ドラマチックな恋にあこがれて
オフィスレディに成り果てた君は
みじめでぶざまな人生の敗者
日産ラルゴの座席カバーとして
ハワイのTシャツを着せるのは
もうそろそろやめにしないか
それより星 ....
流星群が来るんだって
ベランダで受話器を耳につけて
ぼんやりとあなたの声を聞いている
広がる夜空を見上げながら
....
朝のうた
うたってみよう
と思ってる
無駄な早起き
六時のわたし
∞
痛みにて
離れし夢の
幸せよ
置いてきたのか
温かい手を
∞ ....
ヨシミはカワバタとユキオのどちらが好きなのかを考えたことがない
ユキオとサヤマのときは考えてもいたような気もする
カワバタに借りたプルートウというマンガを読みながらその考えたこともないことをはじめ ....
愛という名の幸せは
子供の頃の玩具みたいに
容易く手には、入らない。
枕辺を涙で濡らした、明け方に
開いた窓の隙間から
朝の風はすでに、カーテンをそよがせ
どしゃ降りの ....
春に体は押し返され
弾みで乾いた鱗が
ばさらばさらと足元を埋める
みだりがわしい温度に
誘われるまま
感知信号に止められて
まるで自分が分銅になった気がし
もう死んでしまったのかと思 ....
手刀で
斬れたらきっと
夜になる
星空の下
あなたに会える
∞
からっぽだ
なんて言うなよ
青がある
恋もしてるし
愛もそろそろ
∞
好きと言い
呟 ....
大きな大きな
それはそれは大きなフルタさん
おじいさんのフルタさん
100年いつも
磨きに磨きぬいてピッカピッカの
黒光りがご自慢のフルタさん
おじいさんが生まれたときに
既 ....
今朝よんだ本にかたいものがはさまっていて
誤ってのんだらしい
私のカラダの中を
ゆっくり ときどき急いで
まわるついでに 観察してるようだ
なんとかとりだそうと本を探してみる
巨大 ....
初めて君と会ったのは
空の碧い夏だった
君は微笑みながら
僕の元に駆けて来て
....
春風は あの子のスカート ひらりとめくる 甘酸っぱい僕の日々
かっこつけてクールを装い 隠してるんです ポケットの中身を
たまには不真面目を演じてみたい 僕にそんな勇気があ ....
正直しんどいんです
降りられるんなら降りたいんです
今すぐにでも
こう言っちゃ悪いけど
あなたひとりですよ
まだ何とかなるんじゃないかと思ってるのは
何かを成し遂げようとか
もう少し ....
やどかりの様に尻から席に着き
視線は窓を離れないまま
あれの名前はなんだっけ
箸をとり酒とつまみが並んでも
味があるのかそれとも無いのか
酒ばかり増え気もそぞろ
ぽかぽかと酔った口 ....
それにぼくはふたをしたのか
みてみぬふりをしたのか
きもちをコントロールしたのか
あきらめたのかわからなかった
でもいまゆめのなかで
あなたのもうひとつのなをよんで
はずかしくて
ホ ....
生意気な
口が
ひとりでに
言葉を
吐いたので
取り返しのつかない言葉だったりするので
煙突の上で
とにかく待った
雨が降る
六月には街では
雨を受け入れる用意 ....
一、 お散歩
しっぽ振り弾丸が行く月ぶれる
アスファルト下る瀑布に身も細り
黒ラブの餌より高き糞(くそ)不思議
後始末手こずる隙に引きずられ
散歩かな牽引されて汗まみれ
アホ犬とテニ ....
つまらない昨日にしがみついて
幾つもの朝を見過ごしてきたから
君が咲いていることにも
まったく気づかなかったんだ
いつまでも蕾んでなんかいられない
ホヤホヤの空元気と一緒に
「いってきます」を吐い ....
墜落のいちじつにある街にむき とうめいいろのもちをたべてる
12時はカラスの群でできています 7時になるとゴミあさります
通話する 波のおとだけ鮮明で でんでんむしと ひとはいうなり
....
愛猫そらが
臭腺破裂の外傷を負った
真っ赤に染まった
お尻に気付き
あわてて
動物病院に駆け込む
”この傷はねぇ、
外を走り回っていた
猫ちゃんたちには
ない病だったんだよ ....
体温はどこだろう
喜びのカエル
踏んでも死なない
喜びのカエル
色彩はどこだろう
喜びのカエル
世界を飛び交う
喜びのカエル
太陽の下でカエル
暑すぎてしまう
暗闇の中でカ ....
トイレに入って
便器にドッカと腰を下ろし
ブリブリと豪快に決めた後で
紙がないことに気付く
ついでに
水が流れなかったりもする
君にもっと細やかな心があれば・・・
いいや、いいのさ
細 ....
無色の眼光に崩壊した空は いまだ自転の歯車を回し続ける
微かに揺れている 渦巻いた日蝕の環に 写影機は 操られている
非具象絵画が 乱雑な閃光に 連写される
既に太陽と月は 暦を稼 ....
死んだ人の遺したそれは、決して起こらなかった何かを思わせる。
それは瞳に触れる直前に消え、冬のようにそこにある。
私はガラス窓に息を吹きかける。
そしてただ消えるのを待つ。向かいアパートのカ ....
嵐のまんなかで
ページがくられるように
きみは離れていった
永遠なんて言葉で
さよならしたふりをするのなら
ふってくれたらいいのにね
もう二度と会えないひとなんて
ほんとうにいるのだ ....
目で探りながら
手で解ったふりをする
口で汚しておいて
肩で諦め切れない
そんな浅はかで気紛れな
自分の中の振り子を
ひとときだけ止めて
佇んでみたけれど
森の深い呼吸が
耳の後ろをくすぐるから ....
天井でメッサーシュミットがぐるぐる回っている
弟の塗装はいつも雑だ、片側の窓がカーキで潰れている
ヒトラーは演壇で熱弁をふるっており
ドイツ語はさっぱりなので、盛んに繰り返されるClitoris ....
黒目を搾って炭化した果汁の渋味を垂らして
滝のように濡れてゆく白い部屋を睨み
眼光の輝度を上げて透視力を発揮しろ
眼球の白に血走る毛細血管を密集させて開拓してゆく
暗室に舞い降る ....
精錬された中指に
溶け落ちるクリーム
最後に残るのは苦しみ
蒸気圧がどんどん落ちて
すり替えが始まる
いつになっても
立っているだけの案山子が
ピエロのように
一粒の涙を舐める ....
黒光りする盧舎那仏は
大仏殿のひんやりした空気の中に
佇む自分を見下ろしている。
盧舎那仏に見られている
自分だけではなく
その場に佇むすべての者に
注がれる大仏の眼差しは
見る者からは ....
今日はワカサギが良く売れる
いつもは店の奥まったところに並べているだけなのに
学生も社会人風の人もノートや鉛筆には目もくれない
いっしょに良い匂いのする消しゴムや
綺麗な色の蛍光ペ ....
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