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ある日の深夜

僕をじっと見る
餌の器をじっと見る
再び僕をじっと見る

知らんぷりして
パソコンに向かっていると
いつの間にか後ろに回り込んで
爪が出ていない肉球で
僕 ....
詩は素

素敵と言わせたくて
素っ気ない素振りで
言葉をまさぐる


詩は素

素直じゃないから
素知らぬ素振りで
言葉をこねくる


詩は素

素顔に辿り着けない ....
ほんの気紛れだった
マンションの折込みチラシで
折紙しようなんて思ったのは

最寄駅徒歩7分を山折り
南角日当良好を谷折り
指紋の間にかすかに残る
あどけない感触を頼りに
無骨な指 ....
少し前から
光合成をしなくなった

薄らいでいく光を
見過ごして
遠ざかっていく水を
遣り過ごして
余った二酸化炭素を
夢にすり替えることもできずに
ただ乾いていく

カサコ ....
僕は異物だから
君の悲しみの中で
溶けてあげられない

僕は異物だから
君の喜びの中で
泡立ってあげられない

僕は異物だけど
とても脆いから
もたれた君の肩を支え切れない
 ....


抜けるような
青いうしろめたさを



ぽっかり浮かんだ
白い嘘でなぞって



可憐な
ピンクのあてどなさを



みずみずしい
緑のお節介が抱き ....
たった1年で
大人になった猫は

春には泡立つ光の匂いを
丹念に嗅ぎ回りながら
ひとつ歳をとり

夏には風呂場のタイルの上に
長々と寝そべりながら
ひとつ歳をとり

秋にはふ ....
つくづく
惜しい
つくづく

よしずも扇風機もスイカも
歯が立たなかった
暑いがらんどうのような
夏が逝く

つくづく
惜しい
つくづく

不安と疑念と我慢を
素肌に貼 ....
ぽとり



つぶやきをひとつ
落としてきた
苔の生えた出会いのテクニックのように


ぽとり



つぶやきをひとつ
落としてきた
迷子猫のような写真まで貼りつ ....
青黒い皮膚の下で
躍動する肩甲骨に
未熟なサーファーが乗り上げて
水飛沫を上げて砕け散る

白い泡立ちとなって
打ち寄せる指先は
永遠に砂浜を掴み損ねて
桜貝の汗を置き忘れていく
 ....
厳格な直線と
流麗な曲線で構成された
コンクリートは
お好きですか?

清潔な時間と
快適な空間が約束された
コンクリートは
お好きですか?

過剰な郷愁と
曖昧な体温を排除する
コンクリートは
お ....
ぼんやりと浮腫んだ月が
夜空の底から覗いていた
見透かしたような月光が
書きかけの溜息を嘲っていた

出かけたっきり帰ってこない
セツナサを待ちあぐねていたら
黙りこくったキーボードを
飼い猫が悠々 ....
<上>

暗中模索のキッチンで
夜食を見つけて意気揚揚
紆余曲折のビール腹
逆三角の栄枯盛衰

横行闊歩の食欲を
抑えられない艱難辛苦
気宇壮大の体脂肪
Gパン入らず苦心惨澹

 ....
氷の粒で描かれた
白い真一文字は
いつかの憧れに
まっすぐ向けられた
誰かの眼差しに似ていた

すぐに解れてしまう
白い真一文字は
いつかの過ちに
未練たらしく絡みついた
誰かの言い訳に似ていた

 ....
闇の底を疾走しているのではなく
ひたすら潜行しているのだ
と思った

望みは西から東へ

ラブホとパーラーの漁火の間に間に
脂ぎった回遊魚が澱む
安物のサラミのにおいをさせながら
 ....
回線は切らずに
口を閉じた

私信は返さずに
目を瞑った

耳にはイヤホンを
捻じ込んであるから
君の声は椎名林檎だ

鼻は塞ぎようがないから
自分の愛しい臭いを
嗅ぎ過ぎて吐いた

誤解を解こうと ....
出口は
何処だ

痛いほど清潔で
正確すぎる石段の先に
出口はない

光合成を忘れかけた
従順な街路樹の陰に
出口はない

濾過された光を孕んだ
まがい物のガレリアの果てに
出口はない

小綺麗なラ ....
コンクリートの谷底に
ぼんやり突っ立って
たくさんの季節と人を
やり過ごしてきたオマエの
歌を聞いた者はいないはずだ
それでもオマエは
歌い続けているらしい

コンクリートの谷底に
ぼんやり突っ立っ ....
イマジンや
マインド・ゲームも
楽しんでいただろうし
たまにはポンコツのスバルで
真夜中を突っ走っていただろうけど
「ひ」なのか「し」なのか
最後まで分からなかった父親

女は世界の奴隷でないことも ....
見慣れない電車を
何度も乗り継いで

見知らぬ人達に
何度も道を尋ねて

見惚れた造花で
何度も指を切って

見損なった夕焼けを
何度も何度も許して

やっと辿り着いた
近所のコンビニで
アイスクリ ....
ぽ ぽ ぽ

あてどなさを
撒き散らしながら
歩く

ぽ ぽ ぽ

優しさを
蹴飛ばしながら
漂う

ぽ ぽ ぽ

愚かさを
噛み締めすぎて
笑う

ぽ ぽ ぽ

淋しさを
演じ切れ ....
モノを言わせたければ
いろんなモノを
見たほうがいい

綺麗じゃないモノや
馬鹿げたモノを
もっと食べさせてやれば

君の可愛い節穴だって
とてもお喋りな
武器になるかもしれない
涙が止まらない君を
為す術もなく眺めていた

いちばん綺麗な君を
見せてくれてありがとう

涙を流し終えたら君は
見慣れた景色の中で
自由になればいい

でも

また咲きたくなったら
会おうね

き ....
つまらない昨日にしがみついて
幾つもの朝を見過ごしてきたから
君が咲いていることにも
まったく気づかなかったんだ

いつまでも蕾んでなんかいられない
ホヤホヤの空元気と一緒に
「いってきます」を吐い ....
目で探りながら
手で解ったふりをする
口で汚しておいて
肩で諦め切れない

そんな浅はかで気紛れな
自分の中の振り子を
ひとときだけ止めて
佇んでみたけれど

森の深い呼吸が
耳の後ろをくすぐるから ....
三角耳を
クルルと回して
素知らぬ顔

肉球で
ソロロと歩んで
知らぬ間に

高い所から睨んで
狭い所に詰まって
暗い所を走って
温い所で蕩ける

甘えたい時にだけ
フワワと膝の上

嫌な事すべてに ....
スゥーっと
滑り出した曲線が
少しも角を立てずに

ツィーっと
遠心力の縁を描きながら
たおやかに遠回りして

ファーっと
何事もなかったように
帰ってくる

そんな
一日が送れたなら
とても良いの ....
そんなに
尖ったヤツで
横腹を突っつかれたら
陽気な中身が漏れちゃうじゃないか

暖色の粒子を頭から浴びて
みっともない笑顔になっても
知らないよ
メチターチェリさんのnonyaさんおすすめリスト(28)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鳴かない猫- nonya自由詩27*12-2-11
詩は素- nonya自由詩24*11-12-18
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枯葉- nonya自由詩20*11-11-14
異物- nonya自由詩22*11-10-29
陳腐- nonya自由詩24*11-10-17
ふんわりとした接点- nonya自由詩23*11-9-24
つくつくぼうし- nonya自由詩19*11-9-14
ぽとり- nonya自由詩15*11-9-10
- nonya自由詩18*11-8-27
コンクリート- nonya携帯写真+ ...9*10-6-5
スランプ- nonya携帯写真+ ...7*10-5-26
余事熟語あいうえお- nonya自由詩12*10-5-13
飛行機雲- nonya携帯写真+ ...9*10-5-11
のぞみ64号- nonya自由詩6*10-5-7
ひとり- nonya携帯写真+ ...8*10-5-4
出口- nonya携帯写真+ ...3*10-5-3
歌う男- nonya携帯写真+ ...7*10-5-2
インスタント・コーシー- nonya携帯写真+ ...6*10-4-29
ただいま- nonya携帯写真+ ...15+*10-4-25
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