木立 悟


手に触れる花からはじまる
円筒形の歴史があり
空と目の間でまわっている



音が音を奏でている
こすれあう音
すれちがう音



変わりつづけるかたちの夜
とどめおけないすがたの夜
めまぐるしく静かな光たち



響きに応え
応えに応え
返りくるものを聴く
あるいは
何も返ってはこない



永遠でもなく無限でもなく輪廻でもなく
ただそこで舞っている一度きりの有限に
わたしがわたしでわたしではない理由が
音の無い手に乗る光のかたちに流れ込む




自由詩Copyright 木立 悟 2004-04-16 09:22:01
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