血のあがき(六)
信天翁

いまにも蝉の初啼きがするかと思う
前線にさ迷い続ける梅雨の朝
四号公園にひとかげがちらつく
ベビーカーのわだち
飼い犬のあしあとを造って

婦人同士のこえが流れて消える
あるいは買い物の道すがらであろうか
そうして そのこえは・・・ 
尊い四次元の風光に融けたのにちがいない
「生」のかすかな証しの救いとなって





自由詩 血のあがき(六) Copyright 信天翁 2010-07-07 13:32:26
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