疲れてきたのかな?

女子マラソン観てたあの人がつぶやいた

どれどれとテレビの画面を見やれば
折り返しまで先頭グループにいた選手が何度も後ろを振り返った

背後に見えるのは何なんだろう ....
                奇数行:萌木 碧水
                偶数行:奥主 榮

  するり とすぎた
   形がないまま ふわりと
  いま なにが流れたの
    ....
昼時をちょうど過ぎようかという時間
決して長くはない行列の最後尾で
ただぼーっと店内を見ている
忙しなく揺れるエプロンと
食べ終わった食器のガチャガチャは
去年のマレーシアを思い出させる
 ....
{引用=銀色の月を砕いた細雪
虚飾の街にも、しんしんと
上野発カシオペアはふるさとゆき
すれちがう旅人のなつかしいアクセント


耳の奥では遠い遠い子守唄
かあさんの声、 ....
適切な一秒を
わたしにください

わずかに
ずれることもなく
適切な一秒をこの身にください


 この目に
 何かを映すなら
 光か影のどちらかを

 耳に何かを残すな ....


は記号ではなく



は詩だ

よく尖った鉛筆で

白紙に



を打つ

この奇跡を

この大事件を詩と言わずして

いったいなにが、詩であるという ....
 ひとすじ、の 細道を辿る

わたしの集大成が惜しくも
失恋をしてしまったようで
ドミノ式に崩れ去っていく


 ほのずっぱい雨
 これは天気予報のいじわる
 わたしの真っ赤な靴 ....
きみという少年時代の秘境について
そこに恐れていたものなど何一つなかった
きみに吹く嵐は去り時をわきまえていたし
きみの森に虎なんかいなかった
過ち達は気前よく十字を切って
帰り道に気を ....
言葉も景色も見失って
君の姿をただ追いかけている自分に気付いたのは
君の姿が影に消えて
僕はたった一人
ぽつりと何処かの森の中に取り残された頃だった

夕立ちに怯えていたのは
君の目が氷 ....
古い鉄の欄干と、煉瓦倉庫と、にび色の水面
イースト・リバーに遺灰を撒いてほしい
ローワー・イーストサイドの
薄暗いアパートの1室での最後

(自由な精神は漂う)

過剰に言葉を組み立てる ....
豊洲から有明へ
ゆりかもめ沿いに

豊洲駅を東へ歩く
すぐに現れるガス資料館を抜けると
広大な空き地が広がる

新開地とはこんな
空っぽの場所を指すのだろうか

遠景は遠すぎるが故 ....
ぼくらはリレーする

きれいごと

というバトンを継いで

ゴールのないトラックを

ぼくらはリレーする


ぼくらは時間に負けてゆく

バトンには実体がなくなってゆく

 ....
連続するシグナルが流れ込み
激しく流れ込み
とりとめのない水圧に
胸を押される

匂いのない夕暮れが満ち
眼球の裏側に満ち
屹立する剥製のように
赤光を反射させる

{引用=
僕 ....
この土地にくらして/わたしは深く息をする

なびかない風の日も/灰色の冬もあった

草の使命とはなんだろう/道の記憶はどこだろう



この土地にくらして/わたしの炎がはし ....
コンクリートの塔の下で
小さくなってしまった、緑色の光源が
わたしを照らし
浮かび上がった舞台で、わたしは遊泳をしていたが
過ぎ去る車のエンジン音が
わたしをわたしへと戻した

化粧する ....
ごめんね かぁさん
僕はあなたが生きている間に
謝れなかった
あのときのことを
謝らなかった

物心ついた時
母さんは家にいたはずだったが、
母さんの記憶は
千葉のサナトリウムから。 ....
地球は丸いのに
底辺があるんだって
堕ちてしまったら
もう戻れないんだって

地球が丸いのは
外から見るからだって
中は三角形で
底があるんだって

てっぺんは尖がってて
おっと ....
なにより色の付きやすいあなたが
僕より先に 人ごみの中に入って行く
すべては僕の仕業で 
そしてあなたのせいにした

あなたは 拒絶することを知らない
それは 罪だ
           ....
 雪

       乱太郎 作

雪がひらひら舞い降りて
少女の耳元
静かにささやく
――ごめんね
  冷たいでしょう

手のひらの上で
溶けていった雪に
少女 ....
シャーレを開けたら 香りだけが入っていた
いくつも 閉じ込めたものがあったのに

落ち着いて
落ち着いて君を捜すと 君が書かれたものは要らないので殺していた
君を見付けたかった

毒があ ....
ひまわりを思い出す

夏、なにげなく通った街道に

群生していたひまわりを

川沿いのグロテスクなホテルで

ゆっくりと狭い風呂に入ったね

ひまわりを思い出す

黄色でらくが ....
 
 
上り列車の中を
下り列車が通過していく
線路脇の草むらでは
無縁仏となった墓石が
角を丸くし
魂と呼ばれるものの多くは
眠たい真昼の
些細な手違い
ひと夏を
鳴くことで生 ....
空からおはじきが降った日
小さなうさぎが
震えていました

太陽の光を反射して
おはじきはキラキラと
七色に輝き
まるで
世界中の命のようです

皆は我先にと
おはじきを一つ受け ....
日々のひび割れ
 −石川敬大『ある晩秋の週末のすごし方が女のおねだりで決まる』評−


 石川敬大さんは、現フォでは練達の詩人と言ってよい。
 彼の近作に、私にとって妙に気になる作品があった ....
夢 いかがですか
どんな夢でもお好みのままに
夢 いかがですか あなたに夢売ります

僕のポケットにあふれるぐらいに
夢がたくさん入ってる
あの日 君の心から奪った
夢も押し込まれている ....
モノトーンの本棚に
黄色いちょうちょ
アルマジロはフランス産
きのこの鍵
ポケットにがま口
ゆりかごにコルセット
リンゴ チョコ コーヒー ドゥナツ 
ピクニクラララン

にわか雨で ....
車輪を空転させ
巻き上がった金色の砂埃の中で彼は踊るが
石に躓き足首を捻挫する

家でじっとする
永遠に陽のあたる家
しかし彼は照らされたくはないので
びっこをひきながら外へ出る
彼は ....
1.
泣かない 泣かない NaNaちゃん
泣かない 泣かない NaNaちゃん
NaNaちゃん NaNaちゃん
泣かない 泣かない NaNaちゃん

悲しいときには いつも
空を見上げて  ....
指のさき
雪がひとひら、消えました

わたしの熱を、あら熱を
かくまうように
消えました

うなずくべきことなど
何もないけれど、
わたしは確かに
うなずきました

す ....
かんかん照りの星空に

ふたりの哀しみ

狂いなく配置されている

ぼくらは模型の街にいるようだ


ふゆの夜が

星粒を散らしている

見上げるたび

眩暈してふらつい ....
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