例えこの世界が嘘だとしても
私の頬を包んだ
貴方の手の温もりは
真実だと泣いた
波が打ち寄せる岸壁に
叫んだ
私の人生は終わりだと
何故貴方達は言うのか
自らの人生でさえ
危うい ....
夏でもないのに
帰り道
アップルシャーベットを
ほおばりながら
ちゃりんここいで
すってんころりん
あっちゃもこっちゃも
傷だらけ
青たんできて
アイスはとけて
どろど ....
冷えた氷の一片が
熱く手のひらを突き刺す
待つことを乞うように
力一杯握りしめると
氷の時間が止まる
氷のなかにあるものは霧と雲
そのなかにわたしの足跡はない
どんなに熱を残 ....
十月さいごの日だまりが
ぼくらに光を継いでゆく
風のしたで悲しみをかまえ
いちばん好きな他人を失う
恋人の不実をまえにして
ぼくは悪くなかったのか
神様、怒って ....
横長の陽射し
オレンジ
リビングに
果実むく手と濃淡つくる
蜜みたい
トランペットの音のびる
指ですくって
夕焼け、とろろ
朱をぼかし
うすもも塗って
金散らし ....
・
十月も末になるとパソコンが
鼻をすするような音を立てながら起動するようになる
動作もどことなく鈍くて
悲しいつらい気持ち悪い
という類の言葉は迅速に変換されるのに
楽しい嬉しい気持ちい ....
家を出て
知らない町にやって来た
秋の雲はうすっぺらなんだと
空気の軽さに
気が付いた
やっと
上を見ることが出来たんだ
さようなら
ありがとう
あなたと過ごした季節は
....
僕には
人生の目的が分からない
人生をどう生きていいのか 分からない。
もう人生は冬の時期に入ろうとしている。
でも僕は 虹の彼方に
きっと幸せがアルト信じている。
IZことイズラ ....
分からないままに歩き続ける
たどり着く場所なんて知らない
まして此処が何処かなんて
想い描く余裕もないから
ただ流されるがままに
諦めて誤魔化して色褪せていく
その世界を壊せばよい ....
091027
偶然が
囁くので
ききみみを
そばだてる
歩きながら
考える
歩きながら
思いだそうとする
未来の記憶
偶然が
素直な顔をして ....
空に月が滲む
おぼろ月夜
淡い黄色は霞んで
今日はコップに
浮かんでくれない
まじないのつもりでやってみる
特に願いなんてないけれど
夜空を照らす月のように
私も綺麗になれますよう ....
妖言の使者顕われて
戯れる闇夜のひととき
濡れる息使いを殺し
桃源の森を散策する
(ここには
あなたとわたし
しかいない
わたしとあなた
....
むかし
どうぶつはひとごろしで
ひとはどうぶつごろしだった
サーカスの暮らしは楽じゃないよ
パパもママも知らないんだ
でも僕は悲しくなんてないよ
だっていつかきっと
かわいそ ....
僕は言葉の破片を
手にしながら さまよい歩いていく 夜の間を
ただ 僕はいったい何なのだろうとやめない どこまでも止まることを
夜の間は続いていく どこまでも
子供が作った抜け道もあるかも ....
君の瞳をみつめると
僕の中の何かに火がつくのを感じる
口づけも交さずに
君が恋人の街へ行くのをただ見送るだけで
見上げたアトリエの壁の絵には
紫の炎が燃え上がるから
なにが描いてあるのかわ ....
黄昏時、父に手を引かれて
よく見に行った客車区
そこには、旅立ちの準備に忙しい
夜行列車の群れがひしめき合っていた
ベッドメーキングのシーツとカーテン
灯の点った食堂車、純白のテーブルク ....
見ろよ美しい男根が空と交合する
引き戸がガラガラと開かれて夜明け
小鳥らのさえずりは太陽を回る掟
肉欲に囚われ 雨しゃぶる
ささやかな嘘。
私は考える。嘘がウソであり続ける為に髪を伸ばし
私を縛り、私は私を騙し続ける。
象牙の塔は築かれる
築くべくして
築かれるので
そこに現実は無いんだ
....
リストバンドを、している。認識のため。
たとえ裸になっても。私の腕に残るもの。
入院生活で、一番変わったことと言えば、そこか。
たとえば服を捨て、カードを捨て、携帯を捨てたところで。
....
君の唇の くれない が
僕の内側を伝い落ちると
日常が育んだなけなしの植物群は
夢見るように朽ちていった
君の爪の くれない が
僕の外側を掻きむしると
日常に着せたつきなみな制服 ....
これ、以前に頼まれていた資料です
と小田さんの持ってきたコピーが
湿っている
海に行ってきたんですよ
小田さんは微笑んで
きれいな巻貝をお土産にひとつくれた
去っていく小田さんの髪や ....
ニュートラルな空気
僕の頬に触れているけれど
そこにあることすら忘れていた
ペダルを踏み込む
ふらつきながら動き出す自転車
そこにあった空気を押しのける
次々と 次々と
....
そこに左手を添えるために
アスファルトの途切れる場所を探している
私のからだを投げ出す場所は
小さなムシたちのわずかに湿った住処の
その上でありたい、そして
右腕が支えきれなくなった
....
切り落とされた枝が芽吹いて
いびつに折れた朝の出来事
春まだ浅い日の寝ぼけまなこは
過ぎたことを知らずにいる
幸せな枝に降る雨は優しい
見知った顔をした人達のように
安らぎで包む穏やか ....
何度も君の名を呼んだ
声が出たことは一度もなかった
臍の奥底深くにある樹海
窒息しそうな木々の狭間
羊歯の葉の上に声溜めが転がっている
叫び出しそうになった声はきれいに縁取りされて
そ ....
貴方がド♪なら
私はミ♪
私がファ♪なら
貴方はラララ♪
素敵な和音
楽しく重ねて
美しいハーモニーを
貴方がド(怒)なら
私はシラ(知らんぷり)
私がファ(不安)なら
貴方は ....
風が吹いている
青く灰色のピンクの影のなか
夕暮れの香りが運ばれている
いちにちは
誰にかやさしい終わりを告げる
よるに棲息する
わたしは無生物になるでしょう
....
進行の遅い病気みたいに
じわじわと夕暮れは迫りくる
真っ赤な空に鳴り響く危険信号
私がどんなにもがいても
「たいよう」は水平線の向こう側に
沈むでしょう
そう決まっているのなら
....
夕暮れが、食らっている
鬼ごっこをする、子供たちの皮膚や、瞳や、臓器を
おいしい、といいながら、食らっている
静かに、厳かに、侵食する その赤い赤い発光体は
未発達なぐちょぐちょを固めてい ....
影響
少しだけの賞賛が
少しだけの満足が
少しだけの尊敬が
少しだけの裕福が
それが人生の全てだ
と気づくのに人生の大半を費やしてしまった。
少しばかりの賞賛と
少しば ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40