いつしか、
日は暮れていて足元は寒くなった
ももに置いた手は静かに落ちた
しばらく眠っていたらしく
目の前で遊んでいた子たちも
いなかった

こうして一人の時間が増えたかわりに
雨や落 ....
とにかく名前ばかり産んでいるあの子たちが
赤い一張羅を着てでていくのを見たから
星空、火打ち石、波打ち際もざわついて
やっと世界がはじまるのだ、とうわさした

結局、うまれたのは

 ....
彼は。男の子だった。
十一月も残り少ないある日。ペットショップの。ゲージの中で。
怠惰な昼寝をしていた。彼は。失業中の。Kと。眼が合った。彼
は。生後四ヶ月の。赤札の付いた売れ残りだった。が。ど ....
いつかどこかで彼女に許されたことがあったのだろうか
約束された自由から疎外されたまま生き続けることが
人生という名に値しないとしても

未完成が日々の完成である人生なんてね
小学生の頃から疎 ....
酔生夢死

僕はちいさな日常を積み重ね
彼女の愛を貯金して
彼女はこがねを貯金している

ぼくは 字が下手で絵も下手で
おまけにろくな詩もかけないのんだくれ

ほぼ一直線でレールもル ....
互いにスパークする宇宙で起きた出来事があり
誰も入り込めない花園の君がいていつか僕は叙情になる

面倒くさい真実ばかりがまかり通って
優しい嘘はにぎりつぶされて疑問ばかりが生き残る

レノ ....
音楽を聴く分析学的な時間が好き
きみと過ごす解析学的な時間

深く沈潜してゆく愛情にも似た雪のよう
罵られる騾馬のように時間が過ぎていっても

愛撫する隙もないきみと暮らしているぼくは
 ....
暁の空中戦では紅の豚がヒーローなんだが
真夜中の山手通りには椎名林檎しかいない

僕の雑草図鑑できみの名前はハルジョオン
ユーミンの派手なステージとは違う質素な

神々の復活レオナルドダヴ ....
筋肉痛になるということは、筋肉2になるということ。
筋肉1から筋肉2へ、僕の筋肉が成長するということ。
この瞬間にこの音楽を聴けるのは生きている証なんです
ちょっとだけ仙境を垣間見てそれでもやっぱり現実を改革する生命なんです

誰かを愛する合間に沢山仕事をしたいのですね
余計なことばっかして罵倒 ....
正直なところ、たしかに生活することは悪くない。湯を沸かし、布を洗い、床を磨き、花を飾る。娘の髪を梳き、夫の靴をそろえ、ときどき、外で花を売ることは。
どうしても今日死ななければいけないのに。とい ....
ぼくは時間と空間を手のひらで表現できる詩人か
舞踏家か器楽奏者になりたいと思っているのです

ぼくは愛の不毛を説く説教師には決してなりません
どんな世界もちいさな愛の集積でできているんだもの
 ....
遠くまで行く事にどんな意味があるのかは知らない
知る必要もないことがたぶん僕の人生を埋めていたって

愛の不毛に踏みだす為の飛翔でさえ
保障の無い冒険のはじまりだったり

誰もぼくのじゆう ....
どうせ狂ってるなら詩人ぐらいが適当だ
アメリカは暫くは大変な様子だろうけど

妻は何時も歳時記をかたてに句をひねり
僕は使いっぱで夜金を稼ぎ汗をかくんだ

でも良いこともいっぱいあって内緒 ....
豊饒の海に浮かぶ僕の不毛

回想の店が改装するので
僕は暫く不漁だった

恋の意味がわからなくて
むりやり女史に懇願して
いまはとりあえず一緒だ

すぐに飛び去りそうな 小鳥に
な ....
とても間違った言いまわしが
ひとに伝わってしまったとしても

とてもお気に入りの財布が
型崩れしていくように
しょうがないことだ

人はエンジンのまわる間は
やすみなく動き廻って

 ....
小さなポシェットひとつで、あなたは何処へだって行けるんですよ。
もちろんポシェットふたつでも、おそらくポシェットなど持たずとも。
すべてのものに歴史が有り
呼応しあって一編の詩を編む

すべてのひとに歴史と生命誌がありときには
愛情の経歴書を携えて空に放たれる

すべての空虚に名前はない
風や雲や雨のようにあかるい ....
いままで居た世界の外側には居なかった世界がひろがっていて、
わたしが見たいものは、自分で選べることを知った。

良いことだと決められていたものが、良いとは限らなかったこと。
駄目だと言われてい ....
ぼくたちはいつも何処かに落ち着こうと

ぼくたちはいつも誰かに愛される為に
莫大なエネルギーをつかいながらも

それでも
せめて自分だけでも保持しようとしている


腸内フローラと循 ....
お酒飲む代わりに短歌を書いている

大抵の紙たちは底へ昏れていく

俳句やん俳句やんこれ俳句やん

植え込みの中身を下見してみる犬
幼い頃から不思議でない
ものには
興味がなかった

そのものが不思議を
孕んでいるときには
ときめいたものだ

大洋や星
深海生物や
ジュラ紀の森

型紙のないものが
不思議 ....
痩せっぽっちのロバと
ながらく友達だった僕は

マッチョなイギリスの
粋なボーカリストが好きで

ついにはオペラ座の怪人の
私生活を知ってしまうのだろうか

拘束されない言葉ほど
 ....
水たまりだらけのいちにちを
病院のベッドから眺めている

何冊めかの本をてにとり
2日めも暮れなずんでゆく

痙攣していたてあしが痛みから解放され
滞っていたからだの中の運河がなが ....
夢の中の家から
神田神保町への通路があったなら もちろんあるわけもないけれど
毎日サブカル系の書店にゆくだろうな 1970年代のSFマガジンが1冊200円だった

渋谷道玄坂百軒店のSAV ....
病床の旧友よ、それでもなお、夏への憧れを失わずにいておくれ。
学び舎は今でも坂の上に、サイダーは学食の自販機で冷えているよ。
君の吐息はちいさな部屋の空気を揺らし
君の想念はだれかのベッドにしのびこみ
不思議な夢を紡ぐだろうか

ヴィトゲンシュタインにも小さな教え子に
猫の骸骨を組み立てさせたり
社会実習を経験さ ....
おやじのくせに可愛い字を書く人で、その字の置き手紙が懐かしい。
僕ばかりあなたの字を知っていて、あなたは僕の字をきっと知らない。
真っ白な世界にセミの声がある

言葉たちがぼくらの中で暮らしてる

みたことのない風景を聴いていた

いつもよりくだけたきみが笑ってる

日々を流れた時間たちと、また会いたい
人にかける言葉の
優しいひとを選びたい

選んでどうするのかと
問われても明快な答えもないが

そうなんだ僕たちはそんなには曲がってはいないはず
規定するあなたがたの定規はどこまでも ....
もっぷさんのおすすめリスト(1763)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
栗のスープ- ふるる自由詩920-11-14
草原- はるな自由詩720-11-13
終の犬_1。- たま自由詩7*20-11-6
ひとつの約束- 梅昆布茶自由詩420-11-3
秋詩譜- 梅昆布茶自由詩620-10-25
スパーク- 梅昆布茶自由詩1420-10-18
秋の詩片- 梅昆布茶自由詩1420-10-5
ハッブルの宇宙論に添えて- 梅昆布茶自由詩320-10-5
筋肉2- クーヘン自由詩2*20-9-29
きみのスカートの裾について- 梅昆布茶自由詩620-9-23
メモ(正直なところ)- はるな散文(批評 ...1420-9-21
てのひらの宇宙- 梅昆布茶自由詩320-9-20
Stormy__Monday_- 梅昆布茶自由詩6*20-9-13
トリフィドの日- 梅昆布茶自由詩620-9-11
豊饒の海に浮かぶ僕の不毛- 梅昆布茶自由詩620-9-6
むき甘栗食べながら書いているのでごめんなさい- 梅昆布茶自由詩1120-9-6
ポシェット- クーヘン自由詩4*20-8-19
歴史- 梅昆布茶自由詩520-8-18
呼吸- 水宮うみ自由詩5*20-8-13
仮説- 梅昆布茶自由詩720-8-10
川沿いの木- 水宮うみ川柳1*20-8-9
8月の不思議- 梅昆布茶自由詩620-8-6
ロバの話- 梅昆布茶自由詩1020-8-2
レインダンスのまち- 梅昆布茶自由詩1820-7-25
表①- 梅昆布茶自由詩320-7-25
サイダー- クーヘン自由詩15*20-7-23
君の宇宙- 梅昆布茶自由詩720-7-22
- クーヘン自由詩3*20-7-20
声に暮らす- 水宮うみ川柳2*20-7-19
カート・コバーンに捧ぐ- 梅昆布茶自由詩19*20-7-18

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