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汗ばむいつもの朝
あの夏の積乱雲
輝く輪郭に隠された
いくつかの胸騒ぎ
終わるのでも始まるのでもない
そんなめまいだけの朝に
散りばめられた笑顔の
なんと残酷なことだろう
いらだつ夏は ....
朝焼けの練色が射し込む砂丘に
一人立ち尽くすと僕は日時計になるのです
河口の方向に伸びる長さで季節を知ると
はき出す息の色が
まっくろな海のうえに
浮かぶのです

明日、がどこかではない ....
夢の終わり際から
はぐれてしまわないために
さしだした手が
たどりつく見知らぬ行方
秋の終わりを騒々しく
告げる雨まじりの北風が
夕焼けあとの闇の色を
城跡の石垣に染みこませる

ま ....
眠れない夜の窓際で
二重に映る折れそうな月
見つめるわたしの虚像が屈折して
見知らぬ冬をさがしている

ひときわ風の音が強く思える夜は
肩の震えが止まらないものだ
ハーパーを湯で割って
 ....
そこに左手を添えるために
アスファルトの途切れる場所を探している
私のからだを投げ出す場所は
小さなムシたちのわずかに湿った住処の
その上でありたい、そして
右腕が支えきれなくなった
 ....
それは
口づけをせがむときの仕草で
そらに生まれたのでした
ふわふわと漂うようままに
虹色に、つややかに
とらえられない言葉で
とらえたまま
雲のすきまに
ずっと住んでいると
思 ....
猛禽の切り取る曲線を雲に重ねてみると
南風の通り道がみえるだろ?
無粋な飛行機雲が一直線に
線香の燃えかすみたいに消えていく
なんべんもね、手をかざしたんだ
日差しが眩しかったからね
ふい ....
シュークリームが
雨にうたれて溶けだしている
道端のくぼみで
まつげの長い女が
バスに乗るときに落としていった
シュークリームが

溶けて流れ出している
甘い、いくつかの体液
何もか ....
僕が本を閉じたときに
誰かが新しい頁をめくるでしょう

僕がまぶたを伏せるときに
目覚める朝もあるでしょう

僕がこぶしを握るときに
手のひらを開いて母を求める
新しい命がきっとあるの ....
さようならと言うことが
お別れではないように
決められた夜明けは
訪れないのです、私の朝に

どんな明日が来るのか
誰も知らないから
眠れない夜も
夢見る眠りも
明けてしまえばまぶし ....
眠れないまま過ぎてゆく
夜明けとともに
境界線の不在を知る
そのために

昼を住処としたわたしは
眠らない深海のさかな
見えないものは無いわけじゃない
何度もなんども、ただ気付く
深 ....
そのひとが指した
暗闇に
また星座ができる
夜空の不確かさに
うなずきながら
長い髪が揺れると
それは五等星ぐらい
小さく笑うと
三等星ぐらい

月影を手に入れるために
なにもか ....
綿菓子の 桜の枝にうずくまる 蕾に咲けと 満月の夜

涙なら頬をつたって濡らすでしょう 春の足跡 そらの手鏡

春の星 咲いた証はあしもとで かざはなと舞い 銀河流れる
僕は切符を買うよ
いつもと同じ場所にむかう
日めくりをちぎるときに
忘れてしまうだろう、今日だから

僕は切符を買うよ
四十九枚の十円玉を投げ入れて
光るボタンで行ける場所
誰もが辿れ ....
雷鳴に犬が怯える空で
やさしい言葉のように冷たく凍ったものが
老人ばかりの街を無数の宝石で覆い
 (あるいは灼石灰のような骨の粉)
まぶしく結晶に閉じこめる

今だけはうつくしいだろう ....
あ。さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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冬空の埋火- たりぽん ...自由詩5*09-11-25
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かげのけいれい- たりぽん ...自由詩7*09-8-5
午後四時十七分の雨- たりぽん ...自由詩509-7-26
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