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冷ややかな朝に
渡る風の行方を見つめていると
どこかで古いレコードが回りだす
草原の朝もやの中から
湿った石の階段が現れる
五段ばかりで
他には何もないのだが
時を経て少し苔むしたまま
....
空に標識がないのに
飛行機がぶつからないのは不思議だ
と母がつぶやく
風のはじまりはどこなんだろうねえ
風はどこで終わるんだろうねえ
お母さん
あなたと同じように
私も
いつの ....
伝達
という義務から離れた言葉はいつも
夕闇に泡立ち
朝方に溶けてゆく
闇が私と私を囲う壁と壁を囲う外界を親和している間は
言葉が脳のなかで循環するのではなく
発せられなくても流れ出してい ....