悲劇の色は何色だろう
色など在りはしない
それは叫喚と慟哭だけだから。
しかし悲しみは声をさえ持ち得るのだろうか
肉の塊は自己解説をしない
生きながらコンクリートに塗り込められて
息の根す ....
光りがこぼれ
海鳴りが、さわがしい

海峡は、もう春の白波をたたえていました
モザイクのような潮の流れに
遠く、
アシカたちの群れる灯台の島は、にぎやかさを増して、
その鳴き声を潮風にの ....
過去いっぱいの浴室を開いて
君は音を立てて息をした
世界はもう少し理想に近づくべきと
誰かの書いた理論で夜が更ける


「最果てなんて所詮嘘だろう?」
強気な赤目が声震わす
然して君は ....
こうして休日のベランダに佇み 
干された布団と並びながら 
{ルビ麗=うら}らかな春の日射しを浴びていると 
日頃、誰かを憎みそうな闇の心を 
布団と一緒に、殺菌してほしいと思う。 
壱;

とんがったピンセットを突っ込んで
耳の中をかき回す。

きっとここは中耳であろう
そこから先はぐっと地底に落ち込んだ
炭鉱の坑道であろう筈。
へい、地球人よ、ブラジル人よ
 ....
あなたが人間のような寝息をたてながら
飢餓から逃れ黄金の夢を見るとき

私は軋むほどこの目を見開きながら
あの色彩をこの手で触ろうとするのだ

あなたが己を装飾品で飾りたてながら
淡い色 ....
お前の足は何のためにあるのだ
不死身の肉体と共にあるその両足は

行く先に詐欺師が待つ呪いの道を進むためか
山のような死体の上をおどおどよじ登るためか

その消すことの許されない足跡は
 ....
妻 
 古い女の意。

 実質的にオバサンと同義であるが、年齢と関係なく属性に付帯させる呼称。
 その語感には老化による失墜ではなく心情的な不幸が投影されており、安堵
 と焦慮、妥協と不満、 ....
お前の長い黒髪を
撫でればズルッと抜け落ちる
わたしは屈んで拾い上げ
指に集めてブーケを作る
お前のネイルは艶消しの
触ればズルッと剥げ落ちる
死んでも伸びるケラチンは
貝殻みたいな ....
みぞれと言うのか
雨が凍っているというのに
こんな夜にも走る男がいる
気が済まない、
習慣に中毒したのか自己啓発強迫なのか
こんな夜くらいはさぼろうという気がない
上空で
雨が凍るという ....
 
 
雨上がりの軒下で
兄はひとり
シュレッダーになった
わたしは窓を開けて
要らなくなったものを渡す
最新式なのだろう
やわらかな音と振動で
兄は細断していく

ダイレクトメ ....
白い壁を見よ

神秘のベールを纏う白い肌の君よ
徐々にはだけてゆく官能を追う
我らすべて君の虜、白い肌を這う尺取虫
全貌を望み君の乳房で眠る、あるいは
君に裏切られたものは落下して大地に横 ....
横断歩道で飛び跳ねていたら
ユーウツに
アタマシバカレタ

歩道橋の上から
唾を垂らせば
いかめしい車達の頭に
反旗の鉄槌が下る

もうそろそろ青虫がサナギに成る時間だ

春のワ ....
いま僕が噛んでいるガムの味を君に伝えようとしても、到底無理なこと。

伝えよう、伝えようとしているうちに味がなくなってしまう。
吐き出すところも似てる。
消化に悪いところも。
チョコと一緒に ....
夕焼けには感動しないとだめですか?
海にも菜の花にも、アニメの最終回にも

あいにく僕の言葉は文字化けばかりで
昨日よりいっそう殺風景な部屋にいます
虹は一度も作ったことがないので
何が神 ....
今はまだ
パブロンの空き瓶にしまわれたままのアサガオ
君たちの勇姿を憶えているよ
天を衝くヘカトンケイレス
撓めても矯めても
行灯仕立てなどには収まりようのなかった
蛙手の百手の巨人

 ....
3月、無心な空でしたがそこに慈悲はなく
みな不寝の顔をして今日を倦み
姉はウィスキーのミニボトルと5号瓶を入れました
兄はマルクスの共産党宣言上下巻を入れました
私は書きなぐりの長い手紙を入れ ....
永遠の愛とか
無限の可能性とか言われても 困ります
わたしたちは永遠には生きられないのだから
わたしにとって愛とは 残り少ない歯磨き粉のようなもの
早く買い換えようなんて思いません
最後の最 ....
忙しい日々のレールを脱線するように 
不意に訪れた長い休暇 
病室のベッドに横たわる僕は 
窓外に立つ 
独りの樹の葉群を躍らせる 
風、を視ていた。 

( きらきらと、協奏曲の奏でる ....
 
 
交差点の真ん中に
ダチョウが一頭立っている
たくさんの車や騒音に驚きもせず
ただ悠然としている

身長二メートル数十センチ
人より背は高いけれど
人がつくった周りの建物は ....
とんでもなく飛んでもいないのになぜか怒られてしまった
私は何がいけないのだ空中滑走
黄色い目をひとさじ分のシロップ蜂蜜漬け
甘く仕上げてみました。

君はその向こうの存在で
それが ....
私は
水面を眺めるのが好きだ
こころが癒される

趣味は写真撮影
水の流れや
水面に揺れながら
ゆらゆら写る
風景を愛でながら
写真撮影する

今日は
暖かな春風に導かれ
何 ....
結局全ては己の力量次第であると確信したとき、
スイッチを切り替えてしまえば、そこはきっと、

それなのに分からない位置に苛立って強制終了。
拒絶より恐らく諦めに近い、淡々と、笑顔です。
問題 ....
 
 
僕の中で爆発する
バクとハツ
バクは奇蹄目バク科バク属に含まれる哺乳類の総称である
ハツは架空の人物、性別は女、推定年齢七十歳前後
幼少の頃、本家から分家に養女に出される
分家の ....
スプーンの凹みがきんと冷えていて/くっついちゃった舌とバニラと


水銀の湧き上がる速度いつもより遅いの、ぜんぜん熱なんてない


「純正のクーベルチュール」を用います。失敗しては、買いに ....
日々のひび割れ
 −石川敬大『ある晩秋の週末のすごし方が女のおねだりで決まる』評−


 石川敬大さんは、現フォでは練達の詩人と言ってよい。
 彼の近作に、私にとって妙に気になる作品があった ....
財布を落として2時間30分
中身が無くなり手元に戻ってきた
もちろんデートは散々で
君の呆れた顔しか覚えていない
スーツは一張羅を着た
クリーニングに出してビシっとキメた
はず ....
                    それだけは 
                    避けようと するのだ、
                    未開の人が 
            ....
詩 篇



                                ああ 
                                

                 ....

どういうわけかうちのごみぶくろだけ
いつもあけられてしまって
中身がまき散らされているの

ある日曜の朝
母が困惑顔で言ったとき
それはきっと妹を狙う肉食獣の仕業に違いない
とわた ....
メチターチェリさんのおすすめリスト(382)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
表現手段について;覚え書き- salco自由詩5*10-3-16
「春想海」- 月乃助自由詩13*10-3-15
夜明けのモラトリアム- ネハン・ ...自由詩310-3-15
春のベランダ_- 服部 剛自由詩510-3-14
耳の中- salco自由詩1210-3-13
あなたが瓦礫の上で微笑むとき- コウ ア ...自由詩210-3-11
白い道にお前の足跡が残るならば振り返るがいい- コウ ア ...自由詩110-3-11
サから始まる語義凡例・ツ〜ナ- salco散文(批評 ...2*10-3-10
絶唱_貞子- salco自由詩2+10-3-10
阿呆の星- salco自由詩810-3-9
名残- たもつ自由詩810-3-8
白い壁を見よ- 瑠王自由詩5*10-3-8
春・雑感- within自由詩12*10-3-8
スペアミント- 瑠王自由詩5*10-3-8
インターフェイス- あをがね自由詩210-3-8
百貌のアサガオ- 海里自由詩2*10-3-7
川流し- salco自由詩310-3-7
愛を絞り出せ- 新守山ダ ...自由詩210-3-7
海の音楽_- 服部 剛自由詩910-3-7
帰宅- たもつ自由詩610-3-7
そレガワタシ- 点子自由詩110-3-6
春風の画伯- みずまく ...自由詩810-3-6
ユートピア- 津島自由詩110-3-6
爆発- たもつ自由詩810-3-5
風に舞う雪を見ている- ことこ短歌12*10-2-3
【批評祭参加作品】日々のひび割れ_−石川敬大『ある晩秋の週末 ...- 大村 浩 ...散文(批評 ...810-1-10
バファリンには解熱効果があります- うめぜき自由詩3*09-10-22
身_辺_雑_記_(殺戮された_花々の_碑)- るか自由詩7*09-10-6
詩_篇_の_た_め_の_試_論- るか自由詩509-10-3
世の中がどんなに変化しても、人生は家族で始まり、家族で終わる- 吉田ぐん ...自由詩53+*09-10-2

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