こういうの、
何て言うんだっけ。
しとしと降る雨の遠く
ざわざわ鳴る空の近く
きみのちかく
セツナイとイトシイが
トナリアワセだって
気づいたのは
しと ....
ぷかぷか煙草を吹かしながら、不確かなまあるい円を描いている。
身体は凍えるように寒いせいか、脚は根が生えたのではないかと思うくらい動かない。
まあるい円の中には宇宙の終わりとぼんやりとした ....
コンクリートにできた
水たまりに
魚が空を飛んでいた
僕はそれを無感動に見つめる
雨が止んだから
傘をたたんだら
空に虹がかかっていた
僕はそれらを無感動に見つめる
濁 ....
皆が笑顔で集う
不思議な海の中心で
貝のこころを開いて
歓びを分け合うのも自分
ふいに人と話せなくなり
深海の暗闇で
貝のこころを固く閉じ
独りきりになっているのも自分
....
廃村の外れで
垂れ下がった電線が風に吹かれている。
壁や窓を叩いている。
置き去られたカラーボックスに
アニメのシールがでたらめに貼りつけてある。
清掃車のオルゴールが近づいてく ....
ずっと気になっていた喫茶で
ブルーハワイを頼んだ
まるいグラスに注がれた液体が
一瞬で差し出された
ストローで青を吸い上げた
地球から北半球が消えてしまった
南へ行くほど薄くなって ....
日曜日の広場で
バザーをやっていた
たくさんの子供等が
小さい手に{ルビ紐=ひも}を握り
宙に揺れる
色とりどりの風船達
あっ
立ち止まる若い母と ....
おそらく
鱒たちが
お月さんの脇をくすぐる
ボクの足を
くすぐってはくれない
鱒たちは
ボクの投げる毛鉤の
届かない
はるか
はるか
彼方の水面直下で
輪を描いて踊り
....
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