音は雪に食べられてしまい
部屋は
かえって生きものの息づかいでみちている

台所の戸棚のなかで
じゃがいもの芽が伸びてゆく
張りつめた胸の皮膚のしたを
薄くなった血がめぐっている

 ....
だれからも見守られずにきた足に
寄せては返す海だけがある


波音を数え忘れたその頃に
わたしもだれかの波音になる


放つのは最小限の言葉だけ
そうして高まる内なる海鳴り

 ....
雪が降った!

私の住む町で
こんなに雪が降り積もるのは
何年振りだろう

熱いコーヒーを淹れて
窓辺に立って外を眺める
まるで紙吹雪みたいに
ひらひらと空から落ちてくる

ひら ....
うちには時計が大小20以上はある

掛け時計 置時計 目覚まし時計
腕時計 携帯電話の時計 PCの時計
給湯器の時計 ファックスの時計 
炊飯器にも時計が付いてる

時計が多過ぎてうんざ ....
地球の外から見たら
雲の上
パン祭り 春の季語にはなりませんかね? 北大路京介さん ほしかった
ものをまえに
気持をうしないそうで
驚いている

驚いている
わたしがわたしを
うしないそうで

ねむりなよ
あなたが
言うものだから
泣くよりさきに
ほほえ ....
ぴいひょろ
ぴいひょろ
横笛吹きながらしゃがみこんでいる少女
音程なんかどうでもよくて
鳴き虫って呼ばれちゃっても
いまはただ悲しくって
ぴいひょろ
ぴいひょろ

あまのじゃくのつむ ....
朝 目覚めたら
鳥の巣箱の中にいた
市会議員選挙の告示のニュースが
母屋の方から聴こえてくる
体を起こし 何となく上を向いて
首を伸ばしてお口をあんぐり
母がテントウムシを口移ししてき ....
温かいご飯
温かいお風呂
温かい布団

この三つは
心まで温めてくれる

寒い冬の夜
わたしは寝る前に
下布団とシーツの間に敷いた
電気毛布のスイッチを入れておく

しばらくし ....
夜中に窓枠がぴしりと鳴る
夢のなかから呼び戻されて
枕元をさぐった手に触れるものがあり
それは感触で人の耳だとわかる
よく見えないがそれはたしかに二切れの耳で
ゴムのおもちゃのようにも思える ....
先日
とある公共TVの討論番組を見ていました
テーマは若者、若者世代とオトナ世代の一騎打ち
スタジオに集まってあーだこーだと、進展のない議論

それはいいんだけど

びっくりしたのは学 ....
ありがとうと言えたとき
きっとあなたとは二度と会えなくなって
それまでは
我慢してもらって
ごめんなさい

一番大事に伝えたい言葉だから
本当の最後に伝えようと取っておく

あり ....
ここがどこかわからなくなってしまう
眠っていたわけでもないのに
あなたはわたしと太陽のあいだにたつので
そうか、いつも
ちょうどまぶしい
じゅうたんをほどいてゆく
いろとりどりの糸があらわれる
つむがれていた星々の
ものがたりがきえていった

糸をほどく
きぬの生まれでた
まゆにもどってゆく
蛾のはいた
むすびめのない ....
手のひらに橙ひとつ五重塔 ざらざらの掌で
温められ
擦られ
撫でまわされて
摩耗した挙句
まるく つややかな光を放つ
表面に一点の翳りもない
器が
轆轤の上に
遂に生成し得たとしても
掌の持ち主の
荒れた ....
おれは桃太郎だ、桃太郎なんだと鬼が言うので
あんたは桃太郎だよ
どこから見てもそうだよと頷いてやる
鬼は心底ほっとした顔で
でも空っぽになったような目をして
暗い森の中に帰っていく
わたし ....
きょうという日に
きょうという火が
ともされる
約束したわけでもないのに
東の空に

明るく
温かい
平等な
きょうが
どこから生まれてくるのか
ボクは
みつけた
旅の途中で ....
5歳の野原に
少年をひとり
おきざりにしてきた

今も夢に見る
あれは

世界の果てまで
走って行くはずだった真昼

やけるような緑と
汗と言う名の夏が
身体にべったりはりつい ....
当時、人類最古の化石として
発見されたと聞いた

ルーシー

空にはダイヤモンド

ルーシー、
大地は何色だった?

ルーシー、
神様に会った?

ルーシー、
世界はひとつ ....
【 人生映画館 】

白いスクリーンに
私の人生を映してみれば
どんな映画になるんだろう?

始まりは
ごく平凡な子供時代から
思春期はシャイな少女の
夢見がちな その憧れと日常
 ....
時計の一秒ごと刻む音が心臓と共鳴する
進んでいるのは過去の堆積
動いていない僕の胴体を切り刻む

未来は音を編んでくれるだろうか
帰納法を後ろ盾に布団を被り
証明書のない契約に親指を赤 ....
コートのポケットに
どんぐりが三つ
入っている

きのうの夕ぐれ
近所の公園でひろった
小さなどんぐりたち

てのひらの上で
ころころ転がしてみたり
両手で温めてみたりする

 ....
仕事柄
保育園や老人介護施設を訪れる

人生の入り口と出口
もちろん私は後者にちかいあたりを走っているのだろう
少々息を切らしながらも

保育園児に捕まるとなんどでも同じ質問をしてくるの ....
電動歯ブラシ一本朝の洗面台
ぶるぶる
おやおや寒いのかな
白い粉
雪のように真っ白で
雪国の少女が掴んだ歯ブラシ
ぶるぶる
ぷるぷる
ぶるぶる
ぷるぷる
今震えているのは
 ....
 3 足のある眼鏡

わたしの仲間は誰でも言うのだが
決して信じてはいなかった
「眼鏡には足がある」など

だが 今朝 眼鏡が消えた
確かに洗面台の横に置いたのに
顔を洗っている間にど ....
誕生日いがいは
お祝いの日じゃない
なんでもない日が
ずっと
毎日続いているけど
グッと耐えて生きていく

    🌼

私は今
自分という人間を
ふるいにかけて ....
時折 挫折します

嘘です

いつでも挫折しています

そのうち挫折があたりまえ

嗚呼 挫折こそわが人生わが歌

骨折も痛いが

挫折も痛いああ痛い

坐骨神経痛を略 ....
言い訳にならぬコトバに頷いてデコボコの月丸くしていく
もっぷさんのおすすめリスト(1763)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
じゃがいも- はるな自由詩12+14-2-15
◆そこに海がある- 千波 一 ...短歌114-2-14
【_雪が降った!_】- 泡沫恋歌自由詩21+*14-2-14
【_時計_】- 泡沫恋歌自由詩17*14-2-10
雲の上- ichirou携帯写真+ ...1*14-2-8
今年もシール集めます- そらの珊 ...短歌4+*14-2-7
ねむりなよ- はるな自由詩714-1-29
ふううふう- 乱太郎自由詩12*14-1-26
遠雷- 壮佑自由詩31*14-1-24
【_極楽_】- 泡沫恋歌自由詩19*14-1-24
お供え- 春日線香自由詩714-1-19
あなたたちが作ったシステム- umineko自由詩26*14-1-13
ありがとう- 乱太郎自由詩11+*14-1-12
ちょうどまぶしい- はるな自由詩714-1-7
機織り- そらの珊 ...自由詩17*14-1-2
手のひらに橙ひとつ五重塔- 北大路京 ...俳句313-12-26
会わぬが華- Lucy自由詩20*13-12-23
桃太郎- 春日線香自由詩313-12-20
猫のさがしもの- そらの珊 ...自由詩2213-12-18
in_the_Summer- 駒沢優希自由詩13*13-12-18
ルーシー- 駒沢優希自由詩313-12-17
【_人生映画館_】- 泡沫恋歌自由詩20*13-12-14
- 乱太郎自由詩14*13-12-13
【_どんぐり_】- 泡沫恋歌自由詩22*13-12-6
ブックエンド〜オールドフレンズ- 梅昆布茶自由詩30*13-12-2
午前六時に目覚まし鳴って- 乱太郎自由詩1413-12-1
年を取るとはこういうことか2- イナエ自由詩17*13-11-24
【_なんでもない日_】- 泡沫恋歌自由詩18*13-11-24
挫折の人- ただのみ ...自由詩23*13-11-20
言い訳にならぬコトバに頷いてデコボコの月丸くしていく- 北大路京 ...短歌813-11-19

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