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ポストには「抒情文芸」春来る
春ですねシール集めたことはなし
「サクラサクカモ」と怪しい言葉あり
三月の最初のララバイは雨の歌
時計の針の音のように
三月が礼儀正しくやって来た
いらっしゃいませと呼ぶ
わたしたちの声はすっかりと枯れて
この礼儀にかなう歓迎はないのかな
三月が厳かに ....
理由がわからないままに
自分で自分を守れなくなる時
居てくれるひとがいる
しあわせなことだと思う
稀有なほどの
尊いやさしさをいつも
ありがとう
ケータイ越しに伝えて
切れても大切に抱 ....
だれも知らない思い出は
知られたくはない思い出とは違うけど
知らせたくはない思い出だと
ぼんやりと、
でも熱心に誓う自分は強いのだろうか
あらゆるやせ我慢でにんげん時間を
やり過ごしてつい ....
朝まだき鴉溶けゆく菫色
ごうごうと北国の川動き出す
シロツメとレンゲソウなりどこまでも
御堀端風の戯れ桜花飛ぶ
蝶々が母をたずねて三千里
蝋梅を写真で ....
雁行と学校帰りと茜色
足許に石つころあり春霞
人間の射る眼を赦す白き梅
遠のいてセピアの写真春銀河
東京の長靴が踏む春の雪
樹を捨てて立ち去りし雁の翼 ....
君がまだ雪の原にいる頃
わたしはあおい花に挨拶
こんなに違うね
いま君がいる国と
でも今日も君の声が届いた
おやすみなさい
おやすみなさい
声だけの君に
おはよう
おはよう
朝のメ ....
通ってたカフェのマスターが
産直の宅配してるって
輸入雑貨店のオーナーは
いま中古レコードのお店をやってる
わたしが詩を書いてることを
知ってるひとが少しいて
わたしのお父さん ....
私は子供が大嫌いだ、大人であれば尚更のこと
私は男性が大嫌いだ、たとえ性別は女性であったとしても
決して種は撒かれまい
おいしいお水はもらえまい
甘い思いもないだろう
けれども自由はありったけ
言っておくわたしはツレナイおんなだよ 太陽ならばうお座に座る
水族館土産に買ったぬいぐるみ自分のものにしたけど何か?
さかなたち胎児にぴたり寄り添ってうたう歌なら月も聴いてる
....
回向院眠るあの仔はどうしてる年あらたまり陽はやわらかく
元旦の部屋暖かく恵まれて初詠み刻む亡き父の{ルビ時間=とき}
一月のなみだはじめてこぼす日の夢で会いたいたましいふたつ
....
梅東風の薫りダウンに沁みる頃
春の雨そのままでいい山野草
蝋梅のひと枝を待つ花瓶あり
こどもらの声のちらほら春淡し
立春の日を越えなおも北の国
まだ若 ....
シャンプーの香も新しく杏色
わたくしもかつては二歳花苺
イヌフグリ地球の色と同じ花
馬の仔の二度と座れぬ青い土
山開き木苺の花飛び起きぬ
水ぬるみ無洗 ....
お隣の家の門から沈丁花
雲雀東風初めて背負うランドセル
桜東風あちらこちらでスマフォデビュー
遠足の菓子五百円までの頃
北窓のカーテン揺れる平和かな
....
ロンドンのテイト、ターナー集めたる光りあふれるそこの静寂
金色の始点黄色のその前の白探してるターナーの絵に
輝ける光りのなかにわたし在り照らしてくれるターナーの色
誕生の ....
デジカメを急いだ父の意を知らずそれでものこる写真一枚
みたことをみてないことにできないと彼の三月に雀の無邪気
きょうもまた陽光のなく日は閉じて窓の捨て子のままの冬の日
気 ....
信濃路で会った川の名出てこない夜にふと聴くリバーサイドホテル
千曲川どうして君は太いのか訊ねそびれて帰路急いだ日
窓破りダイブしたいなこんな夜なぜか古い人の音聴いてる
夜 ....
「ある」
どん底じゃないと思う
まだジャンが居る
お米と部屋が、ある
ただ在ってたたずむだけの石っころ風が過ぎてく君の向こうへ
部屋の灯を暗くしてから角砂糖ひとつを澄んだ水に沈める
生き方をそらみたことかと言う人の名前は全部どぶで泳がす
蝋 ....
昔はね、そう切り出してそのおんな左手首を朝陽にかざす
夢みたい、少女だったらそう言えるもっと無邪気に無垢な声音で
放っといて、神に誓って言えるのにどうして君は嘘と決めるの
....
きのうからあしたへ渡る星の道みちびく羊、きょうを忘れて
しじまにてみあげる宙にひかるものシリウスじゃない、あれは心だ
ぐんじょうの絵の具含んだ絵筆なら間に合っている、まぼろしの夜
....
{引用=風の無い闇に静かに落ちる雨春の嵐が恋しい初冬
冬の雨君に問いたい風も無く終日落ちるだけのさびしさ
この空の身の上ゆえのなみだかと凪いだ東京十二月の雨
失くしてた羊 ....
あの子あの子あの子はいまどこ
ああ雪が屋根から落ちる音
二月、東京に降った雪
あの子あの子あの子が泣いてる
行かなくちゃ助けるために
行かなくちゃ早く
遡って行かなくちゃ
靴下を ....
都市銀行残高1円
地方銀行残高1円
ゆうちょ銀行残高11円
手持ち‥
だれそのひと
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よそ者が星はみえずと軽く言う夜空に星を見出すゆうべ
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