野原に言葉を放したい
青空の下で
道行き人に言葉を預けたい
街灯の下ででも
わたしは「わたし」を捨て去りたい
「わたし」が
わたしを拾う時まで
わたしは
「あなたがた」の影 ....
嘘しかついたことがない少年の
嘘をつく顔のまま
ずっと走り続けていた
地球がだめになって
火星も金星もだめになって
木星にようやく足跡をつけたとき
ぼくは笑っていた
光は遅すぎて話になら ....
「竜巻」
君はハイヒールを投げ出すように脱いで
僕のキャンバスの中で
踊りに明け暮れる
遥か彼方に竜巻が描かれているだろう
あれは
君に惑わされた僕の渦
「波紋 ....
さよならからはじまる物語は全部つまらない
無言と有言の境界線を綱渡りのように泳いでいく
沖縄、という地名があって
沖縄、という場所があった
そこで世界の一番はじっこは
青い、ということを知っ ....
?
無言の哀しみを垂らすカオス
木霊する虚数の戯れ
無限と背中合わせになって
月が次第に傾く
頂点で迎える明日は
まだ迷いながらも十二単を纏いはじめる
?
今昔のとき
....
もう
君のいるところは
桜の花が一面に広がって
陽気な君を
さらに陽気にさせているのだろう
はかなさよりも
いまのよろこびを
空いっぱいに舞いあがらせて
まだまだ
遠い桜前線
....
おばあちゃんになっても
心のなかの君は
いつまでも少女のまま
意地きたない馬鹿になっても
心のなかの君は
いつまでも
ままごとが好きな女の子
....
おめでとう! 春になりましたよ!
何となく気持ちいいのはそのせい
雪もすっかりとけて
自転車もスイスイ
寝る前も少し暖かいんです!
目を閉じていると
暗い夜 ....
コーヒ−カップの底で
四角い哲学者が
溺れながら
プラトン的愛について
考察している
僕が
スプーンでかき混ぜると
永遠を
ひと時が飲み込んで
一行の詩が
生まれた
屑星で汚れた夜空に投下するスペースデブリ(わたしがみえる?)
「まってたよ」わたしの形をした猫に殺されて世界はなにもないまま
それあげる、ドーナツ型のクッションの血液の匂いしみつい ....
言葉足らずの季節がやってきて
降り注ぐ涙も白い息を吐く
部屋の暖炉で暖まっていたのは
自分一人だけ
棚に飾ってある詩集が
染みで黄ばんでいくのにも気がつかず
突然起きた表層 ....
咳き込んでいるのは僕から逃げ出したいから
なのだろうか。僕の身体はもう値しないもの
になりつつあるのかもしれない。濁音が空を
汚す。ひとつ。暫らくして、またひとつ。藻
みたいにドロドロして、蝕 ....
{引用=
音源:http://www.myspace.com/slymelogue
}
{引用=
青い空見てる
風が頬なでる
この世界ひとりの
あなたをあいしてる
}
恋愛体 ....
唇を重ねたように
息がつまりそうな真夜中
声を荒げて
逃げだしそうになる都会の真ん中で
小さな羽虫たちは
か細い灯りに寄り添い
汗臭い涎を垂れ流している
相槌のない会話が延々と続 ....
「返事」
太陽に声をかけても
一向に返事は返ってこない
取り巻きの雲が
覆い隠して
自問自答の老木が揺れる
「返事」
孤独な問いに
枝にぶら下が ....
「実数」最大公約数でも最小公倍数でも共通
項は言葉ひとつ。そして、僕らは無
限大の幻想に迷い込み、実態の無い
虚の世界で戯れる。愛を確かめ合お
うと指折り数えた ....
開けた窓から
今朝も差し込む
眩い輝き
静かなささやきに
手を伸せば
置きっ放しの夢の種
芽がちょっぴり顔を出し
出合い頭で鼻をつつかれる
通りすがりの薫りが ....
生まれたばかりの魂は天高く
地に還るのを只管に待っているだけ
君はどのくらいの高度を征くのだろう
死にかけの魂が空を指さして笑っている
大地の重力に押し潰されながら
天国の近くで笑うのが ....
夜風が寝る前に君に教えてあげよう
僕が昼寝していた時のこと
公園の芝生にやんわり擦られながら
木陰がそっと忍んできて
日射しを追い払ってくれたみたいで
すっかり夢心地に浸ってしまって
何故 ....
泣いてる少女の頭上に灯る
青色発光ダイオード
泣いてる少女は轢かれる少女
赤色発光ダイオード
わらう少女は哲学わずらい
大事なことまで四捨五入
わらう少女はおかしな少女
死んでといっ ....
何処にでも
在る
言葉の塵
散らかしては
掃除する
片隅に追いやっては
在った事さえ
忘れてしまっている
でも
ひとつ
忘れられない
捨てられない
指輪に嵌めて
ひとつだけ
あなたからの ....
僕はいまだによく悩む
そんな時頭の中では家なき子だ
じっと我慢
ハリーポッターの魔法の棒でもあればね
石ころが美女に変身するような
ひらめきと
それまでのくよくよを一気に粉 ....
毎日ドレスアップの君
太陽ばかり見つめて
恋文を鳥に運ばせている
片想いの僕は
君の肩に触れることも出来ず
届かない詩を綴って
ときおり零れる
君の涙を
掬ってみるだけだ
空をなぞって
言葉がはじけていたのは
少年だった頃
女の子がおはじきに
言葉を色分けして空き缶に詰めていった
夏の海に帰る前に
すき
という二文字が ....
瞼の奥で失っていたことに気づく。しかし、
それが、髑髏を巻いていたひと夏の感情だ
ったのか、それとも、行きずりの女が床に
棄てた水着の匂いだったのか。朦朧と立ち
込める喪失感だけが、ドラム ....
一日に一度は玄関を開けているだろう
仕事に向かうためだが
僕は薄汚れた透明な抜け殻を羽おり
「僕」の言葉を放り投げる
外に出れば
そこは樹木の生い茂る密林だ
昨日通ったはずの道は
....
祈り捧げる
オリオンの夜に
わたしはあなたの首輪となりましょう
締め付けて
もっときつく
わたしの憂欝は
すでに蛇のようにわたしに絡まり
両手を合わせるのさえ
まるで機 ....
響き
(響き)
朧夜が鳴いている
乳白の温もり
掌の母の心音
(迷い)
蝶に吸われて
ひらり
闇夜に零れる
(嘆き)
蓮の華 ....
甘くひとくち
昼下がりを赤く染めて
コラージュ
黒いリボンで束ねてほしい
娼婦の真似
いけませんこと
ここは
秘密の花園
あなたが
最初の尋ね人よ
そこで
お待ちになって
ビスケットのあと
キス ....
「へそ」
夕立とともに雷が落ちる音がして
少年ははっと目覚める
もしかしてへそが盗られていないか
あわててシャツをめくり
お腹にちいさな穴が残っているのを
確認して
ほっとしながら ....
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