おまえも ころもがえするんだろうと
犬に話しかける

ええ そろそろ冬毛が生えてくる季節です
けれど 私には長袖も半袖もありませんし
化繊や木綿や絹だとか
細かな品質表示はもとより
陰干 ....
グラウンドゼロの上にも月昇る こんなふうに甘い曇りの日には
痩せた烏賊が空で迷子になる
びっちりしたネオンの前で驚いてしまったら
うちへおいで
どこへも行かないから
治りかけの小さな傷は
ちょっと痒くなる

我慢できなくなって
その周りをおそるおそる掻いてみたりして

治ってしまえば
こんな小さな傷のことなど
きれいさっぱり忘れてしまうだろうに
 ....
なんでもない詩人たちがけっこう好きなのです
ごく私的でもよいのです
ときに詩的でさえなくとも

ぼくのちっぽけな世界をあたためてくれる
ひとひらの言葉たちがたぶん
ぼくがなんとなくたいせつ ....
教会に行く小径で
野ぶどうを摘んだ
手のひら
いっぱいにのせた
紫色の小さな実
食べるわけではないのに
文句も言わずに摘まれる優しい実
あの頃の
わたしの宝物だった

欲張りな少女 ....
花だったら
きちんと枯れたのに

人でいて
笑顔で腐れている

あなたを撫でると
わたしの花が枯れるようで
それだけが救いだった
それは
いつも夜でした

横たえたただしさに水をそそぎ
愛や嘘が流れる扉を背に

あきらめるように
また
生きることを決めるのは
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小学生になった子供の頃
よく新聞に挟まれてくるチラシの裏に地下世界を書いた。

それは壮大な地図で
地上世界の下にもう一つの世界が ....
きみが欲しがるなら
月と星のかがやくところを
ぜんぶとってきてあげるよ

夜が
このさき
永遠に真っ暗でも

かまわない
だれかが死んでも

終わりのある日々に
きれいな蝶 ....
一羽の鳩が見つめ
青い空はただ光りを投げ掛ける
両者に言葉は無く空白の原稿のまま
埋められる予定もなく
風に飛ばされていくのだろう

君は投げ掛ける
私はいますか
それは
空にでもなく
過去にでもな ....
人を
ただしい場面で
ただしい順序で
ただしい角度に
揺すると
泣く

そのただしさを
習得することを
愛とか技とか
呼ぶ人びとを
軽蔑し
憎んでいるわたしも

ただしい角 ....
ぞろぞろと
つながって
生まれくる
かまきりの赤ちゃん

泡を固めたような
麩菓子に似た卵から
孵化してしまったら
もう戻れない

生まれた瞬間から
君たちは みなしご

風 ....
  西瓜の種をどこに飛ばそうが、自由だった。
  あの頃は、どうでもよいことなど一つもなかった。

   電信柱が眩しく そそり立っていた。

     *

    下水処理場を通り過 ....
{画像=120921223131.jpg}


遠くに星が見えているように
人には遠く目指すものがあるのだと
その男は言った
目は漆黒の闇の奥の奥の
遠い輝きを見詰めていた



 ....
変わらないねえ と
しみじみ言い合うけれど
私たちが女子高校生に見えたら
化け物でしょう
だけど
やっぱり
変わらないねえ

三人で写真を撮ると
真ん中は早死するからイヤだと言って
 ....
手のひらを
ひらいたとき
いくつもの時間が
そこで死んでいた

顔をあげると
いくつもの季節が
道路のすみで
凍えていた

ふるえる指で
拾いあげた
だれかの言葉は
死に ....
ほかでもないあなたと
どうしようもなくなりたい
雨の日に雨だれを数えながら飢えていくのもいいし
乾いた日に蟻をつかまえて拷問するのもいい
湿った毛布のなかで賞味期限の切れたひき肉みたいに絡 ....
誰もいない
重ねる手も
合わせる膝も

誰もいない
目をとじても
ひらいても

波さえ
だんだん遠のいて

かわいたページを繰るように
日がしゅんと消えていった

誰も ....
寝る前に玉蜀黍を一齧り 青い空を切り取って
それも丘に埋めたのだ
まるでお前の目のような
きれいに澄んだ青空を
果てなく自由な青空を
閉じたお前の目の為に

春が来れば
硬くお前の口一杯に
詰まった土も温も ....
稲雀お風呂お先にもらいます のびたりちぢんだりする時間のなかで
きれいにした足をそろえて泣いている

破綻した物語を
書き続ける
老人のようなきもちで
空のピアノを見ましたか

ほら・・、
二重橋のような、おおきな虹のことです

ト音記号と、ヘ音記号のついた
おおきな、虹
ドは、どこにあるのかなって
迷いませんか

ふしぎなことに ....
秋の蝉東京事変聴いている 手がふれる、という覚悟と、手がふれた、という諦念の間には、ほんのわずかの隙間があって、わたしはだいたいそこいらへんに住んでいるのじゃないかと思う。わかっていながら、実在に達しない、その、なんとも。 .... {画像=120911010820.jpg}


ベランダから花火に興じる親子が見えた

遠くで見る花火は寂しい

家族で花火をすると必ず
兄弟で取り合いになる花火があった
必ず最後に ....
逆立ちしたくなって
雲の底をひっくり返して
ごっちゃんですの青い空鍋

てんやわんやのこの前の出来事も
ごっつり煮詰めてしまえば
薄味醤油がたっぷり染み込んで

こってり泣き虫だっ ....
生き過ぎて
置きどころのない身を丸め
世界じゅうの
音を聞いていた

気持ちばかりが散らかってゆき
世界が
どんどん狭くなる

それから、立ち上がって

なにもかも行き届いた ....
着かざってる
女の子たちに
にっこり笑いかけると
疎まれるけど

だからといって
犬猫にも
すかれない

男の子は
流動的すぎるし
男のひとは
大きすぎる

それだから ....
もっぷさんのおすすめリスト(1763)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ころもがえ- そらの珊 ...自由詩16*12-10-5
グラウンドゼロの上にも月昇る- 北大路京 ...俳句612-10-3
どこへも行かない- はるな自由詩612-10-3
メモワール- そらの珊 ...自由詩33*12-10-3
所属しないうた- 梅昆布茶自由詩28+12-10-3
野ぶどう- そらの珊 ...自由詩20*12-10-2
撫でる- はるな自由詩512-10-1
水びたしの夜- はるな自由詩612-10-1
地下世界の大地図__/_鉛筆を握りしめて- beebee自由詩29*12-10-1
蝶々- はるな自由詩212-9-28
泣いていいよ- 乱太郎携帯写真+ ...14*12-9-25
ゆらす- はるな自由詩2412-9-23
みなしご- そらの珊 ...自由詩1512-9-21
夏と私_Ⅲ- 空丸ゆら ...自由詩1512-9-21
遠くに見えるもの_/__わたしはいつまでも分らないのだった- beebee自由詩28*12-9-20
女友達- そらの珊 ...自由詩6*12-9-19
ことば- はるな自由詩812-9-17
- はるな自由詩1212-9-16
誰も- はるな自由詩812-9-16
寝る前に玉蜀黍を一齧り- 北大路京 ...俳句612-9-16
兵士の為のピエタ- salco自由詩19*12-9-14
稲雀お風呂お先にもらいます- 北大路京 ...俳句7*12-9-13
そろえて- はるな自由詩512-9-13
空のピアノ- たま自由詩30+*12-9-13
秋の蝉東京事変聴いている- 北大路京 ...俳句9*12-9-12
届くとか届かないとかのこと- はるな散文(批評 ...812-9-11
花_火- beebee自由詩28*12-9-11
空鍋- 乱太郎自由詩24*12-9-10
ばらのジャムを煮る- はるな自由詩2012-9-10
笑いかける- はるな自由詩412-9-10

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