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◇暮れ
年が暮れる
暗い時代の予兆は
そのままに
初日は
それらを
もろに背負つて
出てくるだらう
◇木にぶつかれば
蝸牛は彼なりの歩みを
何昼夜もつづけて
....
―冬が来る前に一同集って
旧交をあたためようぜ―
Zからこんな招待状が舞い込んで
まあ、行ってみるか くらいの気持ちで
出かけていった
Zは中学時代の番長で
苛めっ子だった
俺はいつ ....
◇コスモス
炭鉱の閉山跡を
コスモスが埋め尽くして
炭鉱夫の青春が還つてきた
背景はあまねく
コスモスと青空
◇金魚
金魚は
いくら ....
朝顔の 露に張りつめた花びらは
美しい
しかし 弄れば弄るほど萎れていく
ダイヤは研けば研くほど
耀きをます
あなたはどちらが真に
美しいと思ふだらう
いや 野暮な問ひは止め ....
唄声
曙光が
窓ガラスを割つて
侵入した
籠の鳥が
砕け散つたガラスを
呑込む
ガラスは
小鳥の胃の中で
金平糖になつて溶けていき
それからといふもの
....
山小屋の煙突から
真つ白い煙が
―まつすぐ―
碧空へと
昇つてゐる
何と
多くの下界を
省略しきつて
昇つていくのだらう
枯木に留まつて
これを見て ....
山麓の寂しい町に
月はかうかうと照つてゐた
すべての人が
月を見たわけではないけれど
みんな
ボールを胸に抱へるやうにして
眠つてゐた
電柱下の掌ほどの地面に
可憐な顔を寄せ集め
行過ぎる車の排気ガスに
小柄な身を揺すつてゐる
{ルビ菫=すみれ}よ
元来野のものであるおまへたちが
どうして
こんな狭小な場所に
置か ....
詩は語らずに歌えって
俺の先生が言った
先生って誰だ
そう訊くから
雀だって言ってやったよ
スズメ?
雀だ 雀だ 雀の学校の先生だ
俺はそう言うしかなかったぜ
だって、その通りだも ....
鐘の音がひときは澄んで響いてゐる
高原の牧場
風は爽涼として
日は明るく照つてゐる
ここに一頭
健康優良の乳牛がゐる
乳が溜まつて乳房が張るものだから
たまらずク ....
藤丘 香子さんの杉菜 晃さんおすすめリスト
(10)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
小詩集__日は出づ__暗き予兆のまま
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杉菜 晃
自由詩
20
07-1-2
太陽が喋った
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杉菜 晃
自由詩
9*
06-11-5
コスモス_金魚__・・・・・
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杉菜 晃
自由詩
13*
06-10-29
それは_あなたの中に
-
杉菜 晃
自由詩
12*
06-10-16
唄声___花の枝__岬
-
杉菜 晃
自由詩
5*
06-9-21
まつすぐ
-
杉菜 晃
自由詩
5*
06-9-1
月
-
杉菜 晃
自由詩
12*
06-8-29
菫に寄せる哀歌
-
杉菜 晃
自由詩
5*
06-8-26
十一代目の雀
-
杉菜 晃
自由詩
7*
06-8-24
慈愛
-
杉菜 晃
自由詩
6*
06-8-19
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