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路面電車から降りた羊飼いのみる夢
葡萄酒はとっくに尽きて月が出てる
錬金術師は金色のイングリッシュハーバーを
一杯の砂漠の水と共に ほんの少しの干し葡萄を
小さな箱で あい色の ....
縮絨された暦に秘めた
敏く、哀愁を帯びた紅紫の日々と
愚かなる人々の美しくも艶やかな罪の数々
その淡い影と華やかな彩りに埋もれ
古びた床へと無数の疵を残して
錦鯉の泳ぐ池のある庭を ....
小雨の中の交差点
寒さ厳しく 小走りで
自動扉がウィーンと開く
その店に入った時から
異様な空気。
フロアの中央に
背の高いテーブルひとつ
天井にはミラーボール
窓際のカウンターに ....
わたしは勿論あのひとを
大切に大切におもっているが
もしかしたら実は
あふれこぼれんばかりの
「愛したい!」という
エネルギーのかたまりを
ぶつけられる相手ならば
....
夜半から降り始めた砂が
やがて積もり
部屋は砂漠になる
はるか遠くの方からやって来た
一頭のラクダが
もうひとつのはるか遠くへと
渡っていく
わたしは椅子に腰掛け
挨拶を忘 ....
切り倒したばかりの白木 刳り貫いて
船をつくろう 船をつくろう
亡くなった人の骸を入れるため
船の棺に入れて 愛しい亡骸を入れて
白浜へ挽いていこう 海まで挽いていこう ....
{引用=*四行連詩作法(木島始氏による)
1.先行四行詩の第三行目の語か句をとり、その同義語(同義句)か、あるいは反義語(反義句)を自作四行詩の第三行目に入れること。
2.先行四行詩の第四行目の語 ....
綺麗な空を見る
水の流れる音を聴く
君の声がする
たったそれだけで
世界がくるり、素敵に思う
哀しみにおそわれる
生きていく苦痛にとらわれる
人一倍傷つきやすく
人一倍じぶんを超えようともした
胸の痛みやしびれがなくなるまで
大義名分をさがして
モーツァルトのピアノ協奏 ....
私たちはつながっている
滝つぼでせめぎあう水のように
ときには去りかけている手を
つかむように
私たちは引き合っている
玄関にあるクツや
座っているイスのように
それは確かなこと
....
楽器のようになりたい 私は あなたの楽器に
あなたの指先が 描こうとする 一つ 一つ の音を あなたの思い描く そのまま その通りに表したい そして そうすることで あなたが 次々と 美しく悲し ....
舌足らずな声と
舌の麻痺した声と
酔いの回った声と
光る声と
舌の先に憂鬱を乗せた声と
舌の先で転がす欲情の声と
だらしのない生活
すべてが連結して
みなぎっている
血が騒いでい ....
一二の時まで、わたしは発光していました。
ちいさなわたしは
空き地のハルジオンの隙間に落ちていた
たくさんの欠片(かけら)を
拾い集めては、
序序にじょじょに発光していきました。
....
{引用=
? 白い虹の風景
}
{画像=10071 ....
何があったの?
どうしたの?
泣かないで・・・。
怖い夢でも
見たんだね
よしよし
大丈夫だよ
さあ
笑ってごらん
じぶんの感情を充たす
その感情とは
ほんとうは何の仮の姿なのだろう
ぼくはとまどっている
世のため人のためなら
ここから降りるべきだろうか
ぼくはいまを生きている
....
握り締めることなんて出来ないってわかってるのに
風に翻弄されて舞い落ちる粉雪をつかまえて
その結晶を手のひらに刻み付けたいと思った
この冬最初に降る雪を見たのは
帰省先である少し北の街 ....
正しさの名前で
身支度した
人々が歩く。
それぞれが
それぞれの価値観の
正しさの正装で。
あるいはそれは
ある時代の
正しさの流行服。
あるいはそれは
ある時代の
作ら ....
今日は雨
誰もいない
ひとりの時間
お茶を
飲みながら
ちょっと
一息
ひとりでいるのだから
こんな時は
音楽を聴くのもいいよね
雨の日の午後
今は
ひとりの
大切な ....
新しいドアの前に辿り着いて
ノブを回してドアを開ける
中に入ってからばたりとドアを閉める
今入ってきた場所と薄いドアの一枚で遠く隔てられた世界
ドアのこちら側でしばらく立ち止ま ....
真っ白なスタート
とにかく背中を押されて
頭から突っ込むでんぐり返しのような
これまでと違い
目覚めるのも自然にまかせて
自分の意思で起き上がることができる
毎日に変わった
....
鐘が鳴る
誰がために
君のために
鐘が鳴る
未来の見えない晴れた空
今日という日の偽りにさえ
それで君が構わないなら
鐘が鳴る
星が流れる
消えな ....
冥王星から始まって
シリウス、シリウスBへ
カノープスが続く
アケルナルはエリダヌスで
はくちょうにはデネブ
落ちてこないのは ことのベガ
冬のオリオンにリゲル
北極星を見つ ....
アワアワと
動いていると
アワアワが増えて
ランランと
歌っていると
ランランになった
同じことをしているのに
不思議だなぁと思いつつ
モグモグと
食べるゴハンは
....
きみのこころは遠くにいってしまった
きみも僕も
おなじ天井、ちがう空の下にあるということだ
こころ
それは時間とにている気がする
誰のものなのかはっきりしないところが ....
誰にでも越すに越せない川がある
その川を越えようと試みるもよし
はなから越すことなど考えもせずに使い古しの釣竿一本
かの太公望になった気分で日がな一日
立ち枯れの葦原を渡る北風は冷たく ....
理由をなくして
理由をなくしたがゆえに責められて
理由のない場所にもたどり着けず
けれども
理由のない物事が
降りかかってきそうだ
もうすぐ
降りかかってくるだろう
夜の空気 ....
地球について
しんとした時間のなかで
僕らが一秒でも考えてあげることができたら
六十八億秒の祈りが生まれるよ
気持ちを吐き出してしまいそうになるくらい
好きなひとに出会えたのもこの星だし ....
生まれた季節は冬の冬
年の最後のどん詰まり
暮れ行く年の落し胤
雪もはらはら降るような
生まれた街は底の街
上の街のとなり街
違っているのは人の色
違っているのは家の ....
朝日に曝される夕べの残滓
そんな粗雑もたまにはいいか
長い目で見るって
時間レベル?
たましいレベル?
生きているうちに結実するものなんて
成功か失敗しかないと思う ....
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