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水たまりを跨いだら、一国の王になっていた。
捨て猫の声が聞こえてくる。何故、捨てられた猫であるとわかるかというと、猫の言葉がわかるわけではなく、捨てられた猫の啼き声は、激しく依頼してくるからであ ....
眠れずに
話し続けて窓から見えた白い月
集合場所は明かされぬ森の中
獣達は眠らない
獣のような人間も眠らない
人間もまた獣のように目を光らせる
夜にメスを入れる ....
速められたリズムは
濃紫の草むらへと
向かわせる
込み上げてくるものは
体内の水源
飲み込まれたものは
いつしか蒸発し
すり替わる
虫を殺してしまったら
かたつむりを踵で ....
逃げ惑う足首に
絡みつく春の鬱
転ばないように地面を
踏みしめているのに
白い鬱が生えてくる
小さな芽が双葉を広げようと
隣で眠る鬱に声を掛けた
まだ孤独であるうちに
秘密の儀 ....
瀬戸内の海辺からは
ぼんやりと霞んで
青い島々が見える
潮が満ちてくる頃には
波に防波堤が
飲まれそうになることもあるが
それでも
外海や日本海の波に比べたら
穏やかなもので
停泊す ....
積年の黒くかびた墓を
新しく建て直すために
取り出された骨壷
つるりとした陶磁の表面は
寒々しく
気を抜くと体温を吸い取られそうで
鳥肌が立つ
生きていた頃よりも
死後の青みが ....
春に体は押し返され
弾みで乾いた鱗が
ばさらばさらと足元を埋める
みだりがわしい温度に
誘われるまま
感知信号に止められて
まるで自分が分銅になった気がし
もう死んでしまったのかと思 ....
精錬された中指に
溶け落ちるクリーム
最後に残るのは苦しみ
蒸気圧がどんどん落ちて
すり替えが始まる
いつになっても
立っているだけの案山子が
ピエロのように
一粒の涙を舐める ....
いっこの点
ぐいるぐいる
切断面
にぃぃつやと
喉仏を動かして
ありったけを
跨ぐ
道と道が交差する
信号機は
滑舌よく
大人たちは
お囃子に合わせて
黒い眼を回しだす
....
横断歩道で飛び跳ねていたら
ユーウツに
アタマシバカレタ
歩道橋の上から
唾を垂らせば
いかめしい車達の頭に
反旗の鉄槌が下る
もうそろそろ青虫がサナギに成る時間だ
春のワ ....
メチターチェリさんのwithinさんおすすめリスト
(10)
タイトル
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日付
蘇生
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within
自由詩
9*
10-5-29
知覚する嬰児
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within
自由詩
13*
10-5-11
睡蓮
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within
自由詩
12*
10-5-4
春のウツ
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within
自由詩
5*
10-4-29
内海の道
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within
自由詩
15*
10-4-16
骨壷
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within
自由詩
7*
10-4-14
春の入り口
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within
自由詩
8*
10-4-9
最後に残るのは苦しみ
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within
自由詩
6*
10-4-4
路傍
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自由詩
6*
10-3-25
春・雑感
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within
自由詩
12*
10-3-8
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