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残された言葉は 過ぎ去った花束
夢見るように 色とりどりの
風にゆれる やわらかな花びらの
残された言葉は なつかしい鉱石の輝き
深く沈む 青色の
さまざまな 空色の
残さ ....
地蔵菩薩の前に 立った
声がする
私のものでもあり 私のものでない
声がする
聞こえてくる声と
聞こえない声と
地蔵菩薩の前に 立った
私は
目の前に立つ人に 気づく
手 ....
寄せては返す
波の中で
僕の足は柔らかく
砂に沈む
ひっそりと
息をする貝殻たちの
その世界に少しでもと
寄り添いながら
報われなかったことよりも
望める ....
霧の森をぬけると
朝朱の陽が射し
湖はゼリーで
きらきらと波打っていた
向こう側へ行きたいの
今がたぶんその時だって わかるから
手をつないでね
ほら、
標識だって あるわ
....
葉ずれから
名前のしらない時間を思い出した
さて、君はだれなんだろう
隙間からみえる
青い流れは遠い
いま僕の
肩に降るこの雨が
いま君の
心を潤していたら
いいな
もし君が
いまこの雨に
渇くなら
僕はカタチを失くして
君を真っ赤にしたいのに
そん ....
街から海まで
飛びました
ポチャンと海へ
落ちました
底まで
潜っていきました
底には
空がありました
ボクは
空に浮かびます
それは
....
こはるびよりのひだまりで
つりをしながらあくびをすると
ぽろっとくびがころげおち
ついでにうでもころげおち
なかよくはりぼてけりながら
うみのうえをかけていった。
いそにのこされた ....
俺の 眠れない夜は いつまで続く
闇よりも暗い 闇かもしれないぜ
夜は 融けない氷のような壁
俺が ぬくもりを感じるのはいつだ
逃げていく 闇の中を
駆け抜ける 僅かな光を探 ....
広がる上空を囲むように
その日は 曇り空だったのですね
ゆるく波打つ 水面は
際に立つ 私達の少し後ろで
薄暗く 揺れていました
かと言って 私の心が
景色と 同調していた訳ではな ....
音へと変わる木の影の道
風がそのまま過ぎ去る道
やわらかく目をふせ
空あおぐ道
遠さと遠さの間は濡れて
縦の緑は震えている
北の星と朝焼けは消え
光はかすかにたどり ....
おれだけならばあの塔までも行く
がおまえが
いて
ああ見てみろ青あおく明けそめの空
がひとすじの月
に切れる
うなだれた影たちが行く
塔へ
(動くな)
影をおさえ
て低 ....
右曲がりの坂道を
30歩のぼったところ
雨上がりには
アジサイが
酸性やアルカリ性に色づくので
それならば涙は、と
通りすがりのにわか雨を
ふたたび
つま先に
ひと ....
みんなが意味が 必要だというから
私も意味をさがして とぼとぼと
下を向いて歩いてみたけど
あれこれと拾ってみても
大切な意味なんて ひとつもない。
だから意味なんて い ....
木漏れ日が眩しくて
僕は手をかざす
良い天気だね
ひとりの散歩は
風が心地良いよ
君と僕がだめになった理由なんて
沢山あるようで
1つしかないんだ
僕の ....
(おはよう朝帰りの魔女が音を立てずに箒を立て掛ける)
昨日の名残は夜行列車でとっくに旅立った
無人駅のサルビアとソーダファウンテンの間には
寝相の悪いちっちゃな神 寝過ごした金星
....
2004年7月、暑い夏がきて、
僕らはまた汚れる。
あれほど焦がれた思いもいつか日常になる、
そういう事は
誰も止められないんだ。
川沿いをずっと二人で歩いていく。
何もしゃべる事 ....
強く光る
そして逃げる
光はわたしに残像を見せ
ここを去る
弱く光る
すぐに追う
光はわたしに根を下ろし
うねって
きえて
ついて
わたしを白くする
新しい音が鳴り出すと
見上げてしまう癖がついた
国道沿いの滲んだ校舎の上
スピーカーが漏らす
ひずんだ音
ずっとずっと変わらない
ひとつ
呼吸のように響いては
震えている何か
....
まつげ の隙間
に からから
閉じた 指
そっと 痛いくらい ひろげて
輝く どんな 言葉 よりも
たゆとう どんな 海よりも
この 指 の谷間 に吹く 風よ
....
エントランスを抜けると
私はいつも空を見上げる
たった今
日本が沈没すればいい
唐突に
私は願う
病院の
窓という窓
壁という壁が
崩れて
途方に暮れる私の喉を
....
リンと
鈴の音鳴るやうな
シャンと
玻璃の砕けるやうな
ピンと
水の凍るやうな
切なく淡き
音に誘はれ
我が魂は迷ひ出で
我が魄は舞ひ出づる
リン
シャン ....
退屈の記号と
幸せの符号と
感動の脱殻が
空中の水際で
じいっと僕を
見つめている
荒れ地に生まれたひとつの風と
荒れ野に生まれた多くの風とが
ひとつの海を奪い合っていた
金の光が
銀に変わるまでの永い間に
水は風に混じり
小さなものたちは生まれた
....
少年
いつかなくした自転車の
へこんだ場所を忘れてた
あの子を見ててブロック塀に
ぶつけたときにできたやつ
そうだったね
そこに貼り付けたシールは
昔からの空色で
覗くと雲が浮かんでた ....
ずっと旅してる
地球が生まれ
銀河系が生まれ
宇宙が生まれた
その瞬間を辿る旅を
言い尽くされた呪文のように
われわれは
どこからきて
どこへ行こうとするのか
などと ....
四角い出窓にひじをついて
わたしは お空をみてました
ときどき 桃色の雪が
紛れこんではちらついたりして
世界は彩られたりしましたが
わたしは お空をみてました
ひじをついたまま
....
鏡に残る真昼の熱が
道のにおいを解いてゆく
光と光がつくる爪痕
左目から空を切りひらく
午後の川の上をゆく
鳥のかたちをした銀河
流れのない流れの色を
照らすものなく ....
深緑の
深くなる光を
鉄筋コンクリートの箱の中から
眺めています
時計の針は
ここを刻むと
それ以上は動かなくなるのです
取り残されるように
私と空間は
どこか
こころ ....
駅のベンチで
ひとり晒される風に
カラカラカラカラ
風車が回る
前かがみな夜に
迷い進むタバコの煙りも
なんて遠くへ
風は一瞬に運ぶ
僕の眼の裏で
カラカラカ ....
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