めている
庭園に落ちると感じた刹那
ぽとりとひとつ紅い花
西の空を見上げては ....
お前のことを聞いたのは
つい最近のことだった
婚約者を残して逝ってしまった と
お前はビールが大好きで
出張先のホテルで溺れたと聞いた
お前は技術屋でオレは営業屋だった
オレたちは ....
来年も 再来年も
30年後だって
あなたは素敵でいて
私を夢中にさせて
ずっと ずっと
遥かな空を超えて
やさしさと 愛おしさと
かっこよさと 愛らしさと
....
木橋で出来た小道は途中
宙空で突然に途切れ
もう一歩も踏み出せない
処マデ来た私、
足下に
こんもりと山々の深く濃い緑の森林
ひろがり在りて在りて広がる、
向こう遥か光の海 黄金 ....
青い冬空太陽を眼差し
孤独に澄み輝き熱す
燃える光の球体、
爆発し続け
眩む意識、
光充ちて
覚醒スル
燃える思考の力動し
観る、己という無限
異様な意識の階層を
次々見開 ....
回旋塔の葬列を
ひとり
見送る
詩人は今日も
生まれる
・
遠雷は
歌
私を
弔う
永遠
・
さようならの後は
何かの
始まりの時
約束を
思い出す
ありのままの俺を
好きになってくれる女性を
俺は好きになる
そう言って
二十年以上経った同級生は独身だった
自分の好きに生きる人生は
納得出来るから いいわけだ
....
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