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森の中で月を見て
青さ静かに、目に染みていく
あるかないかのカーブを
そろり、ふわり、降りていく
静かに、選ぶ言葉に僕の
音はどこかで回り続けているか
泳いでいるのは、あなた
そ ....
雨を抱えた朝の傷
ただ静かに銀になる
ただ静かに鳴り響く
縦の傷をよけ
横の傷を踏み
円い傷の外周をゆく
点の傷を飛び越え 飛び越え
光のほうへ転ばぬように
....
坂につないだ 果実の皮
無垢はついばまれ焼ける
霧の音が円の角に触れる
クロスされた糸が星宿し
かたこと 繁みが 飛ぶ
さめた雪 霜柱を 包む
古い橋は渡らない
細い縦糸
ほつれた
少女の白いカーディガン
茶褐色の肌
それは鳥取砂丘
バンカー手前の
モスグリーン
国の名前
言葉の意味は
「寒波がやってくる」
ねえ寒いの
....
紅く熟れた石榴の実を一粒
与えられ渡る虹の橋
暗い坂道這い降りて
辿り着くのは夜の国
たまご
霊の子
河を流れて
七色に光る砂礫の粒に
照らされて積むは
骨の破片よ
三百五十の ....
琴線添う
枯れた声
妄想疑い
喪失染色
過ちから
開かれる
深層へと
自問投身
数字を憎み
0を愛する
僕の矛盾
願望の統一
また創まる
ゆれているので
こっくり こっくり
あいずを おくった
しんぱいっていう わすれものを
とどけたり とどけられたり
いっしょに いない
きもちと きもちを つないでいくために
お ....
雨がいる
傘がいる
....
そっと、暮れそうで
暮れない
一日はどうにも循環していて
頼りない電信柱
寄り掛ると揺れる、気がする
静かな平面の畑から
土の匂いがした
単調な起伏を
ごとごとと越えていく
浮き ....
(ア、ア、マイクテス、テス、本日は晴天なり。)
がぁーん チャペルの発声
ほとばしる 薔薇 バラの花びら
ひゅうひゅうと襲われる
トレーシングペーパーで透かしても
バラの雌蕊は包まれて ....
見知らぬ街の
見知らぬ看板に
見知らぬ字で
見知らぬ言葉が
書いてあったんだよ
と見知らぬ人が
僕に話し掛ける
気弱な僕は
あなたを知らない
と言えなかった
朝と別の朝はつながり
声や水を憶えている
光や傷を憶えている
頬をかすめゆく小さな 小さな
見果てぬもののかけら かけら
定まらぬ世界をゆく定まらぬもの
水色と銀色
....
ボタンを押す瞬間
産業革命は
再生される
今日夕メールを打つ
産業革命
とはいえ、そーいうのをシステムに巻き込まれてるてな説教はうんざりで、今日もまた頭くるくる産業革命
日々実感す ....
もじれつ のはいれつに
ふるいに かけられた
おでこーろん
さややかに よこにも
つるきん たてにも
とろく とろ とこ
ちいちゃな いしは
はじきとばし おー
お ....
古い傘のボタン押すと
引っ掛かりながら
ゆっくり開いた。
一瞬、自分と重なって
気付くと信号は青だ。
さあ、雨のなかに出て行こう。
晴れの日と同じには
うまく歩けないけど。
土砂降 ....
将来、
明るい展望があるかだって
ただいちど
めのまえが明るくなったのは
殴られたときだね
とじてるんだかあいてるんだか
判然しないねぼけまなこも
こう、くわっとひらくのは
死 ....
檸檬の木の下
鈴なりの黄色
緑の葉陰から落下して
ジューシーフルーツ
味わうには酸っぱ過ぎて
口角でしかめ面 する
突風吹いて 気まぐれにつむじ風
旋回して搾取する
自 ....
どうしても空を飛びたいらしいので
象が踏んでも割れない筆箱をあげると
「二郎さーん!」と言って地面に投げつけた
私は冷や汗をかきながら
「確かに弟ができたら二郎と名付けるつもりでした」
....
沈んでゆく まま
煙る 山の稜線に
つながれた 足首
舐め 影 さすり
行けども 喰らえない
案山子の ぼうふらに
低く うめき ひそむ
まだ 試した事のない
....
ネオンの中にまぎれてばかりやと
体に悪いって信じててん
今日なんか変なルートたどってるねん
あのままじゃ、きっと
なじみのないBARで
40代の男の近くに
しらじらしく座りそうやったわ ....
チリリン チリリン
眼鏡の君はブーツで漕ぐ
紫雲
オレンジのビル
夕陽と遊べ遊べ
チリリン チリリン
ニセモノみたいな僕の人生の
猫も転がる土手の道
ほんの少し前を漕ぐ ....
氷と光が交差する地に
人のものではない門がある
曇のような土がある
虹は滝のように降る
まだどこにもつながっていない
建てられたばかりの鉄塔が
空の輪の下
冷たい層を ....
窓の外は少し北風の吹く夕暮れで
これから南極老人星を見ようと
大きなパラボラのあいだを抜けて
昔、友をなくした修行者が
涙で掘り抜いた文字があるという
岩屋のあるこだかい丘に
向かおうとし ....
ももももも
と地べたから不安が
盛り上がってきた
ししししし
と思わず僕の足は
竦んでしまった
ややややや
と不安は僕の足元から
身体を這い登ってくる
こここ ....
船の停泊しない
図書室には
匂いがない
ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす
白い付箋のはられた
いくつかの椅子は ....
はめこまれた
月 太陽
けれど 遠い所の土地だ
体でいけない場所だから
波おこして 乗るように
向かう
まわるカレンダーの
赤い丸は
ボタンになっていて
指先から舟にな ....
ゆめのぬけがら
すぎさるじかん
いまここにあるのは
しあわせのあしあと
いまここにあるのは
ぼくとくるまいす
きみは しらない
ぼくが すごしてきた
きみと おなじ
....
嵐のいった後はいつも
いろんなものが電線に引っかかっていて
奇妙な陰だとか
擦り切れた音だとか
さっきまで巻かれていた自由なもの
全部
西日を受けてしなだれている
多分みんなが
風 ....
むくろ に入った無実が
ちりちり と はえる
あれから 誰になるのか
飲み込んで 噛み切られるまで
とどめは さしたが
とどきは しない
光点の天
よりの
送源
....
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