すべてのおすすめ
小さな後悔を
ひとつずつ折りたたみながら
冷たい雨の中を歩く

しつこい雨音を
ことごとく無視しながら
答えをクシャクシャに丸める

痩せた街路樹は
桜並木になろうとして
つれ ....
ひらゆらと青いてふが飛んでいる

重なるように紫のてふも飛んでいる

白いのも黄色いのも黒いのも飛んでいる

昏い夜空に交わらないように

自分たちの屈折率を守っている

腐心 乱 ....
おれ猫好き

猫無表情

猫したり顔
猫困り顔
猫泣き顔
猫笑い顔
猫怒り顔
猫脅し顔
猫そのまんま

咬む猫
吠える猫
眠る猫

そっぽ向く猫
ふとる猫
何かした ....
明け方
白い目で
青空の夢を見ている

夕日が沈む頃は
終わりの見えない草むらに
黄色いブロックを置いて
隙間なく並べていく
毎日ひとつずつ
繰り返しては
あっちの砂漠で焼かれない ....
 
 
ささやきが切符になる
私は列車に乗ることを許される
植物の蔓などでできた
自動の改札を抜ける
切符に自分が記録される
ホームへと続く階段を上る
一度も下ったことなどないのに
 ....
所長最後の日、社長がカタヤマとともに営業所にやって来た
社長はユキオの髪型を見て
おっ、こころを入れ替えてがんばってるんだなあ、
と言って顔をほころばせた
社長と所長とユキオで主要なお客様を回 ....
人魚が落とした真珠のピアス
水の都の旅人を
沈む陽が遠く海を染めるまで
静かな寂しさに導いてくれる

遠い日の面影だけ映して
消えた貴女を追いかける
黒く塗られた渡し船は
揺れる水面の ....
電車ではなく車で高松に向かった
ユキオは営業所の2階に暮らすことになり営業車を私用車として使うことが許可され実家に帰る際の高速代も会社が持ってくれるとのことだった

営業所の所長はカタヤマがはじ ....
退屈という時間を抹殺したい
エナメル線に火をつける
行きつく先は爆発だが爆発の恐怖を忘れている
錠剤が、錠剤があれば大地震も大丈夫

(あのね、良い詩を書くときは服用をさぼるの)

錯乱 ....
双児の肉片を
野良猫が咥え
片鱗に花を咲かせて
モリアオガエルを
抱き寄せる

ふと夜空に顔を上げて
星の瞬きを見つめても
あなたは落ちてこない

赤が赤があることに
素直に頷け ....
お客様をもっと回れ、6時まで帰ってくるな、という会社の指示通り、ユキオは6時きっかりに帰社した
倉庫をぬけて2階のフロアへの階段をあがりながら、きょうはやけにタバコくせえな、その階段の雰囲気でその日 ....
今まで歩いて来た道の途中に
弱くなってきた自分がいる
山を越えてしまえば忘れてしまうはずなのに
心の中に悔いが積もり積もってしまい
泣けてくるのはなぜだろう。



音はしないが空気の ....
肉に噛みつく
糸になり分裂する筋肉
絡め取る舌が捲るあからさまの白い現
尚も残る塩味の皮脂が依存症を掻き立てる

進め、進め、白い刃
開く、開く、咽喉のブラックホール

カチンと何かに ....
心はいつも溢れる洪水の岸にあるけれど
この身は独りモロッコの砂丘にある。

鳥が落とした棒切れを拾い上げ
星形の砂漠に
蜘蛛と猿の地上絵を描く。

砂紋を横切るように
てんてんと残 ....
{引用=
冷たいコールタールに沈んで
薄い唇を堅く閉ざせば
沈黙が真実さえも無に返して
上辺を撫でる風には奪うことができない
追憶の時間を抱き締めている

強張らせた体が化石になって
 ....
春の水っぽい匂いがユキオにはなんだか他人事のようだった
グシャグシャにつぶされた空き缶が朝の風に音を立てた
ユキオはそれを視界に入れないようにして会社へと急いだ

いつもより会社の朝はそわそわ ....
きのうの満月を空に探すのを忘れていた

期末が三月なので売上のサキヨミとその検証、P/Lのシミュレーションなどでこんな時間になっていた
クルマから出ると春の夜の匂いがした
涼やかな水っぽい匂い ....
今日の夕食は、牛のステーキだった
レアにしろ、ミディアムにしろ
それはもう食べ物にしか見えなかった
それはほんの少し、葡萄畑の匂いがした
僕達は一瞬だけ、目一杯の緑
風を感じてしまったのだ
 ....
太陽の下で、町には向日葵が咲き乱れていた。

待望の赤ん坊は、女の子だった。
腕のなかに眠る小さな娘をみて
母親は待ち望んだ願いがついに叶えられたことを知った。

夫は、妻である母親を顧み ....
     俯いている
  
     苛立ちはこころを駆け
     涙は机に下垂る

     ー愛に育まれた女たちは
      夜は眠る時間だと
      知っているから
   ....
喧噪の夢がわたしを包む
喧噪は連鎖になりわたしをぐるぐる取り囲む
もはや出口はない
頭に白い注射器を射し込み連鎖を中和させる
軈て霧が訪れ眠りへと誘う

太陽が瞼を撫で
眠りから醒めても ....
葛城山の一言主神は

悪事(まがごと)も一言、善事(よごと)も一言
言い離(はな)つ

葛城山の一言主は
若建(わかたける)※1の
悪事(まがごと)一つ糾せなかった。

葛城のウカラ ....
ぼくの膀胱は破裂した ― アァー

皮膚を一枚、一枚、めくれば
ぼくは透明になれるだろうか

空気のように透明で
軽やかな風になれるだろうか

もし空が割れて 真昼の破片が
降ってき ....
ラッパ鳥のダンス
応える相手のない
悲しい求愛のダンス

ふさがれたふたつの耳孔の奥では
季節のほとんどが熱帯の雨に閉ざされている

光る螺旋を降る
大気は息苦しく湿ったままで
密林 ....
ぼくの偶然にきみがつながる

きみの必然にぼくがつながる

ねえ、だれか、教えてくれよ


行為の河ははんぶんに出来るの?

海ってほんとうに存在してるの?

こんなぼくできみを ....
 
 
明日晴れたらさ
勝浦に行こうかな
仕事なんて休んじゃってさ
海が見えるよ
朝市だってあるよ
そんな時間には
着かないかもしれないけれど

外房線に乗るんだ
上総一ノ宮行き ....
母が愛用していた足踏みミシンは
居間の隅っこを定位置にしていた
毎日使っていたわけではないが
学校で雑巾を持って来いなんて言われると
その夜はかたかたと音を立てていた


ミシンは
物 ....
道端に転がる言葉だって

拾い集めれば

心響く魔法になる

ありふれた言葉だって

心がこもれば

心に残る力になる

頑張った時の失敗も

諦めていなければ

その ....
僕は今、月のパルス・エピデミアルム、病の沼に来ている

病の沼なんて、とても不吉な感じの地名だけど。

ここは月ではずいぶん南の地方になる

僕の銀色の船はこの病の沼の北西部、
 ....
  

深海魚の朝
濃くなる陽射しが
少年とベッドとの境界線を
徐々に明確にしていく
窓を開けると
雨上がりの観覧車と
同じ匂いがする
生まれてくる場所を
間違えたわけではないと思 ....
月乃助さんの自由詩おすすめリスト(2519)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
桜前線- nonya自由詩15*10-3-6
僕の世界は、はかなくもくずれた- within自由詩3*10-3-5
うちの猫- ……とあ ...自由詩7*10-3-5
うっとりする- 佐藤真夏自由詩6*10-3-5
ほころび- たもつ自由詩610-3-4
蛇つかい来たる- 吉岡ペペ ...自由詩410-3-4
ゴンドラ乗りのセレナーデ- 楽恵自由詩1310-3-4
蛇つかいうごく- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-4
『破壊遊び』- あおい満 ...自由詩4*10-3-4
イメージ・散乱- within自由詩6*10-3-4
蛇つかいのはじまり- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-4
しんどう- ……とあ ...自由詩5*10-3-3
『骨を喰らう』- あおい満 ...自由詩2*10-3-3
チェビ砂丘- 楽恵自由詩1010-3-3
Babylon- 高梁サト ...自由詩9*10-3-3
蛇つかいたちの行進- 吉岡ペペ ...自由詩410-3-3
三月の夜- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-3
食卓で泣いた日- 瑠王自由詩12*10-3-2
Mother,_Wife,_Sister,_Daughter- 楽恵自由詩8*10-3-2
俯いて- 鵜飼千代 ...自由詩22*10-3-2
『喧噪の連鎖』- あおい満 ...自由詩5*10-3-2
一言主- ……とあ ...自由詩5*10-3-2
真昼- within自由詩5*10-3-2
セルバの雨- 楽恵自由詩810-3-2
偶然のにぶんのいち- 吉岡ペペ ...自由詩510-3-1
勝浦- たもつ自由詩1110-3-1
ミシン- あ。自由詩8*10-3-1
メロディ- ☆くるみ ...自由詩310-3-1
月面航海記(病の沼)- 楽恵自由詩610-2-28
朝の場所- たもつ自由詩8*10-2-28

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