鳥は
空を飛べるのに
なぜ鳴いているのか
あんなに苦しそうに
だれかを追いかけていて
だれかに追われていて
鳴いているのか 鳥よ
わたしだって同じ
こんなにも求めている
それ ....
胡蝶蘭に憧れたタンポポは
花びらが日焼けしないように気をつけたり
たくさんの葉はいらないと減らしてみたり
そうして思いきりパァと咲いてみたら
やっぱりタンポポでガックリした
せめて高い位 ....
○父
窓から庭のブランコを
眺めることが多くなった
あれにはもう一生分乗った
と言って
時々体を揺らす
背中が
押されるところではなく
支えられるところとなってから久し ....
ある日突然
子どもたちは先祖がえりをした
背は小さく
言葉を失い
歌うこと
踊ることだけになり
海へ列を作りゆこう
歌い
踊りながらゆこう
砂浜で広がり
ねころぶ子どもたちそれ ....
ぼくの存在は地球にしかない
あの青くてきれいな球体にしかない
夏の匂いのまま貼られたアフリカ大陸
ぼくの存在は
あの青くて半分影のあるあそこにしかない
月にはない
太陽にはない ....
僕たちは行進する
雨と雨と雨の合間を
かなしみの残る青空に
バシュポン
圧縮した空気は開放され
白い弾丸は
砲の初速を逃れた彼方で
小さな羽を広げる
あの
遥か積乱雲と日輪草の
....
コンタクトがかわいて
何度もまばたきする冬
きみの歩いてるところが
いちばん好きなのだ
ひとを好きになるって
誰かの強烈な信者に
なるっていうこと
ふいに抱きしめられた
湿った ....
あなたが地上から旅立って間も無い今
こうして語るのは月並みだが
友達でもないのに僕は言う
マイケル、
あなたが音楽の神様に選ばれた
天使のように
あふれる歓びを踊りながら歌 ....
この不景気で
「ありがとう」は
あまり回ってこないから
大事に大事に抱え込んでいた
街中の
誰もがそうやっていたら
いつしか
「ありがとう」は
街から消えてしまった
....
テキストに己遊ばせ長い夏
雨垂れが葉擦れの音を誘い出す
見渡せる地点に真紅の旗を立つ
ぬるく湿った風が
渇いた僕の心を撫でる時
蘇る17の記憶
どこまでも尖る
突き破る膜
水の音
夏の匂い
甘いストロベリー
待ちわびた8ヶ月
すぐにはじけた丸い惑星 ....
僕は迷わず選んでいこう
来るはずの明日の為に
*
何をしたらよいのだろうと戸惑ったまま流れていく
海に向かって
揺れ落ちて溶け行く陽を
君とふたりで見ていたのは
**
....
花は花で
咲き競い
至福の種子を枝に結ぶ
鳥は鳥で
鳴き集い
矢印となって季節を指し示す
川は川で
せめぎ合い
未だ見ぬ海へと殺到する
雲は雲で
逃げ惑い
苦し紛れに ....
如何せんガクがない。ふわりぷかりと営んできた賜だ。
あるだけじゃあ大してイミは無いけども、無いオレが言ってもやはりボールは枠には飛んでかない。
それとやっぱり使い方なんだろうけれど、もう一つだ ....
朝は晴れ晴れと
色とりどりのアヤメの中歩く
季節六月、紫陽花の花
朝は晴れ晴れと
君を見てアヤメの中歩く
季節六月、紫陽花の花
言葉を交わす余裕なく
六月晴れ渡る梅雨入り前
紫 ....
今日も日暮れて
六月の風が涼しく吹く窓にチリリリリンと風鈴が鳴る
夕暮の庭のテーブル二人して食事する焼うどんビール
日曜の就寝前の一時を聖書朗読心にしみる
なんて不思議
溶けちゃうみたいよ
頭のさきっぽから変な液体出てないかな?
浮かれてる?
そうさそりゃ浮かれてるのさ
あの娘と手を握ったよ
お日様がむんむんと
受け入れ ....
見知らぬ地方で
街路樹の道を歩いていた
誰かが私を見ているような気がして
後ろを振り向いたが
誰もいない
南国特有の強い日差しが
こんもりと茂った
緑の街路樹たちを照りつけていた
....
解放された自由などいらない
解放されない
繋がれた
なにかがほしい
雨が
一粒であって
降れる場所を知らないように
水面にとける
ささやかな波紋でありたい
わたしに
あなた ....
夜の底に深い瞑想 神の居場所
白い衣をなぞれば神に触れて
周回軌道から地球なる砂漠の星みつめ
慰めに聖書手に取るまた良し
かたく凍った夢を砕いて
画用紙に宇宙を描いて暴れだす
果てのない星々の海は瞬き、
チビけた鉛筆が一本
煌く銀河を縦横無断に奔る
つめたく凍った言葉を融かして
原稿用紙に文字を紡いで ....
透けたそこから見える
青い光が好きだ
くじ引きみたいな駆け引きよりも
青い光が好きだ
夕暮れとカレーのにおいよりも
青い光のが好きだ
キミはいつも青く光っている
だからボ ....
キラキラしない雫が
後頭部の歪な曲線を
未練がましく伝い落ちて
塩辛い影を作っている
無頼な陽射しと
馴れ馴れしい湿気に
言い返す言葉もなく
帰り道の上をボトボト歩く
いく ....
鉢植えは
水をやり過ぎて
いつもだめにしてしまう
気持ちが強すぎるのだろう
あなたのようにはいかない
虹のような光沢を紡いだ糸車が
カラカラと終わりを告げても
流れる水のなかで
目 ....
世界で一番
大切なものは何?
妻です。
二番目は?
音楽です。
世界で一番美しいものは何?
「お疲れ様」と言う労りの言葉
世界で一番醜いものは何?
暴言を吐く人
世界で一番美 ....
古き良き時代
いじめのない
僕は平気
モンブランのように甘い
ミナシゴハッチ
お兄ちゃんは
証券マン
妻子持ち
愛に餓えている
人に好かれる
人と話すのは疲れる
気を使っ ....
「あんなもんなのか」
と舅は言った
夫の祖母が亡くなって
納骨も終わって
夏が始まろうとしていた
できたばかりのわたしたちの庭には
ちょこちょこと
なんやかやが芽生えだし ....
摩訶不思議な自然にぐるりと包囲されて
板ばさみ
三分の一
いや、二分の三
なんだか無性にガリガリ君が食べたくなってきた、と言って
わたしはわためかな、と返して
あの雲はきっと竜の巣だと ....
会合を終えて神戸から倉敷に移動するともう11時だった
ホテルにチェックインしても脳みそはまだ高速をぶっ飛ばしている感じだ
2時間ぶりの煙草を喫煙コーナーで吸う
11時40分からマッサージを予約し ....
前髪を切った
雨上がり
庭先でミツバチと出会う
胡瓜の黄色い花にモンシロチョウが舞う
土の匂いが肺の奥まで届くようだった
見上げれば空が雲と調和して
すべてを見わたしていた ....
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