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爽やかな初夏の朝
コーヒーショップの窓の外では
スズメ達が噴水に集まって
小さな翼をシャンプーしている
音大行きのバス乗り場では
客はバスの屋上に梯子で登り
ピアノを楽譜初見で弾かない ....
その場所へは、けして女たちは近づけなかった
淫らな忌避の場所をひらいて渡来のひとのごとく片足を立て、
障子戸からこぼれた露わな月日に焼けて黒ばんだ太い柱に背を凭れ
毛深き勇者は衆道の男ど ....
○の神様いてくれる
あたりを見回せ
世界は○であふれてる
休み場所は○だから
あたりを見回せ
みんなのぼくは○になる
○になれなくてごめんなさい
みんな○ ....
風がその日選んだ道は右だったので
程よい南風がその町を包んだ
路地裏にも行き渡り
仔猫が鳴いた
夜になって風も眠りたくて
考えて、左行きを寝床とすることにした
北向きの部屋が風を受け
....
全部一方通行だと知っていれば
大人しく回り道ができるのだろう
知らない道は
いきあたるまで前しかみえない
後悔するのは
戻ることじゃなくて
遅れることなんだよなあ
競争してし ....
ある場所で
点、として生じた光りが
わずかな距離を移動して
塵となる
それを一生という
かきあつめたもの
握りしめたもの
すべて消滅してしまう
けれども
細い雨のあとの
植 ....
{引用=悪いことして、理くつくっつける人間は、用心しなきゃなんねえぞ。
理くつさこいてやってくる奴あ、用心しなきゃなんねえ。
「ひかりごけ」武田泰淳} ....
見上げた
遠い青は
海のものなのか
空のものなのか
わからない
そもそも
ここは海なのか
それさえも
忘れてしまった
浮上する
どこを
目指して
まとわ ....
森の奥から届いた一葉の招待状
どうぞ自由な服装でお越しください。
おみやげはいりません。
おかねもいりません。
ハンコもいりません。
名刺もいりません。
た ....
夜中、雨音で目が覚める
キッチンテーブルで煙草を一本吸う
暗闇にたちのぼる煙に
一匹の黒い魚が遡ていく
勇ましいその魚影は
たぶんマラッカ海峡で
海賊たちと渡り合い
インド洋に出て行くの ....
ほどよく生きる 風にまかせて
古木のように悠然と大地に根を深くはりめぐらせて生きれたら
若木のようにしなやかにすっくりと空をめがけて伸びれたら
どんなに素敵なことだろう
でもいまの自分のう ....
狩りは かかとで 踏んでから
継ぎ足す糸屑 齢にかけて
後の視 留守居に 枯草つむ風
狩りは 掛かりに 放らして
かりは かかとで ふみえ みち
あさのは ゆめのき なきわ こるいし ....
さよなら、夜。
深い青の温度。
さよなら、町。
深い霧の色。
さよなら、寂寥。
深い深い夢の後で。
僕はゆっくりと泳いで抜け出す。
定価一万円の服を買った日
これはよそ行き様と決めて週に一度
着ることを安らぎとしている。。
○春は、リボンのカットソー
○夏は、麦わらのカンカン帽
○秋は、大判のストール ....
簾越しに夏の太陽
舗装されていない通りの先
木造の橋をトコトコ渡る
爺一人
手ぬぐいを首に巻き
麦わら帽
やぁと挙げた掌に
いくらか赤みを帯びた顔の皺
....
白いおまもりのはいったふうとうのふうを
ひとつひとつほどいていったひろさの中で
ひだり目は茶色みぎ目は薄緑のわかくさ色の
スカートの正座の少女の音読はささやきのさざなみの
ひざがしらからはじま ....
何にも手につかない昼下がり
いたずらに伸びた髪をくくって
裸の目には世界は曖昧にしか見えない
外から支配する微熱が
指先から内側へ忍び込んで
たまらなく逃げ出したくなるから
足元で丸くなる ....
これ以上なにを見れば
生きていることになるのか
体じゅうに種を植えた
女が泣きながら踊っている
多孔質の美しさが祇園精舎の鐘の声とともにさも永久不変なものと対峙するように
赤い舌を震わせ懸命に【au】の発音を試みては痛々しい失敗を繰り返した
だがそれは抗不安薬による副作用に違いなかった
....
職場をいちばん最後に出て
終電間際の電車を降りて
昨日と明日のあわいを歩いていた
街道沿い
歩道の隅
長い手足をきゅっと折り畳んで
体育座りでそこに居たんだ
白い ....
ある日クローゼットを開けると
床の上に散らばったネクタイの塊が
視界に飛び込んできた
どうしたものか…?と一瞬迷ったが、
とりあえずそのまま扉を閉めた
数日経って再びクローゼットを開ける ....
踏切の横の空き地は草ぼうぼう
傾いた陽光が
影と日なたに草はらを分ける
通り抜けるものの風圧と
しつこい音の点滅にせかされ
ひとあし 踏み出そうとする
幼時の一瞬に接続しそうな時間の震 ....
以下の方がこの文書を良いと認めました
-大豆
-ウォルス
-詩人F
宇宙人の好物がお好み焼きとは
知りませんでした。
-ドメガザウルス
-レントゲン太郎
私も学生時代に ....
130528
大使は
河辺駅で
降りた
突然の雨に慌てる随行する大使館員たちを無視するかのように
....
ゴジラに破壊された街
昨日人が往き来した街
昨日車が往き来した街
昨日喧噪と怒号の街
昨日軍が往き来した街
昨日ゴジラが破壊した街
ゴジラが去って何も無い
人もいなければ ....
静かな光 白を昇り
ひとつ喰らい
迷いを喰らい
明け方に降る 音を歩き
骨の曇の重なりの
はざまのはざまのはざまから
煙と霞のまじわりが
遠い遠い氷を照らす
....
宇宙人みたいな顔のやつがTVに出ている
どのチャンネルに変えても、
出てくるのは宇宙人みたいな顔のやつばかりだ
そして久しぶりに街に出ると、
高級ファッションで身を固めた
超ド派手な宇宙 ....
ぼくはサイゴンの中央広場で公開処刑を視た
ベルリンの壁が崩壊する前の年にポーランドを訪れ
クラクフからトラバントのタクシーで3時間余り掛かる
アウシュビッツ=ビルケナウ絶滅収容所にも赴いた
....
いやあね、なんて こどものときには 滑稽で
できなかった 世間話のあと。
誰にもないしょで
ふわふわと風に揺れ 儚げな 白地にうすみどり小花模様のスカートを
勇ましくひるがえし
木に登る ....
小3の時お袋が内職の金で
買ってくれた少年向きの一冊の本
読み始めたら辞められなくなった本
高校性になってからそれが
コーネル・ウールリッチの
《黒衣の花嫁》だと知る
お袋は僕のい ....
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