すべてのおすすめ
ぽたりぽたりと憂鬱から漏れている
コールタールにもよく似た僕の雫は
吐き出す煙りに撫でられて気だるく踊る


風通しの悪い窓辺で聴く喜びは
静かな日々を願いながら
喧騒に寄せられる情熱
 ....
ほほを伝う

つめたいのかあついのか
肌に、にじんでゆく
幻聴ではなく{ルビ潮騒=しおさい}の。
いえ
ただの涙ですけれど…

守るものは魂
あんなことや
こんなことが
あった ....
走り書きした
唇 の 上

冷めないうちに
耳を塞ぐ

儲からない 話
でも

いい の ?
肩に触れていたなだらかな重さが
消えていることにふと気づくとき
部屋のなかを見わたす視線は
ほんの少しだけ傾いている


今日も夕空を見忘れて
蒼い窓を通りすぎ
破りとられ ....
やがて、それはゆっくりと始まる

誰も気付かない視点の高さ
から、夜は上昇していく
もう僕らは沈み込んでいる歩幅
もがくよりも深く落ち着いたリズム
呼吸はあちこちで燻っていて
平面に広げ ....
午後
影はべったりとアスファルトを染めて
拡散することのない光線が街中を蹂躙する

シグナル 赤く
ラヴソング 囁く
クラクション 高く
ブルーバード 羽撃く
リクルートスーツ 若く
 ....
あっけなく飛び込んでいった
プールに飛び込むみたいに嬉しそうに


星を見上げるのは星になろうとするためか


弾け飛ぶ後悔と切望のように核融合によって放出されるエネルギー波 フォトン
 ....
そのはじまりからすでに
鋭く亡びに縁取られているのが夏で
青空と陽射しがどれほどあかるくても
そのあかるささえ不穏なのが夏で

蝉が鳴き騒いでも
祭の喧噪が渦巻いても
濃密な静寂が深々と ....
その街に風は吹きますか
手紙のようにそっと遠くから

坂道で靴は鳴りますか
生みたての音楽のように

どれだけの名前を覚えていますか
カタカナの響きに変わっても

この哀しみは君 ....
毎日が 
ずっと、遠浅だったらいいのに

って、言ったのは
あなただったか、わたしだったか、
もう わすれてしまった
うつろいやすいふたりだったから
ただ
手をつないだ

波が
 ....
さみしい唇が
のどに鈴を付けて
歩くたび揺れて鳴く

顔迄這い上がる地熱はゆらゆらと
蒸せかえる
濡れたアスファルトの匂い
空は墨青を垂らして


飼育箱の中は授乳室であった

 ....
    田中君は今日も元気




弧を描くよな風が 短い場所でおおらかに吹いていた
湿度の低い 午後3時



フレアスカート プリーツスカート ふくらんだりして
白桃や北 ....
なんで ひとりでこなかったんですか

と 会社の玄関からでてきた 年上の男性に
詰め寄ったのは 十八の頃

告白しようと やっとかけた電話で
呼び出して 出かけた友達が
相手は 友人と一 ....
たったひとつの日没で
子供の左の手の中の
逆さの野の草の束からすんなりと
午後の初夏は落ちてしまい
子供の左の手は
無数の落胆のうちのひとつとして
野の草の束を、用水路 ....
隻眼の花にこぼれる
はじまりの波のはじめから
めぐる魚からほどける光
片方の目はまばたいて
沈みくるものを受け入れる


敗れつづけてなお勝つものがあり
不幸せの上に成り立 ....
帰ろう
と何時でも君は言うので
何処へ、とは聞かない
ヘッドライトが線になるまで
ただ通り過ぎるように

覗くことをしない
触れるなら静かに
斜めになった窓から
射し込んでくる光が
 ....
綺麗な声に目が覚めた
立ち上がって海岸線を歩く
波音と風音の穏やかに響く砂浜に
僕は桜貝を見つけた
手に取るとひんやりと冷たくて
薄桃色が微かに温かかった
温めるためか 温まるためか
そ ....
「寒い」
と君は呟く

君に街外れで告白したのは
怖かったから
君はそんなふうに
すぐ
逃げるから


「寒い」
と君は呟く

僕はその頃
埠頭で潮風の匂いを嗅いでいた
 ....
椅子を引いたとき
床と
椅子の足
どっちが鳴ったか知らないよね

坂道をのぼるとき
ちょうど追い風だったけど
僕のためにじゃないよね

遅くまで空が明るくて
不思議な色で
急に暗 ....
愛情を持ってことばと向かい合う
簡単なようでむつかしい
誰かの作品を読む
誰かの日記を読む
誰かの声を聞く
誰かの

親しみを込めて私はそこに立つ
私の親しみを
だけどあなたは知らな ....
水の流れに
声は生まれる
ゆっくりとした高まりの
終わりのように反りかえり
声はまだらの身を起こす


鍵の花は水に咲き
傷をひとつずつ閉じてゆく
いつか流れに分けられた ....
海や土やマグマや風と
一緒に浮かんでいるという
私は

身体を選んだわけでも
心を選んだわけでもない

先にあるものから
たくされたような
安物の 腕時計が

地上 から ....
朝は静かに浮上してゆくのでした
三葉虫の化石に太陽が反射したとき
そっと手を触れるときは胸が痛くなるのです
痛いところにわたしがいっぱい死んでいる

朝を埋葬していく
繰り返しわたしの中に ....
窓辺を漂っていたスウィートピーたちは
薄れて消えてしまったよ
白いのもピンクのも薄紫のも
いつか行こうなんて云っていた
銀の門のある空中果樹園も
いつのまにかどこへやら消え失せてしまったよ
 ....
溶けるまで
眠れそうな遠くの日々が
溶けていくまで
深々と、動かない部屋で
指を折る
指を折る


ありきたりな言葉では
追いつけなくなりそうで
街灯がつくまでの時間を
静かに歩 ....
空の割れた日は
なんでもない午後の水面が
微風にそっとゆらいだくらいの
静かな頃で
お気に入りの帽子を
どこかに置き忘れてしまった
隙間から、パリンと
音を聞いたのは私だけかもしれない
 ....
夜から続く朝に、雨の跡はなかった。霧雨は降っている。地上に湿度はない。
細身の女はテレビの中で「昨日の事は忘れて頂戴」
その細いからだの細胞は、今を忘れるためにある。
階段を上がる足音が聞こえる ....
「だって、WAXをかけた車の雨粒をはじく姿が好きなんだ。」

 ふってくる五月雨は その他 いくつかの言語を残した。
けれど歌いはしなかった。
 夜の映画館、「一つの思い 一つの歴史」と宣伝さ ....
今頃は、さらさらした風が吹いてきて
いつも 左肩から
あなたを感じる匂いが します。




昨日 通ったことのない
知らない道でデジャヴした
山吹色の花咲く庭の
崩れかけた壁の上 ....
静かでした
そうして音がきこえてくるのでした

夕暮れ 春がやってきて
わたしはひっそりとしていて
透きとおったところに
過ぎたものたちが入ってくるのでした

分かっているというのでし ....
和泉 輪さんの自由詩おすすめリスト(1099)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 松本 涼自由詩4*05-5-27
言霊- こしごえ自由詩5*05-5-26
紅_茶を- 砂木自由詩6*05-5-25
失くしたもの____- 木立 悟自由詩405-5-25
遠浅の日々- 霜天自由詩1505-5-25
スケッチ- 大覚アキ ...自由詩105-5-24
星見地点- ヤギ自由詩6*05-5-24
夏について- 塔野夏子自由詩27*05-5-23
てがみ- 松本 涼自由詩8*05-5-23
とおい日の、ホライズン- 望月 ゆ ...自由詩19*05-5-23
ビオトープ- フユキヱ ...自由詩805-5-23
1/f_のゆらぎ_(2)- 千月 話 ...自由詩7*05-5-22
はじめての_メール- 砂木自由詩8*05-5-22
単なる夕刻- A道化自由詩905-5-21
ひとつ_小さな- 木立 悟自由詩405-5-21
帰宅- 霜天自由詩705-5-21
桜貝- ヤギ自由詩8*05-5-20
無題- ふるる自由詩15*05-5-19
ただの- ふるる自由詩9*05-5-19
夕焼け前線- umineko自由詩13*05-5-19
昇音- 木立 悟自由詩305-5-18
出勤- 砂木自由詩5*05-5-18
14行の朝- tonpekep自由詩4*05-5-17
灰の月- 塔野夏子自由詩11*05-5-17
モノクロームの窓辺から- 霜天自由詩805-5-17
空の割れた日- 霜天自由詩1405-5-17
作り話の内緒話。- チャオ自由詩2*05-5-17
W- プテラノ ...自由詩5*05-5-17
ベルリン- 千月 話 ...自由詩11*05-5-16
早春- tonpekep自由詩5*05-5-16

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37