都会の中で泳いでいる
君たちと呼んでいいか は
多分睨むに違いない ひとたち
紅い鱗がまた一欠けら剥がされて沈む
ムラの中で流されたままで
僕ですよと発言してみる が
関係ない ....
これからわたしはあなたを語るため
刻んでいこうと思う
最後の詩を
わたしの残された細胞に
おそらく書ききれずになるに違いないが
ごめんなさい
記憶は右貢の上の余白に
めくる指 ....
こっくりとした夜の静けさに
ルノアールはおどけて傘をさしてくれたかもしれない
不思議と書いてみる静寂な闇
完全な無は同時に底のない落とし穴
だからだろうか
誘われるように足が動く
見えないのでなくあらゆるものの内包
差し出された孤独が
標のない道を彷徨い途方 ....
母音がうつむいて部屋に籠る
空はもう投げ出された孤児となる
白い鴉の群れ
{引用=
朝がほどけると、水面に横たわり あなたは
かつて長く伸ばしていた
灰色の髪の、その先端から
魚を、逃がす
皮膚は、透きとおって ただ
受容する 水の、なまぬるい温度だけを
....
もの言わぬ時間が
周りの壁を白く塗っていく
それから
道も
樹々さえも
ただ空は青いままだ
あとひとつ
一冊の詩集がそのままにして
紅葉の森を過ぎていくと
ささやかな秋の風の音さえも
白い雲の果てに枯れ落ちていった気がした
また訪れるあの人へ
遠くなってしまったあの人の温もり
忘却の彼方から
舞い降りる晴れ渡る声
....
睡眠ぐ城に通って
かれこれ数十年になろうとしているが
欲望の肥満体質はいっこうに変わらないようだ
むしゃ修行も必要とやってはみるが
腹の虫はなかなか剣に収まらず
相手に具の音も出ない ....
思い描いていた三次元曲線だったが
慎重さが足りなかったせいで
空気の抜けていく風船になっていく
やはり僕にとって未来は平面でしかなかったようだ
いやもしかしたら
点でもなく零への回帰線と ....
椅子取りゲームに負けた冬が
白い涙たくさんこぼしてわめいている
おうちはどこ
おかあさんどこいった
おとうさんどこにもいない
ふきのとうが
可哀想にと探してくれ ....
あっ! という声が出ちゃった。この街に初めての雪が降る音もなく。
開け放した玄関はその年の夏そのものだった
わたしはサンダルをつっかけて座り
水羊羹をのせた小皿を手に女をみていた
わたしを産んだ女は真剣な表情で
庭の手入れをいそいそとこなし
と ....
わたパチが弾けるみたいに歯が抜けていった夢でも見てるんでしょう
ポエトリィ。それは真夏の横恋慕。彼は凄腕歯科技工技師
感情に色が見えるの。おこるは青。わらうも青。これは心の ....
ゆめの在りようを忙しなく描いては
愛おしく汚れて色付く指指
あたしたちは性懲りもなくなんども見つめあっては
数秒ずつの恋を終える
この世の輪切りを飾って悦に入るなよ
どんな隙間にも羽 ....
はる地球の回転が速まるせいか
わたしは立ちくらみして
光は速さをなくしたみたいになる
だからかはる 風が軽くなりすぎて
わたしの姿は光をうまく受けれなくなり
わたしの影はどこかへい ....
最終連は
とうに終わっていても
締められた言葉は
いっこうに完結するようすもなくて
視線は
空を漂う余韻の行き先を
見つめている
その時
一羽の冬燕が目の前を横切るも
地面に落ち ....
コンクリート塀で爪を削ったら香ばしいかも春の日和に
春の雨青いペディキュア塗ったのに取りだす長靴の中には蜘蛛
風船のゆくえを見ていた昼下がり友の顔が思いだせない
東 ....
魂のいくどもかよふ天空はみずの音さへ彼方にひびゐて
坂道に桃の花咲く 初恋の悲しき予感はじめて抱く日に
美しき名前のごときやさしさでちひさき庭にも雪は降りけり
....
『奇妙な世界』
奇妙な世界を
祝日の朝に聴きながら
ここしばらくおざなりにしてきた生活を
梅干し入りのおにぎりにして食べた
陶芸教室でつくった奇妙な湯呑みでお茶をすすり
な ....
すぐ近くにあるのに、この手じゃ掴めない
あんな傍にあるのに、この高さじゃ届かない
見えるのに掴めない あるのに届かない
むず痒い思いをするのなら
この手が届かなくなる その先を ....
{画像=170223133446.jpg}
こわれそうな想いをかかえて
わたしはどうしましょう?
れいぞうこから冷えたりんごを取り
そっと大事にはこびましょう
うつくしいあなたの ....
音のない電話が置かれて
わたしはそこにはいなかった
涙がこぼれそうな音楽が流れて
あてのない悲しみはもうそこではない気がした
楽譜が全く読めないわたしは
楽器に触れても音を奏でること ....
影送りができそうなほど
晴れた日のまま
洗濯が終わった頃には
まだらの雪が降っていました
庭の梅はおおきく
息をしたようです
昨日までは
とりつくしまもないようだったのに
....
もう死にたいつらい呟くトークみて相槌充電スポットさがす
コンセント空かず咄嗟に御手洗3パーセント入れエコメロディ
聞き流すだけの返信中味なし裏では必死電源確保
五軒目 ....
そうですファーザー僕の罪です
僕の空想の中にしかない緑の地で
彼を罰したのは僕です
絹糸のようになめらかな美しい川の流れ
を燃やしました
とてもよく燃えました
腕に黄色いスミレ紫のスミ ....
冬の群れが私を襲い
迷い込んだ高熱の森で誰かを叫ぶ
私の足腰の筋肉は溶けて
歩く音は電池の切れかけた時計
そして
この時だけは合法と見なされる白い粉を
何度も体内に注入する
四角い部 ....
だってまだ夜明けなんか知らないし。十四歳は虹をあつめて。
はだかでも一本くらいもってるの。女の子だけのキレキレナイフ。
アパートで寄せ鍋つつく樂園を追放された天使のわれら。
....
鯨の街に行くならあそこ
花畑湯
ゆっくりつかって頬ふんわ
コンパススカートひるがえし
駆け落ちていく
二人はどこまでも
手をつなぐ薄明かり
海原は群青の鱗ばかり
着いたのは ....
こころの中に
たくさんのものを隠して
おとな、というものになる
たくさんの名前に埋もれて擦り切れながら
わたしは柔らかく小さい手だったことを思い出す
つみ木とスプーン
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59