すべてのおすすめ
かたく凍った夢を砕いて
画用紙に宇宙を描いて暴れだす
果てのない星々の海は瞬き、
チビけた鉛筆が一本
煌く銀河を縦横無断に奔る
つめたく凍った言葉を融かして
原稿用紙に文字を紡いで ....
君の誕生日に大長編をあげたい
大きく包んであげたい
消化にむかわなくていい
たこの吸盤はいたみだ
きみの目がみえない
僕が丹精こめてつくった
きみどり色したまめつぶ程度のふうせんを ....
01
図書館にパンが落ちていたので男は拾って食べたのだが、それはパンではなくムカデの足だった。
02
図書館の大砂漠で遭難した司書は一週間後に救助され、その翌年には大統領になった ....
また、嘘をつきました。
嫌なことから逃げました。
馬鹿みたいで、
情けなくて、
申し訳なくて。
何やってんだろ...って
思う時にはもう過ぎていて。
ほら ....
古き良き時代
いじめのない
僕は平気
モンブランのように甘い
ミナシゴハッチ
お兄ちゃんは
証券マン
妻子持ち
愛に餓えている
人に好かれる
人と話すのは疲れる
気を使っ ....
僕は僕の皮を剥いてゆく
そろり そろり
痛くしないように ゆっくりと
不安 欺瞞 恍惚
嘘に包まれた僕を ゆっくりと剥いでゆく
随分痩せっぽちだったのに 今じゃメタボリ ....
*
抽象をなぞる指先が、無色透明な肌に存在だけを記して
昨日の空に溶けて行く、輪廻を正しく辿って行けば
全ての人の記憶は一つになると
ついさっき、知りました。
だから、君の香りはどこか懐かしいのだ ....
それぞれの速さで歩む人の群れ
その何割が自分の速さでであるいていて
その何割が他人の速さに合わせているのだろうか
僕が生きている内にすれちがった人は
世界のの人口の大体何%かな ....
前髪を切った
雨上がり
庭先でミツバチと出会う
胡瓜の黄色い花にモンシロチョウが舞う
土の匂いが肺の奥まで届くようだった
見上げれば空が雲と調和して
すべてを見わたしていた ....
あらかじめ堕胎された革命の
水面にたわむれる残像
指先につまむことのできる
計測不能なオーピアムの胞子たち
溺れながら夢を見る
草原を走る深夜の列車の窓
音楽はいつもきまって理不尽
090624
行人偏と禾編がケンカして
別れた
離婚したのではなくて
別居しただけだと
読者を
隣人を
父を
母を
弟を
叔父を
....
きっと
この世のすべては
過程なのよ
肩の力も必要さ
誤解は和解のために
平衡は無限遠点で交わる
ユークリッドなんて大嫌い
幾何学に愛を
未 ....
月に酔う
目眩く色彩など
有るはずも無く
耀く孤高は闇に聳える
見えるものは虚飾しかなく
光の実存その存在を知らず
色彩のみが色なのか
概念を破壊せよ ....
5歳の僕は風の中にいた。
底の町から吹く風は暖かかったが、
上の町から吹く風は冷たかった。
底の町から吹く風を顔面に受け止めて
膨らんでゆくと
僕は虫になって舞い上がった。
谷の反 ....
骨の折れたもの
きつく縛られ 置き去りにされたもの
腕に 鞄に
ぶらさがった憂鬱の蝙蝠
その時を待つ核弾頭のように
危うく 厳かに
潜んでいるフック船長
....
090622
銀ヤンマを食べる
鬼ヤンマを睨む
怖い顔をした男が
車に跳ねられて
怪我をして
病院に運ばれた
怖いから
跳ねられ ....
人は誰だって
夢を見ている
それが明日叶えられる夢だって
遠くて遠くて100年経っても
叶えられない夢だって
きっと幼い少年少女のように
夢を描いているんだ
でもその夢が ....
父のベッドのところまで
凪いだ海がきている
今日は蒸し暑い、と言って
父はむくんだ足を
海に浸して涼んでいる
僕は波打ち際で遊ぶ
水をばしゃばしゃとやって
必死になって遊 ....
分かち合うことが
人と人との繋がりならば
いずれにせよその繋がりは
細い糸の様な物であろう
ヒステリックな世界の背景は
いつしかアメーバによって
浸食されていく
....
ねぇ
そのひんやりした床に
目を閉じて
耳をあててみて?
高速で道路を走り抜ける車が
ささやかに笑い合う地下水が
優しい歩調で歩いているあの人が
おしゃべりしながら列を成す蟻 ....
いいたくても
言えなかった言葉
心の中じゃ
100回だって言えるのに
いざとなると
喉の手前まできて
声にならなくなってしまう
伝えなきゃって思うのに
心を通わせる一歩手前で
目をふ ....
くるおしいと泣きながら
少女はおんなを殺した
触れていたいと叫びながら
汚した手を嫌った
繰り返した言葉を呪い
耳を塞いだ
くるしいくるしいと心が軋んで
去りゆく少 ....
ポケットの中にビスケットがひとつある
これを叩くと二枚に割れてラッキーだが
ポケットの中に入れたまま叩き割るという方法は
ポケット内にビスケット屑が散らばるという難点があり
また均一な大きさに ....
嘘を3枚出して
幸福を200g買って
涙のおつりを受け取った
涙のおつりを出して
愛を2個買って
嘘のレシートを捻り潰した
綺麗事を繰り出して
涙のおつりを買おうとしたら
....
梅雨の中休み
夏に急かされることもなく
冷房の効いた部屋で
午睡に委ねようかと欠伸をする
いつもよりほんの数ニュートンだけ重力が大きくて
明日また雨雲が訪れたなら
雨粒の重みで紫陽花の ....
まちのすき間や
料理のかくし味や
音楽のうらがわに
そして、こころのどこかのしょっぱい海に
古ぼけた教室のような空間があって
気まぐれにドアがひらけば
そこには、
だいすきな人たちと ....
虎と少女が愛しあってはいけないのでしょうか
虎と少女が旅をする物語 なんて素敵でしょう
虎と少女が寝食を共にするなんて
そう思いませんか?
愛とは何でしょう
虎は愛を ....
かげろうみたいに揺れていた
道端に咲く花の名前を知らなかった
うつむきながら歩くのは
暑いからではなくて
探しものをしているから
交差点で泣いている少女を見かけた
優しい言葉をかけ ....
椅子に残された影を抱いて
私は目をつむる
もうにおいもなくて
人間くさい欲望に弱いところも感じられない
こうやって私の中でのあなたの存在が消えていくのを感じる
思い出が消えていく ....
僕はためらっている
この線を踏み越えれば
新たな自由と新しいルールが
一塊の石礫ほどの重みとともに
待っている
逃走の線からも逃れ
逸脱を繰り返し
棄てられるものは全て棄て
も ....
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