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幻の終わりと塩の光を抱き
鳥はひとり 海にたたずむ
波に重なり ゆらめく陰
待つもののない午後の陰
船を終えた船の列が
小さな声に照らされている
空をゆく声 落ちる ....
春のある日
緑の窓に
映るように出会う
ふたつの音楽
応え以上の応えを浴びて
昨日は突然消え去って
今日と明日は行き来する
花の手をとり まわる声
声の手を ....
ジャブジャブ歩いていける
砂浜から続く海
うすい砂色の皿に
浅い海の色のスープをそそぐ
(鶴は飲めない狐のスープ)
ふかい空から
ひたむきに
飛び込む姿勢で
(ウミネコの視線で)
....
「はじめまして よろしく」と
「さようなら」の数は
イコールじゃないぜ
「幸せ」と「不幸せ」の数も
イコールじゃない
どちらが多いか少ないか
それは
運 不運 ....
輪郭の街が
徐々に織りをなし
時計はだらりと腕をさげ
ほぅい ほぅい と歌う
海にでると
肌がちりちりと
焼ける心地よさが
足跡にたまって
潮に吹かれた
8mmフィルムが
からくり ....
何処かにおとしたの わからないわ
天使なんて誰がいったの?
落ちたハネは踏まれて沈んだ
太陽の花が咲いた日に。
赤いそら見上げてながれて
アナタがたいせつにしてた蔓きった
もうもどらな ....
巨大な石版にきざまれた
柘榴石の星座がきしむ
西の方に5分ほど
かちりと音を立てて静止していた時が進む
一億光年の夜が流れ
廃棄物処理場に水たまりのような鏡
割れた月が赤々と燃えている ....
冷ややかな朝に
渡る風の行方を見つめていると
どこかで古いレコードが回りだす
草原の朝もやの中から
湿った石の階段が現れる
五段ばかりで
他には何もないのだが
時を経て少し苔むしたまま
....
この先
いきどまりです
木陰の看板を
すぎてゆく雲
誰かの何かが持ち去られ
小さなものひとつ分だけ足りない世界の
午後のガラスの路を歩む
春は銀 ....
空に標識がないのに
飛行機がぶつからないのは不思議だ
と母がつぶやく
風のはじまりはどこなんだろうねえ
風はどこで終わるんだろうねえ
お母さん
あなたと同じように
私も
いつの ....
俺は
謝られても
許せなかったり
かなり
勝気で戦闘的だった
もう
そういう
重たい鎧は脱ぎ捨てる
役にたたないからさ
もっと
大きな懐と
....
隣の部屋から
大きな笑い声が聞こえる
俺は
ここ1週間で本当に笑ったか
テレビもボォーっと見ていて
面白いものなんてなかった
友達にも会わなかった
俺は
....
ふぞろいな前髪の
整列にかかる
風のみちゆきを
ぢなりのようなうたをうたい
散らしていった
まるくとがった あの唇
おしあたった瞬間の
確かな熱の重さも すい と
運び
....
そうか、空中ブランコに乗って
カカオの木を観てみたいか
そうか、朝日に立って
アラスカの夏を巡ってみたいか
そうね、仙人の寺屋みたいな
どこまでも一望できる遙へ
真 ....
空家が
売りに出されてる
もうずっと長く
庭に
小さな
池がある
いつもお散歩をする
通り道にあるので
毎日のように
のぞく
その小さな池には
金魚がたくさんいるから ....
風がやけに冷たく感じる
隣の女の子は
花柄のワンピースだっていうのに
俺の指先は冷たい
隣のお兄さんは
青いシャツ1枚だっていうのに
俺は
迷いもあるし
....
真夜中を支配する
何者かが
竪琴を弾く
坊や
早く寝な
俺は坊やじゃないぜ
お嬢さん
早く夢の世界へ
俺はお嬢さんじゃないぜ
その竪琴の音色
....
ざわざわと鳴り響く
変わらずに続いていく音
私の内側で広がっては消えていく
潮騒のようなもの
潮騒の降る
そんな街に出掛け
片耳で受止めながら
海沿いに伸びる道を歩いたりする
....
ツタヤの女が面倒臭そうに歩いてる
外に出た用事の一瞬の間
おれはタバコの自動販売機の取り出し口に手を突っ込んでる名前も知らない女を
バックで轢き殺す
ことを想像 ....
ついに発見されたのですね
青空いっぱいの無色な孔雀の骨
嗚呼ただの伝説かと思っていたのに
雲雀の血のにじんだ五月の空の
気圏のいちばんの上層
きらびやかな氷窒素のあたりから
発見されたので ....
手に触れる花からはじまる
円筒形の歴史があり
空と目の間でまわっている
音が音を奏でている
こすれあう音
すれちがう音
変わりつづけるかたちの夜
とどめおけ ....
桜前線 が来て
花見客
そして
砂漠
ぎっしり 携帯した
迷彩服
の 中に 人
ほおばる 春
つづく 虐殺
信じてなんか いられない
みじめな 幸福 ....
泥のような緑
黙したままの光景に
虚ろがる夢が漂い
わたしは疲れている
コンクリートで舗装された
河川敷をよたよた
歩く老人を見て
わたしは疲れている
反省など冷たく
こおろ ....
無い知恵を絞っても
さまざまに思いつくことは
己一人の生き様だけで
それぐらいしか思いつかぬ
そんなものでこの世を測っても
いい加減が
疑わしい物を計るのだから
腑に落ちる話にはならない ....
少し窓を開けた
テトリスのように積まれながら
ほこりひとつたっていない ビル
歩道には街灯がたたずみ
影に埋もれていた 夜
最初に僕の名前をつけた人のことは
よく覚えている
....
通勤電車でまいにち通りすぎる
田んぼの景色
あぜ道のとちゅうにちょこんとすわって
毎日欠かさずに
電車を見おくる親子の犬がいて
気になって気になって
もよりの駅で降りてみた
当てずっぽう ....
白いバラのキャンドルから
透き通って射してくる
炎の揺らめき
俺には
とても暖かいぜ
だんだん
形が崩れて
なんだか解らなくなるまで
白いバラのキャンド ....
僕たちの恋は
静かに終わったね
君はどうしているだろう
人が死なない日は無くて
人が生まれない日は無くて
人が別れない日は無くて
だけど
誰とも出逢えない日は ....
もぐらが穴を掘るわけは
ほんとは空が見たいから
トンボが空を飛ぶわけは
海を泳いでいたいから
夕日が海に沈むのは
赤く染まる波々の
向こうにおうちがあるからで
とうさん帰 ....
ついに血と樹液をかえて
バラのように笑ってみせても
風が吹けば くずれてしまう
そこは幾層もの雲におおわれ
とても降りて行けない
ぐにゃぐにゃの階梯に すがって泣いても
いつだって ....
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