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冬紅葉の点在する山深く
孵らない卵の無事を祷りながら
死んだ鳥たちが青い空から降りてくる
「きれいなからだの時にもっと」
「若い奴らの指は欲しがってばかりじゃ」
その朝に目覚 ....
「ジギタリス・ブラン」
オラ、妙な病気になってしもうて、体があんまり動かん。
こう、だんだんにな、体が石みたいに固くなってゆくんじゃて。
もう、治らんそうじゃわ。
やれやれ、 ....
蝉の鳴かない朝でした
胸の端からほどけてゆくひかり
できたばかりの海は睫毛に乗る軽さ
静かに浮かぶ顔に人知れず声を燃やす
髪を結んで横たわる
約束、と呟いて水より生まれし数字を ....
「並んだテールランプ
漁り火のよう
空はくれてやる」
「地味な色の饅頭は
もういいや
飴を噛んで夜を待つ」
「諦めの早い男
高望みする女
手を離せば知らない人
....
かわいがっていた犬が死んだ夜に
新しい犬を飼おうと思う人がいました
家族、いなくなる為に準備をして
汚れた服を着るほかないのなら
いぶかしそうな視線に
それでも
違います、とは云え ....
しずやかに睫毛を下ろした女の人の
うっとりと水が疾走する線路の方角に
暮れては滲んでしまう稜線がその輪郭を喪ってゆく
眠れない枕木は鍵盤となって揺れながら
囁かれた嘘の吐息にしがみついた
....
影を慕うように歩いた
いつか座ったベンチは
同じ赤色のままで
覚えてるかい
と問うので
耳を塞ごうとして
その中途で迷った
ギターを弾きたい
ギターを弾きたい
こんな夜には ....
みずうみの名は
みどりこ
といいます
その昔、此処は険しい谷で
人も獣も草も水もありませんでした
みどりこは
ちょうど五本指の掌みたいなかたちをした
ゼリィ状のみどりこでした
ひら ....
ちいさな掌を
ひとつ結んでは覚えてゆく指あそび
ほんとうなんて要らない
と言い聞かせながら
それは未だ新しい
老いさらばえた両腕は
調和したスープと
子守歌で満たされる
動かな ....
『亜紀子さんや、小遣いくれんかの?』
「また、ですか。昨日あげた二千円は、どうしたの?」
『あ?…あれは、もう使ったから無いんじゃ』
「もう、まったく!ウチだって楽じゃないんですからね。お爺ちゃ ....
囁く水の招きに
おとなしくなってゆく
たのしい夢をみて
かなしい夢もみて
ちっとも貧しくならないから
誰にも聞こえないように小さな声で
誰にも聞かれないように大きな声で
蜂蜜みた ....
いつもとは違う道を帰った日の彼女
もう歩けなくなって
駐車場の水溜まりに降る雨の波紋を見ていた
つめたく完璧な丸を描いて
にびいろの波紋は静かな口調で責めるから聞いてしまう
そうだね幾つ ....
ふるい手紙を火にくべたんか
けむたい朝に眼をしょぼしょぼさせとんね
一番遅くに寝たもんが
一番早くに目を覚ます
土鳩鳴いとるよ
くるくっく
卑しい国には正しい言葉なんてありゃあせん
....
藤丘 香子さんのピクルスさんおすすめリスト
(13)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
鳥達の黄昏
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ピクルス
自由詩
6*
08-3-20
ジギタリス
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ピクルス
未詩・独白
10*
07-10-4
鎌倉
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ピクルス
自由詩
8*
07-9-14
断片
-
ピクルス
未詩・独白
11*
07-9-6
白梅
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ピクルス
自由詩
18*
07-5-20
水の記憶
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ピクルス
自由詩
11*
07-4-13
眠らない人
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ピクルス
未詩・独白
4*
06-12-26
みどりこ
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ピクルス
自由詩
8*
06-11-23
マフラーは長すぎて
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ピクルス
自由詩
10*
06-11-21
ジギタリス・ブリュ
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ピクルス
未詩・独白
5*
06-11-21
夏草のオーガズム
-
ピクルス
自由詩
5*
06-11-20
つばくろ
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ピクルス
自由詩
9*
06-11-16
山の上で告げよ
-
ピクルス
自由詩
17+*
06-11-14
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