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半身麻痺のお婆さんの
両手を引いて後ろ向きで歩く 
介護青年だった、10年前の僕 

いつも面会中にさりげなくにこやかに 
見守っていた初老の娘さんと 
古都鎌倉の喫茶「扉」で 
偶然顔 ....
自らの意思に反して 
もう一人の私が 
何処か遠くへ歩いてゆき 
おーい、と呼んでも聞こえない 

永遠に列車の来ない 
線路の上を歩いていたら 
地に伸びる私の影が、口を開き 
耳傾 ....
僕等は、いつのまにか 
否応無く人生という列車に乗っていた 

やがて、この列車は 
御他聞漏れず地上から浮遊してゆく 

いつか、必ずブラックホールの暗闇を 
一度は通過するという 
 ....
君がつくってくれた朝食の 
おかゆを食べ終え 
茶碗の運ばれた、広い食卓に 
何とはなしに手を置けば 

木目に残る余熱は 
一つのぬくもりのように 
指から皮膚へ 
皮膚から体内へ  ....
五十歳で転職した新人さんが 
仕事の後に、眉を八の字にして 
僕のところにやって来て 
日々の不安を、打ち明けた。 

物書き志望でベテラン介護士の僕と 
人生をやり直そうとしている彼が  ....
愛という名の幸せは 
子供の頃の玩具みたいに 
容易く手には、入らない。 

枕辺を涙で濡らした、明け方に 
開いた窓の隙間から 
朝の風はすでに、カーテンをそよがせ 

どしゃ降りの ....
こうして休日のベランダに佇み 
干された布団と並びながら 
{ルビ麗=うら}らかな春の日射しを浴びていると 
日頃、誰かを憎みそうな闇の心を 
布団と一緒に、殺菌してほしいと思う。 
忙しい日々のレールを脱線するように 
不意に訪れた長い休暇 
病室のベッドに横たわる僕は 
窓外に立つ 
独りの樹の葉群を躍らせる 
風、を視ていた。 

( きらきらと、協奏曲の奏でる ....
メチターチェリさんの服部 剛さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
喫茶「扉」にて_- 服部 剛自由詩812-2-14
もう一人の私_- 服部 剛自由詩8*12-2-11
魂の器_- 服部 剛自由詩411-10-20
手のひらの詩_- 服部 剛自由詩811-10-11
珈琲たいむ_- 服部 剛自由詩7*10-4-27
地平の太陽_- 服部 剛自由詩210-4-9
春のベランダ_- 服部 剛自由詩510-3-14
海の音楽_- 服部 剛自由詩910-3-7

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