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たしか、月という名だった。
名前とはたいていの場合
生まれた後付けられるのだろうが、
それは生まれる前から月として
ただ、そこに在ったのだと思う。



結婚式に参列している。 ....
兆しばかりが高まっていく五月の

春という付箋を貼り付けておくには

些か暴力的な日差しを肌に感じているとき

わたしの柔い細胞がじりじりと焦げて

駄目になってる気がして

薄ら ....
 トキエは泣いている。薄暗い納戸の奥の、
紅い鏡掛を開いた鏡台の前に座り、泣きなが
ら化粧をしている。「おかあちゃん」幼い私
はトキエに纏わり付いて、その名を呼び続け
ている。戸外から蜜柑 ....
 「こころいき」


奇跡の勾配を ころがる
空は水色、
水は空色。

鳥が鳴き
あたりという あたりに
しきりは 無い
緑の匂いがする
こけて膝小僧を すりむ ....
絶対的な漆黒に支配されながら
もう消えてしまいたい、と
泣き続けた夜
だけどそんな闇でさえ 
萎え始める瞬間がある
私の意志とは関係なく
朝は必ずやって来るのだから―
地球が営みを辞めな ....
【緑の風】

一輪車に乗った子供が
緑の風をうけてゆく

不安定なのに
軽快に

不安定だからこそ
愉快に

たったひとつの輪さえ
あればいい


【蕗によせて】

 ....
ここにあって
  ここにないもの

 疎 外 感

黒い瞳に混じった
しろいひと
 或いはひともどきは


  愛の記憶は
  この世に生きる
  ずっと前に
  捨ててきた ....
その場所の環境に合わせて
生まれた様々な文明

他の文明とのやりとり
良いものを選び取り入れて
発展を続けてきた

行き詰まり破壊を選んだ文明もある

今の文明がどう進化するか
愛 ....
服を捨てた
どんどん捨てた
着ていた頃の自分を捨てた

服に心をひっぱられたけど
ええいと切って
ばっさり捨てた

タンスはからっぽ
骨になったハンガーが
風にゆらりと揺れている
 ....
春の風は遠くから来ます
夏の風は遠くへ行きます
あこがれ、とは違う
何処か知らない所へと
私を誘います

秋の風は通り抜けます
冬の風は通り過ぎます
喪失を知らしめ
懐かしい者どもと ....
君の白い指が好き手紙を書いたり電話をかけたり
ときどきみみたぶを摘まむ癖のある君の指が好き

苛立って乱暴に鍵盤を叩いたり上手に包丁を操ったり
水道の蛇口をひねる君の指が好き

ず ....
 田んぼ


乾いた田んぼに水が入って
追いつけないままに去っていった
春の詩をようやく諦める

花菖蒲は元気に咲いている
紫陽花もゆっくり色づいてゆく
発芽した朝顔は満員電車みたい ....
名まえのもとに咲く花があるだろうか ことばからはじまる思想があるだろうか
槐、槐 蜂は最初からしっていた こぼれる密の甘さを
槐、アカシア 隣り合っても争わず
咲く白と黄色の狭間に立ってみれば  ....
父の母が亡くなり
その後しばらくして
父の兄が亡くなった時
父がぽつりと言った
「今度は俺の番だな」

その順番の通り
父は亡くなった

四十九日が過ぎた時
母がぽつりと言った
 ....
五月の雪の木曜日
あの子はステージで裸になった

次の日には祝いにまつわる詩を書いて
大絶賛を受けたあと欄干から足をすべらせて死んだ

ま新しい五月晴れの朝に
いつもより少しだけ多く ....
見慣れた街の風景の一角
ブルーシートに覆われた遊休地
住宅街の一角に
ブルーシートに覆われた非日常
何らの標識もない
危険マークもない
青空を地上にへばり付かせた
痰のようなものを覆う
 ....
娘の担任の先生から突然メールが届く
件名は娘の名前
かすかな心臓の高鳴りを覚えながら
本文を開ける
文字が目に飛び込んでくる
“She had an accident!”
アクシデント!? ....
窓から差し込む陽光に
そっと手を翳す
翳した指の透き間から
幾筋もの光が和音となって、響き渡る

部屋中に響き渡るそのハーモニーは
希望に満ちた朝の光
朝の空気の中、陽光が満ち溢れ
そ ....
?公園に女の子が八人いました。
さらに後から男の子が何人か来ました。
全部で子供は十五人になりました。
公園に男の子は何人いますか??

レスリーは両手の指を曲げたり伸ばしたりしている

 ....
先生が僕を卑怯者と呼んだ
その名前はおでこに貼りついて
やがて
僕の皮膚になった

月日が過ぎて
周りが誰も気づかなくても
僕の耳には
先生の声が時々聞こえた

先生 僕は先生のよ ....
庭先が散らかり
物陰が増えていく
見覚えのあるような
雀ほどの大きさの
鳥の形のたくさんのもの

手遅れになってしまった
忘れることが出来ないものを
正しく思い出さないために ....
埃っぽい倉庫街の一角
赤煉瓦造りの古風な倉庫
その中で熱心に壁の穴を覗く者
それは老人だった
グレーの草臥れたジャケットを着た
老人だった
櫛の通っていない白髪の
老人だった

老人 ....
ちょうど百年まえにも
こんな日があったね

うす暗い部屋に
暴力的な光がとびちって
あなたの背中から
夜が逃げていく

どんなふうに笑ったら
夜は戻ってくるだろうか

あなた ....
始らなかったので終らせてみた
紅い薔薇を黒く染めるように

けしてそれは汚くはなく
光るような色でした

苦しかった息も平穏を取り戻し
花を摘み始める

綺麗でしょう?と渡された心は ....
西洋ではエイプリルフールだって言うんだろう
その日は嘘を吐いても良い日だ
だから、私が死んでも誰も本気にしないだろう

きっと、

「いくらエイプリルフールだからって
 そんな嘘はいけな ....
ぽつりと零れて転がっていく
水たまりを踏み荒らして跳ね上がる今日
裾を翻しいつも泥まみれ
裸足のままで空を揺らして
波紋の向こうに明日を見た

澄んだ目をして手を差し伸べる
きみの足も泥 ....
動き出した車窓が
景色をゆっくり手放すように
やさしくほどかれる季節は
まだ寝ぼけていたい春の子が
ようやく
んー と
背伸びをしたみたい

かしこい子も
そうでもない子も
とにか ....
ひらひら舞う雪を数えた日
なにより優しい歌が耳に届きました

ひらひら舞う花を数えた日
なにより優しい歌は聞こえなくなりました

あの日生まれた約束は
今も静かに生きています

私の ....
  連なっている
 ひとつひとつは
いびつななりであったとしても
 連なることによって
  ハルモニアを産んだ

   重なり合っている
  響き合っている
 ひしめき合っている
峰 ....
その日のことは忘れない
一瞬の沈黙の痕
スローモーションのような動きで
逃げ惑う人々
サバイバルナイフ片手にそれを追い回す悪意
全ての音は止まっている
無音の中の惨劇は
それを取り巻く大 ....
月乃助さんの自由詩おすすめリスト(2519)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
月の力を信じている- 村上 和自由詩213-5-24
五月とトカレフ- 一尾自由詩413-5-24
記憶- 壮佑自由詩25*13-5-23
【緑】こころ域_- るるりら自由詩14*13-5-23
食欲- 夏美かを ...自由詩24*13-5-23
【緑化帯】_詩人サークル「群青」五月のお題「緑」から- そらの珊 ...自由詩26*13-5-21
わたしは- 莉音自由詩2*13-5-18
文明- 夏川ゆう自由詩313-5-18
脱皮- 朧月自由詩913-5-18
便り- salco自由詩29*13-5-16
- 梅昆布茶自由詩613-5-16
北の亡者/Again_2013皐月- たま自由詩35*13-5-14
えんじゅとアカシア- はるな自由詩1813-5-11
順番- 夏美かを ...自由詩24*13-5-11
六月の魚- はるな自由詩413-5-5
ブルーシートな僕ら- ……とあ ...自由詩9*13-5-4
八重の優しさ- 夏美かを ...自由詩34*13-5-4
コード2- ……とあ ...自由詩10*13-4-26
中庭のある小学校で- 夏美かを ...自由詩26*13-4-24
ルピナス- Lucy自由詩27*13-4-9
無題- 砧 和日自由詩413-4-9
壁の穴- ……とあ ...自由詩11*13-4-8
百年前- はるな自由詩513-4-7
微笑む白い女性- きみのて ...自由詩213-3-29
出来れば四月一日に死にたいという男の話- ……とあ ...自由詩12*13-3-29
Nowhere- Mélodie自由詩413-3-29
サクラブルー- 佐野権太自由詩6*13-3-28
ひかりつなぐとき- Mélodie自由詩413-3-28
文脈- そらの珊 ...自由詩17*13-3-27
祭りの前- ……とあ ...自由詩10*13-3-25

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