ひかり
にゃんしー


この詩を読むと、やっぱり
あんまりいい気持ちにならんひとがおるかもしれん。
・・うーん、デリケートな問題というのもあるし、
考察も足りないし、やっぱヘタだから。

けど、詩として意識して書いた詩としては
これが最後になるだろうから、
現代詩フォーラムに掲載させてもらいます。

むずかしいよね、詩。
というより、ひとになにかをいうこと。

2008年4月22日。
某事件の、判決によせて。
(いま見ると直したいところもあるけれど
当時の原文ママ)


俺は、イエスキリストとはおんなじものを
何も持ってないかもしれない。

俺は、イチローとはおんなじものを
何も持ってないかもしれない。

俺は、ビルゲイツとはおんなじものを
何も持ってないかもしれない。

けど、きみとは
おんなじものを持っている気がしている。

イメージ。

あたたかい春の日に
きみは空を見上げ
とても幸せだとおもう。

イメージ。

冷たい雨が降る夜に
きみは布団の中に居て
誰かを待っている。

イメージ。

何かを辛いと思うとき
心がそのまま刃物に変わる。
愛するという暴力。
否。むつかしい。言い訳。
さよなら、と、またね、の違い。
ぼくときみの違い。
共有する、もの。
ぬくもり。

計画的であるかどうかが
残虐さを証明するすべになる、らしい。
じゃあ俺は本能のままに生きる。
という理性。
逆に計画的な性欲とは。
人間らしさ。
そして悪の定義。

イメージ。

午後2時に誰かを殺そうとおもったきみ。

イメージ。

午後2時に誰かに愛されたいとおもったぼく。

イメージ。

例えば司法について。
つまり死刑について。
死で死を裁くということについて。
ラボアジェが言ってた。
「変化の前後において質量はひとしい」
法則が法律を越えるものならば
死刑になってもならなくても全く変わらない。

変わらないなら、変わったっていいじゃない。

誰が決めるのか。

今?


俺は、イエスキリストとはおんなじものを
何も持ってないかもしれない。

俺は、イチローとはおんなじものを
何も持ってないかもしれない。

俺は、ビルゲイツとはおんなじものを
何も持ってないかもしれない。

けど、きみとは
おんなじものを持っている気がしている。

パソコンを今見ている、
きみのことだ。

「好き」と「嫌い」を何度も間違えたことがあるだろう。

そんなとき、
誰だって思うはずだ。


「生きる」って、
かなしい。

「にんげん」って、
むなしい。


全ての詩人へ。
識字率が50%に満たない国の人々へ。
ことばを持たない生き物へ。
無生物へ。
かたちのあるもの、ないもの。
くうき。かぜ。そら。
よろこび、かなしみ。
ひかり。
きみへ。

「いのち」って、

どう思えばいい?


あたたかい春の日に
きみは空を見上げ
とても幸せだとおもう。

なんのために?


きみはきみとおんなじだけのものを奪った。

俺はそれとおんなじだけのものを持って
きみを許せないと思っている。


俺は、イエスキリストとは
友達になれないかもしれない。

俺は、イチローとは
友達になれないかもしれない。

俺は、ビルゲイツとは
友達になれないかもしれない。

つまり、俺は、きみと


もし会えたら。


さよならではなく、
またねって言いたい。


読んでくれて、ありがとう。


自由詩 ひかり Copyright にゃんしー 2010-06-02 21:06:09
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