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また新しい朝をもらって
水をやりすぎても花は枯れ
日照り続きでも花は枯れる
足跡を残すために砂浜はあり
足跡を消すために波が追いかけてくる
有る ということについて
猫の前足の ....
今宵も蒼い月が昇る
私はそんな蒼い月が好きだ
不思議と自分が開放されていく気分だ。
貴方がくれたサファイが綺麗に光ってる
そう、この蒼い月に照らされて
今宵私を誘って欲し ....
標を砕いた
白い轍を
船が昇る
すぐに
消えてゆく
光の棘や 岩の双六
花でも羽でも在る息の
葉ひとつ分にそよぐ場所
乗るものもない交響
川を下り 雨 ....
出口があまりに白過ぎて
産道の途中で立ちすくむ
心細さに
両手に暗闇をひとつずつ握りしめた
行く宛のないいのちはやがて
小さなひと型になって二本足で歩く
発達した耳に語りかける ....
夏の始まり
山へ向かって
坂を駆け上がり
坂の上の神社から
振りかえった僕の目の前には
静かな港の防波堤の内側
鏡のような水面が見え
防波堤の外側には大きな青い海が広がる
水平線に見え ....
ドクドクと湧いてくる闇
一人鏡を見つめながら
その闇を見つめる。
遠い記憶
蘇る日常
迫り来る闇
どうして一人・・・・
あなたは助けてくれない
深い闇がどんどん私に ....
わたしは
時々
星になる
星になって
{ルビ盲=めしい}の
黒蜥蜴の歩む道を
照らしたいと思う
わたしは
時々
風になる
風になって
見えないけれど
触れることを
証明し ....
向き合った途端、一瞬たじろいでしまった
あまりにも真っ直ぐに見つめられて
ファインダー越しに覗いた
淡いピンクの大輪
千重咲きの奥に守られている花芯は
何か語りた気に
唇をうすくほ ....
俺は莫迦話をしたい
とても大変な時期に莫迦話をしたい
とにかく莫迦話をしたい
切迫感の中で莫迦話をしたい
どんなに偉そうなことを言っても自分のことしか話せない人と莫迦話をしたい
他人のこ ....
明日がやってくる
道すじに
サァァ、サァァァ……と
雨が降る
──誰も寝てはならぬ
けれど
そのうち
雨だれのアリアを
聴きながら
いつのまにか睡ってしまう
今日に
....
泣くことに努力はいらない
笑うことにも
泣かないことにも
努力は必要だ
雨がふったといっては
泣いているかえるのように
ほんのりうれしさをまじらせながら
女のなみだは
意味がな ....
宇宙に拡散された水滴の表面張力に支持された塵芥
大きなものは大陸その千切れた微小な島嶼程もあり
十分に人類の生存するスペースたりうるが
ごく僅かな身震いに過剰に反応する塵芥達
化学反応を起 ....
小さな花が
音も無く咲くとき
小さいなりの輝きがあるだろう
太陽は
惜しみなく笑顔を贈るだろう
私たちは
知っている
どんな花も魂をゆさぶると
小さい花は
小さいことを
....
71
右手に吹いた風が
左手に届く
200CCの献血
等級の低い列車で
ここまで来た
会議が始まる
72
プラスチックの空
消し忘れた電線の跡
眠るだけ眠ると ....
客車の窓から外を見て
景色が後ろへ飛んで行く
しゅっしゅらしゅっしゅ
しゅらしゅっしゅっしゅ
山は青から朱に変わり、
不気味な道が這い回る。
しゅっしゅらしゅっしゅ
しゅ ....
その硝子の破片は湖の水面のようにきらきらと輝いて
わたしは一瞬夢かと思った
けれどその硝子の破片はわたしに降りかかり皮膚を傷付けた
生温かいものが体内から流れ出し
わた ....
おかあさん とか
ありがとう とか
大事な言葉は五文字です
さようなら も
でもそれに乗りたくないから
さ よ な ら って
短くしてみます
ら の音にかぶせて
雨の音がし ....
{画像=120624184853.jpg}
突然の雨に読みかけの新聞を掲げ
歩き出すと
ポタポタ
新聞紙に残る雨痕は
不思議に一定方向に跳ねが伸びて
跳んで
僕は誘われて歩いて行 ....
ゆきちゃんは あさ
かさをさし 長靴をはいて
雨のなかの花にあいさつする
話しかける
おじぎをする
おはよう さようなら
きょうなにたべるってたずねている
....
おまんま喰わせてあげると
嘘吐いて 漸く手に入れた
幸せの砂
砂の重みは一人分
風に吹かれてさらさらさらさら
綺麗なべべ着せてあげると
嘘吐いて 漸く手に入れた
幸せの砂
....
愛する雨 自由を解釈させる雨
掘り下げても 憂鬱になんてさせない 自由を解釈させる
愛する雨
問えない芸術が化けてる細胞の核
幸い瞬きに 遅いと感じる瞳
愛する雨 物語 ....
告白したら、わたしメカなの、と、ふられた、前向きにとらえて、体操服を盗むとエージェントがやってきて消されるから考えなおせ、と、いうことだろう、笑顔、汗ではりついた前髪のすきまから数字がのぞいている、な ....
百葉箱に住んでいた校長先生が
退職することとなった
わたしたちはそれを寂しいことと思い
お別れの言葉と
鯖を送ったのだった
美味しい鯖ですね、と
校長先生は美味しそうに食べ ....
誰かを振り向かせる力が
備わっていない
不用意に聞こえて来る
子供の泣き声や
小鳥のさえずりにも
存在は名ばかりで意地悪なほど
手が届かないからこそ ....
ネオン輝く夜の街
路地裏の狭い石畳に
今宵も漂い辿り着く
淡いランプに浮かび上がる
[遠い昔のバー]の扉(ドア)
ここは[遠い昔のバー]の中
スツールに掛け、手をふいて
まずは一 ....
冬の雪夜を仕舞っている
夏の波濤を想っている
儚い薄い殻の外
ひとむれの皐月の襤褸
うぐいす色の花粉を肢に
マルハナバチ
咲き残りの蜜を尋ねて回る
それも昨日のピリカの国へ
曇天の ....
霊安室に母が椅子を並べている
「みんな死んだのよ」
いつこの仕事に就いたのだろう
死んだ体を扱うように
丁寧な手つきで並べていく
手伝おうとすると
「いいのよ、毎日、お仕事、 ....
夢ならさめないで
少し肌寒い朝に
ほうりだされたみたいな
いかなきゃいけない気分は
背後の太陽のように熱い
だれかがだれかの
噂をしている
その中で知らないふりはむずかしい
....
雨の降る隙間に
がんじ搦めの自分の昨日を見ながら
傘を差して歩いてゆく
良いことなど無く稼ぎは
全て税金か家賃
それと借金の返済
食事代など手元には残らず
それでも生きてゆける
....
うぐいすの
鳴く小道を抜けて
老人ホームへむかいます
やさしいばかりでないひとは
同じに小さく座ってる
時になやみ
時にわらい
いとなみはしずかにかわりなく
うぐいすが
鳴か ....
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