6月4日AM0時05分
玄関の鍵をあけ、
わたしを窮屈な女に閉じこめている
ストッキングを脱ぐときが楽園。
爪をひっかけて伝線、
1回500円の過ちにイライラする。
....
美しい赤紫色の旋律弾けて
夕日が沈んでいく
幕が下り
紅潮した顔も
明日になれば澄んだ瞳で朝を迎えるのだろう
*
終わりなき道程も
休息を交えながら進むように
....
パン屋のお嬢さんが
背中をさする手つきで
生地をのばすものだから
もう 薬は要りません
開けては 閉める
逃げ道を塞ぐ
冷えて固まったガラス
透き通る壁の中
発酵したい、ね
....
光 求め緑透けるほど見詰めている
海の音に誘われてゆく雲の先
読書して拾う言葉は貝の殻
泣きじゃくり終わったような青空だ
月青く遠回りした道照らす
時 ....
あかやきいろや紫色の真空パック。
口に当てて押しながら息を吸い込むんだよ。
スポンと外れてこっちに来るよ。
奥のほう。
うまく噛めなくて喉の後ろでダンス。
噛んでもいいし、噛 ....
私とはひとつ違いだった
先生の評判を聞きつけて遠方から通ってくる
いわばミーハーな生徒さん同士
どちらからともなく話しかけると
すぐに古くからの友だちみたいに親しくなって
いわゆる「気の ....
森羅万象 欠けてはならぬ我影なきゆえ
完璧の形状であるこのコップ
欠け茶碗 愛おしさに白湯すする
壕川波たて進む 十国船は
緑の輝きがよく似合う
であい橋の欄干ごしに ながめては
日暮れ時には
北にいるあなたの面影を追いかけている
明日は竹田街道上がって ....
雨のなか、
竜が
咲いていた
それは
瞳が
見たのだったか、
耳が
聴いたの
だったか、
あまり上手に
思い出せないけれど、
あ ....
遠い記憶
あのひとが
言ってくれたコトバ
キミの存在価値は
ボクが認めるって
信じよう
覚えておこう
このそらの下に
あのひともいる
もう二度と
会えなくても
おいかける長針と短針
はしり疲れる毎日でも
よあけの街が
うつくしいのは
希望を灯し続けるから
もしかすると
隣人はにわとりなのかもしれない
あけぼのに向かって響く声は
良く知られる
「こけこっこ」
や
「くっくどぅーどぅるどぅー」
では、なく
もっとか細 ....
僕らは約束をかわしていた
生まれてから今日まで一人で生きてきたつもりになって
世界なんてクソ喰らえって
地面に唾を吐いたりして
反抗心を燃やすことばかりに夢中になって
大切なも ....
夢と夜にはさまれて
わたしは窓辺に眼をあげる
星を盗みたいと思った
屋根裏部屋が暗いので
星をひとつ盗んで
枕元の光にしたかった
星を盗みたいと思った
女の指先が寂しいので
星 ....
はたと醒めては朝を呪い
ふと我に返っては白昼に佇む
夜な夜な待てども、愛想もない
ちぎれた写真を並べても
知らない顔があるばかり
いつからだろう
こんなにも笑わなくなったのは
慣 ....
演劇部の先輩のふくらはぎに
さくり、と突きたつ
矢文になりたい
長閑な朝の通学路に
あらっ?と気づかれて
さらさらほどかれたい
演目は
「草原とピアノと少女と」
そんなガラス球 ....
夢を見ない者たちに
夢を届けにゆきなさいと
言われ
白鳥は怖気づいた
飛び立ってしまったら最後
戻れなくなるような気がしたから
その昔
どこかの国の王子だった
ことも忘れて
....
ぼくは一人ではない
ぼくがダメなときでも
だれかが頑張っていてくれるから
ぎりぎりふりしぼって
前のめりにでも進んでいったら
またやる気出てくるのかな
西の低き ....
写真にうつっている僕は
満面の笑みでカメラを見つめていた
でもそれは過去の遺物
その写真にライターで火をつけて
灰皿になげすてる
今なら言えることは
昨日は言えなか ....
たっぷりの熱湯の中に
捨て台詞を少々加えて
マカロニを入れる
いつまでも未練がましく
くっつかないように
十分注意しながら
再び立ち直れるまで
何回か掻き混ぜる
アルデンテ ....
{引用=
木漏れ日に息を殺した
瞬きは影の重みに堪えかねて
いつしか消えてしまっていた
どうにも白々しいあなたの
くちびるの薄さから目を逸らしてきたのは
意味もなく上がる、その口角 ....
風揺れるお花畑に蜜蜂の
羽音近づく目を閉じる
丘陵を吹き上がる風胸に受け
我白き帆なり海原を越え
奥深い入り江に船を走らせて
....
耳を澄まそう
日が翳り
灰色の雲が天蓋を覆う
低く垂れ込めて
最初の一言を
ポツリ
と
耳を澄まそう
これは
幾千億の雨粒が語る物語
その一粒一粒が ....
たわいのない話で
盛り上がる彼らを
空を見ながら
背中で感じる
今日も暑いな
夏は今どこだろう
足並みを揃えて歩く
後ろの方の僕は
人が歩いた道を
ひたすらなぞる
ビル ....
(結婚するなら愛してくれる人がいい
結婚するならまじめな人がいい)
結婚について考えてみると、
相手はあなたしか考えられなかった
いつも期待を裏切らないあなたの
電話を待っている
あた ....
きっと/ふゆの/かおり/のせい
興味として刷いた眉が
何故にそんなにも難しい顔をするのか
うすい唇を尖らせて
私に何か言おうとする、
そののどが
気絶する/ほどに/しろい
夏はまだ始 ....
生まれたばかりの君は
まだ数えるほどしか
ものを
もってない
まだ ものを 欲しがらないし
きっと わからない
でも、「これを君に。」ってあげるとき
僕はとてもドキドキする
君 ....
ブラックスモーカーの
熱い暗闇のほとりで
スケーリーフットを枕に
わたしは不思議な夢を見た
空っぽの背骨を
滑らかな夜風で満たして
わたしは空に浮かんでいた
手足になり損ねた ....
みえるものは
たとえば、光るに足らない星たち
それは遠く、遠くにいる
だいじなともだちの
からだに巻きつく
スパンコールの糸でんわ
暗がりでもこわくない
ほらね きみがいる
....
夏のはじまりは
いつも雨
何処からともなくきこえてくる
海のうた
(セイレーン)
還る場所をさがすように旅をする
あの波の繰り返しのように響いてくる
記憶のような満ちひきに名 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40