すべてのおすすめ
ふたりで見た海を通る
消したい記憶を消せるほど
ぼくは澄んではいない
吹き消されない光の源
その物真似をしている
ふたりで見た海を通る
消したい記憶を消せる ....
踏ん張ってくれ
行動がとれるまで
どうか踏ん張ってくれ
無生物のきみたちに
祈りが通じてしまうようでは
世界はあまりに脆すぎるかも知れない
でも祈りというものが ....
残酷なことをされている夢を見た
あなたに
残酷なことをされている夢を見た
あなたは
平気な顔をしていた
それが当たり前のように
僕の心にスタンプされた
練習の ....
おんなは夜ひとり泣いたりする生き物だ
目をこすって赤く腫らしたりする生き物だ
落ち込んだりじぶんを責めたり
おんなは忙しくて切実なる生き物だ
おんなはみんな渡り鳥だ
あたまのなかの磁石に ....
乱暴に脱がす手
手に刻まれた三日月が
赤紫に腫れていた
いつもは白い月なのに
哀しい目をしてのぞきこむ
水晶体に光景が////
湿った砂山
ふもとから
少しずつ掘ってゆ ....
ジョギングする人とすれ違った
ネクタイをゆるめた長身の男の腕をつかみ
バランスをとりながら女が自転車をこいでいた
こんな夜中にこんなところを男女で歩いているとは
ふたりはどれだけ寂しかったのだ ....
ぼくは泣いていた
川端康成の伊豆の踊り子にでてくる
それは涙ではなかった
もっと肉に近かった
もっと欲に近かった
藤沢周平の物語にでてくるそれは涙だった
育ての親と契ってしまった娘がいた
....
葬式いろの装飾の
さくらのぼんぼり
きみがなまめいた
生理にせがまれて
おれペニス口紅の
スティックになる
つまらない命いろ
葬式いろの装飾の
さくらの ....
となりのカプセルのアラームに起こされたユキオは浴場にゆき湯につかり頭を洗い全身を洗い歯を磨いて髭を剃りトイレを済ませてカプセルホテルを出た
8時まえにはメーカーに着き通勤ラッシュの正門まえに立った
....
ストレートなんか
この世にあるんかな
比較的、
ストレートなだけとちがうんかな
比較的ストレートに
いかんことのほうが増えてきたわ
感情をコントロールせな
....
風そよぐ
ふとくほどける
表面を
ふっとばして
あらゆる形容詞のなかで
あなただけ残る
ほら、風がわらっている
風そよぐ
ふとくほどける
....
ひとの悲しみを見つめていると
いつのまにか哀しみを見つめていた
その哀しみに耐え切れなくなって
ひとの悲しみにぼくは同苦しはじめる
哀しみを見つめているよりか
あなたの悲 ....
東京にくると
かつて7年住んだとこだからか
いまだに成長してる都市だからか
なんだか照れくさい
いまもいつもそうだ
でも夜になると
ぼくは金魚になって
水槽の色彩に泳ぎだすようだ
友人 ....
ピンクと灰色とブルーが混じり合って
あたりがもうすみれ色になっていた
春にちかい風が吹いた
LEDほどのつめたさが鼻を撫でた
きょうの天気がなんであったのか
わからなくな ....
月がいやにはんぶんで
藍のそらのそこが白かった
それはやけにぎらついていて
たったひとつの天体のごとだった
放りだされたにんげんは
この世にふたりといなかった
アナルセックスいがい
か ....
あどけない湿度
風ほどけてそぞろに
空では光や影がであっている
来世への階段を幻視する
遠い空に
春に
屹立せよ風
自殺に憧れるその鼻を
岬のむこう ....
・
は記号ではなく
・
は詩だ
よく尖った鉛筆で
白紙に
・
を打つ
この奇跡を
この大事件を詩と言わずして
いったいなにが、詩であるという ....
ぼくらはリレーする
きれいごと
というバトンを継いで
ゴールのないトラックを
ぼくらはリレーする
ぼくらは時間に負けてゆく
バトンには実体がなくなってゆく
....
ひまわりを思い出す
夏、なにげなく通った街道に
群生していたひまわりを
川沿いのグロテスクなホテルで
ゆっくりと狭い風呂に入ったね
ひまわりを思い出す
黄色でらくが ....
かんかん照りの星空に
ふたりの哀しみ
狂いなく配置されている
ぼくらは模型の街にいるようだ
ふゆの夜が
星粒を散らしている
見上げるたび
眩暈してふらつい ....
十七のとき
二十六の女と付き合っていた
対等だと思っていたけれど
そうではなかったはずだ
いま考えると恥ずかしい
アルバイトさきに女を迎えて
よく女の部屋までいっし ....
オレはいまひとりかい
レゲエさえせつなく聴こえるよ
ブルー?ドロップス
おい
レゲエって黄色じゃなかったっけ
思いきり
スマイルしてみる
愛がほら
スキ ....
小学三年までと二十代後半を東京で暮らした
いまも出張で月にいちどは東京にゆく
きょうは機械の立ち合いで東京だった
加工テストが順調だったので
そこの社長に言ってちょっと散歩に出る
狭い道に風 ....
昔の女に電話しそうになった
たわいもない話をして
うちに来る?なんて言葉のあと
ふつうを装うのはもう御免だった
電話しても会えなかったかも知れない
駅でビジネス本を一万円 ....
夜のまんなかで
煌々と
月は月している
そのまわりに散らばった
それぞれの場所で
星たちは星している
宇宙はなにを
ものまねして
いるの ....
十月さいごの日だまりが
ぼくらに光を継いでゆく
風のしたで悲しみをかまえ
いちばん好きな他人を失う
恋人の不実をまえにして
ぼくは悪くなかったのか
神様、怒って ....
風が吹いている
青く灰色のピンクの影のなか
夕暮れの香りが運ばれている
いちにちは
誰にかやさしい終わりを告げる
よるに棲息する
わたしは無生物になるでしょう
....
出張さきの宴席で地元の方々が
茶わん蒸しの唄をやってくれた
いつもそれを覚えようとするのだが
芋焼酎がぬけた朝には忘れてしまっている
だからその晩はDVDをおくれよと頼んでおいた
翌 ....
十月の午前の窓は開いていた
どこか遠くで冷やされた風
部屋はあのときの青に澄んでいた
十年ほどまえ商用で行ったアルゼンチン
仕事を昼までに終え
通訳兼運転手の日本人が ....
さやかで悲しい朝なのに
夏の匂いをかぎました
感謝でむせぶ朝なのに
黒いこころもありました
ひとのこころはどうも遠くて
応酬ばかりのありさまでした
さやかで ....
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