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  踊る、ひとすじの腕よ
  紺色の波濤となれ
  ロウリン、
   ロオリン
  ちいさく かたく
  畳まれたままの
  つばめたちの
  眼
  の
  影
  宇宙船は庭にうかんでいた
  宇宙船はトマトのように赤かった
  宇宙船は言葉のようにつめたかった
  どうでもいいが窓際でティッシュペーパーをしいて
  二週ぶりに伸びた爪を切っ ....
  陽の光があふれるところで
  あなたのからだを抱いていた
  影は こまかい枝のようになって
  わたしたちに踏まれている
  世界から背をむけてまで
  夢見ることを手放してま ....
  わたしの心が
  くらげのかたちになったら
  会いにきてくれますか



  手のひらに月をすくい
  くちびるを歌でみたし
  むかえにきてくれますか
  わたしの心 ....
  あたたかいミルクを 絨毯にこぼしてしまった日
  きみはゆっくりと愛していた
  町を、陽の光を、そでの長い服を



  きゅうくつなかなしみが胸を染める
  言葉にできな ....
  栗色のひとみが
  風にさらされている
  窓のきわ、沈みゆく陽はとおく



  きょう、
  なにもいえなかった
  だからたぶん、あしたも
  きみになにもいえない ....
  なにか、やわらかい言葉を
  あなたには いったほうがよかったのだが



  木枯らしが身を刺す日
  かたむいたなんらかの光
  洞のなかの熊に似たあやうさが
  あな ....
  わたしの胸のなかは
  春がくると、空の色とおなじになる
  うぐいすも桜もないこの町を
  がたのきた軽自動車で駆けてくあなた



  風のそよぎが耳にうたう
  鋏を ....
  かなしい歌をつれて、
  春風がきみの頬をさわるとき
  ひとびとのささやきは町を彩り
  光が、もの静かな雨のように靴に落ちる
  白い花の影がひとつ、心のなかに揺れている
  ....
{引用=――はるな「物語たち」に寄せて}


  つめたい夜がやってきて
  わたしの両手の爪を、一枚いちまい
  丁寧にはいでいった



  つめたい夜がやってきて
  物語の ....
  吉祥寺駅の
  ロータリーでしゃがんで
  靴ひもをむすぶ
  あちこちに捨てられた
  煙草はどれもしめっていて
  茶色い葉がとびだしてしまっている



  きみと ....
  {ルビ転寝=うたたね}をしながら
  ピーナツの殻を割る
  眠りと目覚めの隙間には
  すこしずつ雪がつもってゆく
  ひどく無口で、
  愛らしい雪が切れ間なく
  ピーナ ....
  きみはぼくに
  ただ一言の問いかけをした



  夏、
  夕暮れのきつい光が
  少しだけ漏れる部屋で
  きみはぼくに問いかけをした
  どんな手がかりも
   ....
  ながい歌のあとに
  みじかい言葉があった
  冬の夜の
  ひろい海のまえで
  そこらに捨ててきた
  古い自転車のことも忘れて
  ぼくたちは手をつなぎあった
  なが ....
  夜が、
  たえまなく改行を続けているあいだ
  いくつかのケーキがゴミ箱に捨てられ
  何匹もの犬が鳴きながら焼き殺され
  きみの体に秘められた、すべての
  愛らしい軟骨は ....
  

  かたすみで
  ひざまづいているような
  夜の闇に
  蚊取線香のけむりが
  しろく冷めてゆくのを



  いのるように
  きみは見ていた



   ....
  きみの
  美しく長い舌の上
  一面に広がるれんげ畑



  雪どけの淡い水が
  陽を吸ってさざめいている



  僕は、そこで
  幾つかのたいせつな思い ....
  四月、僕は
  川のある町に
  あたらしく暮らし始めた
  水をふくんだ日の光を
  吸いこむと、眼には涙が滲んで



  黄色い床に積まれたままの
  段ボールをつ ....
  不器用な今日の夕陽が
  きみの頬を無防備に照らしてる
  絵に映える出来事もなく
  通り一遍の言葉ばかりで、また
  僕たちはサヨナラを示そうとしてる
  駅へと寄せる賑やか ....
  少年だの少女だの初恋だの
  丸みを帯びた言葉ばかり桐箱につめて
  晴れた日の草原に座りこむキミ
  ビニールシートも敷かず、地べたに
  夕方には雨が降るって聞いてなかったかい ....
  ガラス製の灰皿が
  テレビの色に瞬きしたとき
  遣る瀬ない日々に君は
  重たい欠伸を隠した



  朝陽は
  その優しさを
  皺くちゃのハンカチに包んで差し出 ....
  不思議
  きみがふれた
  いびつな石ころが今朝、
  柔らかいパンへと変わった
  春の陽を白く吸って



  不思議
  きみがくれた幾つかの
  言葉は辞書に ....
  九月の市民球場を
  木枯らしがさらってゆく
  土埃を巻き込んで
  ピッチャーのいないマウンドと
  帰る者のないホームベース
  永遠のような
  0対0
  僕は欠け ....
  ゆうべ
  きみのまとう
  しろい布にふれました
  それはやさしく湿っていて
  かみさまの一部のようでした



  ゆうべ
  窓のそとでは
  たくさんの雪が ....
  朝の町は
  赤く輝いている
  透明な蝶が群を成して
  燐粉を煌めかせ舞い飛ぶ
  駅へと続くなだらかな坂道
  冬空に灰色の息を吐き
  自販機でコーヒーを買う人

 ....
{引用= 「歯」

  数匹の
  蟻とともに
  おまえの白い歯が
  焼かれている
  雨は
  降らず
  風だけが、その
  匿名の乾きを
  旗印のようにたなびか ....
  児童公園は
  冬の日暮れ
  とうめいな影がつどい



  塗装のはげた
  ブランコの揺れる下
  ついたりきえたり
  ついたり
  きえたり



  ....
  まるでこの世の始まりから
  僕を待っていたように
  茶色い床に君の
  十二枚の写真が散らばっている
  秋の風が窓の外で
  穏やかにはためく午後
  僕はグラスに冷たい ....
  僕らがコンビニと呼んでいる
  長細い直方体には
  どんなものでも揃っている
  弁当もポテトチップスも
  洗剤や電池や、ティッシュまで
  だから僕がその日
  その、冬 ....
  どろりとした白い液を
  使い古したフライパンに注ぎ
  いま、君は
  ホットケーキを焼こうとしている



  じゅわり、
  じゅわり、
  温かな灯火が君の
  ....
もっぷさんの草野春心さんおすすめリスト(99)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
tsubame- 草野春心自由詩416-1-27
宇宙船- 草野春心自由詩414-7-24
からだ- 草野春心自由詩514-7-21
わたしはくらげ- 草野春心自由詩814-7-12
ミルクときみの春- 草野春心自由詩914-5-4
かなしみのかたち- 草野春心自由詩514-3-12
悔い- 草野春心自由詩314-3-1
わたしの胸のなかは- 草野春心自由詩314-3-1
春の歌- 草野春心自由詩614-2-27
物語へ- 草野春心自由詩5*13-3-12
ロータリー- 草野春心自由詩8*13-3-3
ピーナツ- 草野春心自由詩613-2-9
問いかけ- 草野春心自由詩813-2-3
ながい歌- 草野春心自由詩1213-1-18
たえまなく改行を続けているあいだ- 草野春心自由詩812-8-20
なつのいのり- 草野春心自由詩512-8-11
れんげ畑- 草野春心自由詩10+12-6-2
沙弥子- 草野春心自由詩1012-5-26
ポエム- 草野春心自由詩8*12-4-30
Black_Tears- 草野春心自由詩10*12-4-29
ハンカチ- 草野春心自由詩712-4-26
不思議- 草野春心自由詩10+*12-4-14
野球場- 草野春心自由詩811-12-22
しずかなよるに- 草野春心自由詩9*11-12-20
- 草野春心自由詩9*11-12-8
草原へのコラージュ- 草野春心自由詩11*11-12-2
児童公園- 草野春心自由詩411-11-28
レンズ- 草野春心自由詩21*11-11-24
堕胎- 草野春心自由詩14*11-11-14
灯火- 草野春心自由詩211-11-13

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