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深い傷 浅い傷
大きい傷 小さい傷
ずきずき痛む傷、甘酸っぱい傷・・・・
どれもこれも、私の体に残っているものならば
全て抱いて生きていこう
ひとつひとつが 生きてきた証だから
失いた ....
孤独はあたたかい
闇はあかるい
しずかに私をつつみこんでくれる
そしてその中で胎児のように眠るのだ
罵倒や嘲笑・裏切り・暴力
全てから私を護り
私の存在を否定しない
理想的な母親のよ ....
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風の音がとまった
日の光が強く押え付けてくる
ガラス窓のこちら側は醒めた水の中だ
連れ立った女学生が口をパクパク動かしている
子供を連れた ....
花で飾られた墓地は
東京のようにさみしく
思い出は
人と人との間にはいない
誰のものともつかずにひとり
野ざらしでいて美しい
見ず知らずの人に会釈をして
道を譲ると
僕はひとり ....
夏の雪降る深海の
窓にうっすら映る影
ちょうちん鯨の大口に
飲み込まれたのかマルラメの
思考の中の小宇宙
星々の輝き 極彩は
積乱雲のその向こう
遥か彼方に拡散し
そのまま夢の辺境 ....
釣り堀に釣り糸をたらす
濁った水面をぼんやりながめる
浮きが ぴくぴくと動き
ぷくん と沈む
のろのろとひく
たらりと針だけが透明な糸についている
ばしゃん
音がするほうに
ば ....
昨日とおなじものは
いらないのに
明日になったらやっぱり
おなじもの?
君はかわっても
ぼくはかわらないのかな
いくつになっても?
うん。
将来のゆめを語るひとでいたい
九十 ....
褪色したかこはモノクロ
セピアのくすむ
鉄錆の
あかがね色
ふくざつに入り組んだそら
四角い工場群がある昭和のはじめは卵の
ちいさな箱
筒状のえんとつ
....
わたしは写実をつなぐ
紙に沈む点を見捨てる
森のむこうの森
水たまりにくちづける
紙を裂いたかたちたち
紙を裂いたかたちにつづく
涙を抄い抄われる手が
別のし ....
「いつまでも」
木の若芽
微笑んで輝いて進むために
今日も木が霊感をくれる 根も幹も葉も
木が育つのは歌 星がめぐるのは歌 人が愛すのは歌
宇宙の心にかなうことは ....
あなたは誰にも見られない所で
何をしていますか
愛するひとに手紙を書いていますか
あなたは誰にも見られない所で
何をしていますか
まだ手にできない夢を得るために
そのための切磋琢磨をし ....
碧い夢の水面(みなも)を映した瞳は、
ただ見るともなしに忘れられた出来事を想いつづけ
あの日、高い山の頂から眺めた
無数のもがく手と足が遠い海までつづく
静かな、地獄図を見ている
秋の空 ....
「嘆きなく」
木の若芽
ゆりの木が鳴る
けやきの木が踊る
とてもさっぱりした風だよ
昨日の風はしっとりとしていた
今日の風はからりとして
いちょうを匂わせ
....
とつきとうか
出口の見えないトンネルの中を
さまよい歩く気分でした
年中睡いくせに
その眠りは浅く
私は大海に漂う一枚の木の葉のようでした
{引用=沈みかかっては(眠りに落ちて ....
孤独じゃないと感じてる
孤独じゃないと案じてる
二人でぐっすり眠りたい
月あかりだけ浴びながら
青いツラの皮うかんでる
きのうの戦争銀メダル
世界で何位なら満足 ....
もしも鳥だったら?
あたしゃ、きっとペンギンさ
灰色の空を見上げるだけのペンギンさ
乾いてしまった心
えぐられる心
容赦無い言葉
癒えることのない心の砂漠
雨が振ってこないかな?
いえた心の砂漠に水を与えたい
でも、雨は降って来ない
カラカラ ....
うつくしい人の想像をこえた
あなたのかかえているもの
すべては朝だった
*
きもちいいくらいの遠心力で
渡り鳥は群れていて
ふゆ、なんてたった一言で
言っていいことと悪いことがあ ....
都会について語ると
都会は沈黙する、
唇はいつも僕にあるから
生き物たちが寝静まった深夜
列車に乗って
都会という名の駅で降りる
駅前では高層ビルが
ひんやりと脱皮をしている ....
今夜も蒼い月に導かれ
夜の世界に飛び込む
昼間とは違った空間
物静かで、そして不安で
ただ蒼い月が導いてくれる
知らない世界
魔法使いがやってきた
蒼い月が昇 ....
その石には
一房の夜が埋め込まれていて
羽をひろげた名もない鳥が
宙返りをして遊んでいる
ならば
僕は
手のひら一杯の嘘をあげる
その重みで
....
奈良の大仏 ふさの国
ならは 国の意
奈良の都は遠い過去
盧舎那仏にはほど遠い
寂(すた)れた山里の如来立像
並木の参道 山桜
古木巨木のスダジイ、銀杏
木肌と瘤の古色な造形
その ....
君がぬいぐるみが好きって言うから
僕はたくさんのぬいぐるみをプレゼントした
どうしても欲しいって言ってたぬいぐるみを
プレゼントしたくて探し回った
何処にもなくてとぼとぼと歩いていたと ....
120802
走り過ぎ症候群に陥る砂丘郡を彷徨いながら
草の繁ったところを探す
丘の上にはいつも上向きの風が吹いていて
ハンググライダーで空か ....
気持ちのいい風に吹かれて
汽車は南を目指して行く
広がる青い穂波に心はときめいて
懐かしい君の声が僕を呼んでいるような気がするよ
君と作ったあの秘密基地はまだ残っているかな
蝉時雨の中駆 ....
煩わしいのです
自ら 血管の育成に
恐れの心を抱いているのです
そう 煩わしいのです
血は内にあるもの
外に現れないで欲しいのです
私の体は 内と外に
しっかり表皮で
分かれて ....
月があかるい夜だけでいい
時間よとまれ
猫になって屋根から屋根へ
帰って来た半端もんは
泣きたくても泣けない
苦しい洗濯機のぐるぐる
あと
どれくらいお前といられるだろう
....
また、夏が
また、あの光景が見えて来る
田圃の畦道を
母と一緒に歩いている
手を繋いで歩いていく
畦道の陽射しは強く
麦わら帽子の隙間から
頭髪の汗をさす
揺らめく道端
青い稲
....
無常の大河を上ろう
わたしは水面で止って
大河の流れのほうが下りているかのように
ゆっくりと黄金の大河を上っていく
わたしはわたしの源流をさかのぼり
秘蔵の宝を探し当て
きっと歓喜にひたる ....
真夜中は静かだ
たまに通る車の音
エアコンの室外機の音
猫がなく声
さまざまな音がする
眠くならない私は
そんな音達に耳を傾ける
いざなってこの夜を
私 ....
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