すべてのおすすめ
薄い光が
瞼の縁からにじみ
あまねく人々は夜をなくす
かくも永き不眠
頭骨の隙にガムテープを貼り
モジュラージャックから脊髄を
抜いて試みる
眠れない人々は言おうとするだろう
....
A case of Noble Dry Disease in our hospital
【緒 言】
稀な疾患である貴腐死病(NDD: Noble Dry Disease)の一例を経験したの ....
浮かばない灰皿と程近い場所に 浮かぶ私がいる
沈まない煙を見上げた反動で 沈む私がいる
ここです ここです
私
ずっと
私のありかを伝えるために
耳のありかが知りたくて 知 ....
おつきさんのえだが
するするおりて
わたしのかみを
もてあそぶ
おつきさんのこえは
ほつほつしてて
わすれたころに
きこえてくる
おつきさんのはっぱ
やわっこくって
....
俺の部屋は
足の踏み場もないくらい
散らかってるけど
本当は何にもない
会話も無く
微笑みも無い
ここで過ごすようになってから
俺は
少しずつ
石 ....
セロリは食べたくない
俺の眼前にセロリが出てきた空間は
覚醒と蹂躙のプレリュード
でも あの
他者が食べてる様から醸し出す
俺だけが感じる音は好き
水が注がれた透明のガラスのコップに
....
白い花瓶が割れて
白い花が落ちた
僕ははっと驚いたよ
もう君はいないのに
君に何かあったのかと思ったよ
君は白が好きだった
花も白い花が好きだったね
初めての ....
僕は父親の顔を覚えていない
写真でしか知らない
母親もよく覚えていない
写真はないよ
不幸な家庭の不幸な子供
そう呼ばれていた
僕は色々なものを
失ったよ
夜空に刺 ....
悲しみてぇもんは
大きかろうが
小さかろうが
とんでもなく重たい荷物
持主にしかどんなに重いかわからない
かわりに持ってやる事もできない
置いていこうにも手からはなれない
とんでもな ....
冷たい水の熱さに触れ
公園に立つ冬を見る
檻のなかの時計と噴水
公園に歌う冬を見る
風は痛く
水は閉じる
風はたくさんのものを集めている
誰もいない道を
ひとつ ....
たとえば悔いることも
不意に 喜ぶことも
時とともに 偶然にとけてゆきます
午後4時半
Tシャツの上に羽織るこのニットを
褒められたのは 初めてです
それはなんて 心躍るできごとで ....
あきらめたものは
余計にほしくなる
あきらめた人は
余計にあいたくなる
俺は
弱っつちいし
あきらめが早いから
いつも
あきらめたものが
あきらめ ....
白いテーブルクロスに
赤いしみをつけちまった
俺が愛飲する
300円の安ワイン
それを飲みながら
真夜中
無音の部屋
離れ小島みたいに
静かな中で
....
拝啓 個人の集合として社会を見るのではなく、
社会の一つとして個人を見てしまうあなたへ
お元気でしょうか。
衣食足りて礼節を知る、という言葉の通り、毎日、新聞の一面を見ては
「長島さんが脳 ....
かわいいウェイトレスが
おれの投げだした脚につまずき
仔犬のような目で「もうしわけありません」をくり返す
こんなところにまで
潜在的な暴力の根がはびこっていたのか
びくびくしちゃいけ ....
色とりどりの人々が
角を曲がっては消えていった
降る雪の一粒一粒が太陽になり
地を貫いてはかがやいていた
空に届かぬものと
地に届かぬものとが手を取り合い
壁を巡りつづけるものの目に光 ....
アンテナに梳かされた 無数の電気信号
構成するのは 立方体とカメレオンの目玉
白、白、白 断続的な曲調 その中で
ふいに現れる黒のシャープが水晶体に傷をつける
僕の双眸は柔らか ....
冬と春の間で
俺は眠る
早く行かなくてはならないのは
わかっている
ぼぉっとしてたらダメなのも
よくわかっているぜ
今
俺は何度目かの分岐点に
立たされ ....
Res:ミキ 題名:南仏にて 投稿日 : 2004年3月7日<日>22時03分
近藤君、
僕は今南仏の田舎町にいる
鉄道も一時間に一本しか通らないくらいの、
ぶどう畑に囲ま ....
街灯がちかちかと合図を送ったので
家へ帰ることにした
これといって何もない一日の
夕暮れの空はやっぱり綺麗で
一昨日 昨日 今日 明日 明後日
一直線に繋がっていく
ただ それだけ ....
一人の夜に慣れきってしまった
僕はこれでいい
いつもこう思っていた
仕事と家の往復で疲れきった
僕はこれでいい
そう思って夢も見ず
泥のように眠った
何かの予感で夜の窓を ....
そのとき
空も降ってくる
大きな都市の交差のあたり
僕らは数でしかない
と言う
/REC
君は
どこへ
ゆくのか
滲みる
花びら
舞い降りる
一年が一日
一日が一年
....
ネジ一つ抜けた
世界の不良品 としての私の存在。
世界は誤動作で 妄想する。
弾ける火花が 英雄的行為である。
一万発の祝砲。
赤い電車が走る高架の東の空で
ふいに舞う者がいた
文字はその黒色を烏と呼んだ
夕焼けを映す高くそびえた
不吉な刀身のような建物の群れ
その間を縫って烏は軽やかに挑戦する
突如 そこに近現代 ....
ふと右を見ると三塁手が君だったので
僕はすっかり安心した
うららかな春の日、デーゲームは淡々と続いている
スタンド、ベンチ、フィールド
いろいろなところからいろいろな声が飛び交っている
....
草の原には緑の花が
常に誰かに呼びかけるように
異なる緑にまたたいている
山へ山へむかう道
途切れ途切れつづく道
雨の滴と羽虫がつくる
無音にひろがる水紋の夜
荒れ ....
あの日
僕の夜空は燃えた
僕は君を許せず
君も僕を許せず
裏切りと涙の
炎が燃え立った
僕は酒も飲むし煙草も吸うけれど
憎悪に近い炎を
一杯の酒で流せるはずはないよ
....
もう
行過ぎてしまったのでしょうか
継ぎ接ぎを当てながら乗り継いで
ここまで歩いてきたけれど
風の叩く音に急かされて
窓を開けて覗き込めば
色と色とが混ざり合った空が
時間の流れ ....
外はひどい雨だぜ
これじゃ
まだ蕾の花も散ってしまう
雨のせいで
それだけじゃなく
そういう宿命の花だったんだ
俺も
雨の音が神経に触る
気がどうかしそ ....
黄色
ただ一面の
春混じりの風に揺れ
さらさらと
ぱっと明るくなったようなその中に
ぽつんと一人立ってみると
どこが始まりでどこが終わりで
なにが理由でなにが結果で
それば ....
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