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きみから
ありがとうという言葉を聞いた事がなかった
すみませんという言葉しか出てこなかった
それは感謝の言葉ではないんだ
君からは何ももらわなかった無表情なその平凡な佇まいは
拒絶や ....
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とっても小さな赤裸
ちいさくおおきい命だよ
十日で立派に毛も生えた
おめめはまだまだ閉じたまま
けれどもきちんと判るのだ
....
雪なんて当たり前だった幼い頃
道南の辺境で借家の玄関の硝子戸を開ければ
一階はすべて雪の壁だったこと
なにせ長万部が唯一町の体裁をそなえたようなところで
物流の届かない ....
雨は校庭にアマゾン川をつくる
午後の授業は眠たい
窓越しに校庭を見下ろす
あれはきっとアフリカ大陸
あれはきっとオーストラリア
あの川にはピラニアが泳いでいる
友達がいないから
わざ ....
詩を読んで
その作者に惚れるってのは
よくある話だ
その次元では
見た目なんかは屁でもない
彼及び彼女の精神性に惹かれる
のであって
風貌が山下清似だろうが
なんだろうが構わない
....
会社の発送所に荷物がいっぱいでフォークリフトも空いてないし
積むのを諦めて明日にまわす
帰りにブックオフによって金魚屋古書店のコミックを買った
105円のコーナーだからきわめて安上がりなクリ ....
おそらく僕の知らない
無数のははがいたのだろうと思う
まあ今も昔も聞いたってこたえないだろうが
母の遺品を整理している
書道用具
浦和のなんとか堂とかいうところで購入した
....
僕はだれにもあいたくはなかった
きみいがいのだれにも
僕にはうたさえなかった
でもちんもくにもたえきれずに
ことばをさがしていた
絶望なんてぜいたくななやみだった
くうきょよりはま ....
座礁した船に乗っている
船は岩に乗り上げて
じわじわと水も浸食してきている
私は生と死を同時に思う
におい
においが違う
磯のにおいと共に
「喰われ ....
月曜日が休みになった
連休などありえない流通業で日曜の休日も
夕方は次の日の積み込みに時間を割かれる
小学校と中学校の転入手続きが残っているのだが
嫁さんとの勤務シフトがあわない
ま ....
張り詰めたもの
鋭く一文字に空間を切り開く
切ないもの
鬱々とした恋の綱渡り
儚いものばっかりを見てはいけないのだけれど
儚さばかりが心のよすがだった
国家が機能しない病気の国 ....
女性の小鼻の
毛穴の黒ずみを見ると
むしょうに取りたくなって
下手をすると
電車でこっくりこっくりしてる
30代OL風に
いきなり襲いかかってしまいそうになる
自分が怖くて
催眠療法を ....
友に大切にされるには、つぎの三つの心が大切だ。
・俺が、俺が、と自慢しない心。
・虚勢を張らない心。
・意地悪をしない心。
友に惜しまれ、友に励まされる人間であるためには、真面 ....
たいそうなこと ではなくて
そう
立派な家庭とか
何不自由ない暮らしとか
そういうのが望ってわけじゃなくて
だけど
憧れってのはあるわけで
現実は
ただ
どうにかやってま ....
猫は一日
ひがな一日丸くなり
日だまりの中で丸くなり
屋根の上で丸くなり
塀の縁でも丸くなり
玄関口で丸くなり
自動車の下でも丸くなり、
部屋の温もりに丸くなり
タンスの上で丸くな ....
制服は重かった
着る理由も教えられないまま
私たちはだれもが脱げなかった
なにかというと並ばされた
振り向いて
目があうことがこわくて
ホントウノコトがほしくてたまらなかった
大 ....
コスモスが道をふさぐ
迷っている私をみすかすように
濡れたコスモスが
ふれて冷たい
いかなくちゃ
そうおもうときほど
いかなくてすむ方法を
想ったりする
大人になるって
迷わ ....
白いシャツを通して
浮かんだ
乳と
輪の文字
過敏な塔の
周辺にある鮮やかな
花畑に踏み込むには
さむイボという名の
いくつもの棘を
通過せねばならなかった
プール上が ....
人を
ただしい場面で
ただしい順序で
ただしい角度に
揺すると
泣く
そのただしさを
習得することを
愛とか技とか
呼ぶ人びとを
軽蔑し
憎んでいるわたしも
ただしい角 ....
ズッキーニ、セロリ、ピーマン、トマト、玉葱、茄子、コンビーフ、ローリエ、カレー粉、しょうが、サワークリーム、レモン、
ぼくの体力、
ズッキーニ、セロリ、ピーマン、トマト、玉葱、茄子、コンビ ....
君を殺してしまいたい
こんなに恋が苦しいのなら
心で心を傷つけあって
君を殺めてしまいたい
もう好きにならないように
もう好きになれないように
でも君を殺してしまえるほど
私は君が嫌いじ ....
ありあわせのもので生きてゆく
冷蔵庫のなかにはあるいはいえのなかには
備蓄したもののない
こってりとした愛とか
ささくれだった笑いとか
スパイスをきかしたつもりの人造サラダ
気 ....
河田町のランチ時
ショートカットの急坂を
曙橋へと下りる時
おとこ社員を従えて
登って来たのはお地味なあの顔
あべちよ
羽織ったカーデのあいだから
堂々お山の五合目見せて
やっぱ露出度 ....
あなたの言葉が わかんない つまんない
そんなんもわからへんのかとか
もっと、つまんない
ねむる人から
わずかに死がにおっている
うなじにくちびるをつけ
愛してやると
その背中に
にじむように命が動いている
ねむる人よ
安らかに
いまは死のふちをなぞっておいで
寄り添う水辺に浸る足
、に滴る息の音は
夏を告げながら秋に向かう
しぃんと耳をつんざく
その水達は
形成されることを恐れて
最後まで泳ぎ続ける、けれど
蛇口を捻れば、汚染され ....
ヒロシマにはたくさんの暑いがあって
たくさんの雲がながれて
たくさんの橋がある 。
たくさんの足音がビルに響き
人々はべつに重苦しくもない電車を今日も走らせる 。
雑草は ....
肩すぼめて
背中丸めて
でも 指先だけは
常に軽やかに踊らせて…
そんなにいつも
誰かと繋がっていたいの?
アドレス帳には200人
このうちの何人と
本当に繋がっているの?
電車 ....
昼下がりのファミレス
奥まったテーブル席
初老の婦人が
ぽつんと一人
一人 ナポリタンの遅い昼食
ゆっくりと彼女は
飲み放題のコーヒーを
啜る
そして 静かな店内に目をやる
....
僕たちの隙間を埋めるもの
呼吸という反抗
理性という堕落
そしてしなやかな悪意
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