君のために生きるから君のためには死ねない 暗証番号は君の誕生日にしてるから、全部持って行って良いよ 引越しが落ちついて
さあどこかに食べに行こうという算段になり
歩いていける距離といえば
とんかつかフランス料理風か喫茶店かお好み焼きだった

「お好み焼きアキちゃん」は
とびきりの笑顔のふ ....
湿る土を体育座りの
月はひとつできみはいない
頬をきる高い緑の草が痛くて
ここはどこだろう
握りしめる切符
大きくて体温のある動物の
おなかでねむってしまいたい
今晩くらいは ....
いよいよふたりは
白木のようにかわいて
最後をはじめようとしていた

日々や色や、音や
そんなようなものたちに別れを告げ
横たうだけで
ぎたぎたに壊れていく
その破片のすべてに
蜜の ....
水たちは
むつみ合って
盲目の昼間をこえていく

青とも赤ともつかない激しさを湛えて
死を拾う 空に斧振り上げたまま腹見せて転がっている

詩を拾う 弔いもなく涙なく乾いて虫の命逝く夏
日が暮れるみたいにわらうのね
すばらしい夜と夜明けが待っているみたいに
すばらしい一日が終わっていくみたいに
静かに
きっぱり
わたしのいないところで
円周率の最後の一桁に出会ったら
宇宙はそのときめきに吸い込まれてしまうだろう
数字とは限らないその解は
きっと愛を語る詩人のように嘘っぽい
輪転機が無限に探すが
解けない問題こそ美しい詩のよ ....
「男女七歳にして 席 同じゅうすべからず」この精神に則って 国民学校と呼ばれていた現小学校の三年生からは男女別学になった。担任も女先生から 自らを在郷軍人と名乗って憚らなかい男先生になった。新学期にな .... かつて夏の日に幾千万の蝉たちが空へかえった 
その日の灼熱はすべてを焼き尽くした 八月の焦土

大きな鳥の影が空を覆いポトリと卵を落とした
破壊と悲惨の卵 子供たちを奪い去った卵

何の大 ....
流しにうず高く洗われぬまま放置された食器
とりあえず洗濯はするのだが部屋干しのまま畳まれることはない
読まない新聞が玄関に散乱している

居間の一角は得体の知れない整理しかけの古本がうず高い
 ....
秋の中国地方を巡るツアーバスが
平和公園に着いたとき 記念館から 
修学旅行生の一団が出てきた
入れ替わりにはいった私たちが
今日最後の客になった

平和記念館を出ると
秋の陽はすでに落 ....
しろく しかくい たてものの中から かわいた無数の命の声がするのを
しずめるかのような噴水

しろさ きわだつ 広島平和記念資料館を想いながら
床についてみた夢は
しろい塩で できた ....
葉月の昼下がりのどうしようもなくもてあました窓の
したで、たったいま、わたしにできることをすべて思
い浮かべてみても、ただ、雨の日の猫のように四つ足
を投げだして眠ることしかできなかった。
 ....
星降る夜に
ノクターンを
あなたと並んで
聴いている

深い漆黒の風
灯りは湖の漣だけの
ショパンが
似合いすぎる時間

千回目のメールの後に
やっと会えた二人
だから ....
プロペラから
風が生まれる
その中心を
つかんで
風を止められるかどうか
幼いきょうだいが
度胸だめしをしている

扇風機の首振りボタンで
風を分けあって
涼と熱を共有していた
 ....
ことばはとめどなく産まれるけれど
ひとつもどこにもとどかない
やわらかい壁がゆれる

わたしがあなたのそばに落ちるとき
きっとひとつも言葉をもたないで
まばたきだけでやりあうような
 ....
小鳥にパンを投げてやる
あるかなしかのわずかのくちばしのために
この子らはやすやすと川をこえるのに
わたしはまだその手前で積木をしている
あなたの庭はなんの匂いもしない

野球中継
祝日
汚れたスニーカー

擦り切れてゆく生活のなかで

煮える卵
砂壁
青空

だれがわたしたちを救えるだろう?

液晶モニ ....
すぐにあしたになってしまう今日 は黒くて、生えている星はぬるい。あしたになったら手に入らない、それとか、夜のたべものとか。背中にはえていたのは、よろよろした壁 ・ だれもいないから、黒を白にしても .... 鳥は飛ばない
不在だらけの世界で
決めていた
啼けと言われたら
もう
飛ばないことにしようと
鳥は決めていた
鳥は飛ばない
凪いでる 凪いでる
ここはがらんどうの海
無風世界


石をちりばめる
空にちりばめる
ゆびさきがぬるい
目にしみる涙
んっ んっ
母をよぶみどりの子


宛て先な ....
ロシアでもドイツでも
三人兄弟の末っ子は
けなげでありたくましい

日本の三人姉妹の末っ姫は
異界に嫁いで人間世界を救う

水の不足は命の危機
日照りの続く田の畦を這う小蛇と
交わし ....
まくらを抱えてすみっこへ
あざだらけの脳みそを抱きこんで
痛む歯を舌で舐めている

でもあたしは愛されている
覚えていないくらいむかし
あたしはだれかにキスされたから
歯が全部溶けて ....
あい色ごしに赤をみて、
まばたきごとに星が降った
あんなにとおい星どうしが
かちかちと鳴りあうのも聞こえたよ

草は草なりに濡れ
砂はひと粒ごとに熟れて
笑いあうのが世界だね

 ....
あのひとから
ラブレターが届いたので
くちづけをして
しまっておいた

死んでから読もうと思う
あなたが誰なのか
わからなくなってから
コンビニエンスストアで売っている、ひと口でたべられるゼリーは、ふたのビニールを開けるときにぜったいになかの汁がとびでてくるので、指がべとべとになってしまう。だから夫はそれを食べない。
夫のいない ....
アジサイ

妻と子と四人できてみた紫陽花園黒姫・お多福・ロッド・ケルン

雨降りのあじさい数多咲きにけり「花火」という名のわがあじさい

早く起き聖書三章朗じつつこれからのことじっとかんが ....
階段の途中で立ち止まるような恋 昇ってきたのか降りてきたのか

ふりだせばいっそ気にすることもない水を遣らずにこの花咲くか
もっぷさんのおすすめリスト(1757)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
君のために生きるから君のためには死ねない- 北大路京 ...自由詩1813-9-10
暗証番号は君の誕生日にしてるから、全部持って行って良いよ- 北大路京 ...自由詩413-9-10
アキちゃん- そらの珊 ...自由詩20*13-9-9
ruler- しもつき ...自由詩18+*13-9-4
いよいよのふたり- はるな自由詩1013-9-1
沈黙- はるな自由詩313-8-28
蟷螂- そらの珊 ...短歌17*13-8-24
日暮れ- はるな自由詩413-8-21
- 乱太郎自由詩2713-8-19
フクロウと呼ばれた少年- イナエ自由詩7*13-8-14
八月の子供たち- 梅昆布茶自由詩1813-8-8
やもめの星- 梅昆布茶自由詩1613-8-6
八月六日の影- イナエ自由詩16*13-8-6
- るるりら自由詩26*13-8-5
雨の日の猫は眠りたい_2013- たま自由詩30*13-8-1
星ノソネット- 乱太郎自由詩1913-7-22
【凪】詩人サークル「群青」七月のお題「風」から- そらの珊 ...自由詩2013-7-21
まばたき- はるな自由詩913-7-19
つみ木- はるな自由詩513-7-17
- はるな自由詩813-7-15
さよならのこと- はるな自由詩413-7-11
鳥は飛ばない- はるな自由詩313-7-9
即興、子どもの情景- あまね自由詩1313-7-7
夜叉姫- イナエ自由詩12*13-7-7
虫歯- はるな自由詩913-7-4
りょんちゃん、たべかすがついているよ- はるな自由詩913-7-3
ラブレター- はるな自由詩413-7-2
りんごのこと- はるな散文(批評 ...1013-7-2
アジサイ- 生田 稔短歌313-7-2
階段- はるな短歌213-6-28

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