すべてのおすすめ
神さまの絵筆から零れ落ちた
あかねいろにあやされて
泣きそうになるのを
こどもらしい頬のあどけなさに
家路に背を向けたことはなかった
鳥の立つ空をみあげながら
ほんとうは自力で
....
わたしは
花火大会の
まぼろしの
花火の
音を
聴いて
いました
とても
綺麗だったよ
遺書書いて死んでたら
それ、本意じゃないから
絶対に生きるから
水甘しご飯も甘し祝禁煙
想うのは初冬のこども暗くとも帰れずにいる駅のベンチに
秋服のままで真冬を越えた子がうつむき見てる花そして花
星が無いわけではなくて街赤く黄色く白く今日は見えない
{ルビ初 ....
かつて
苦しくても悔しくても辛くっても疲れていても
心の内に呑み込んでしまって
どんなにどうであっても
わたしには笑顔ばかりを見せてくれるひとが居た
けれども
とうとう最後の患いとの闘いの ....
たそがれ時の偽りの永遠が僅かに、薄らいで
今年の夏至も千年の眠りについたのだと
いよいよノートにペンを走らせる
しかし明日からの八月が
八月がかなしい さびしく終わるから なぜ
この月に ....
かなしい日だから儚くて描けない
さびしい日だからあなたは翼を広げて
飛び立ってしまってみつけられない
待っている携帯が鳴らない
そこに約束はまったくないし
七月三十日午後八時
ひとの世の
....
朝のすみれいろ
みあげることを忘れた日には
たぶん神さまと会えない
それがなみだの理由
ひかりの移ろいそしてあかねいろ
みあげることを忘れた日には
夕べの窓辺に風は訪れない
それがな ....
こころころころ石っころ
石っころにはこころはあるか
せめても言葉をしってくれ
さびしいかなしい聴いてくれ
こころころころ石っころ
石っころひとつポケットに
せめても少しぬくくなれ
う ....
描くことで忘れられるのなら
つらさから救われるのなら
それで良いのじゃないかと思う私の詩は
、伴うかなしみってもう
行き着く涯てなんじゃないかな
神さまはわたしたちが抱え込んで手放さない
憧憬も
現実も
音楽も
何もかもを一つ一つほどきながら丁寧に握り潰してゆく
それって どこ ....
性別おとこに生まれていたらと熱心にお祈りしていた頃があった
いつでも家から逃げ出してホームレスになれるじゃない
くれないのベルベットのシュシュで三つ編みを飾るほどの
何すらもなくってだからかなえ ....
ゆくえ ゆくえ
しあわせのゆくえ よろこびのゆくえ
この子のゆくえに佳きみちを
ゆくえ なんてつけないでね あたしのなまえ
ママのおなかのなかでたのんだのおぼえてる
ゆくえはそうつぶやい ....
赦せないとあなたが決めた私の諸諸を
たとえ他の言葉が
赦す
と言って、靡くわけもない
夢みるほかないあの{ルビ娘=こ}にも聞いてみて
こころのなかまで観得るのか
こころのなかまで観得たのか
駅のホーム
階段の手前でパシッという音
打たれたのはまだ四、五歳の少年
打ったほうの女性は一人で階段を下り始めた
ママ! ママ! ママ!
立ち尽くしてただ泣くばかりのあなたを
抱きしめたい ....
潮風に抱擁されてポチはいま天に召されてゆきました
小母さんの嘆きがたとえ届いても返せぬポチの無念の眠り
ほんとうに一瞬のことでありました轢かれ引き摺られて五メートル
小母 ....
つらかったのは
そこでわれにかえった
時間は限られている
過去のことは過去
だからわたしは
つらいのは、つらいのは、
いま現在に絞っても止まらなかった止められなかった
あ ....
書きたい夜
というより
描きたい夜
心の漣はゆくえしれず
つまりは風に捨てられて
書けない夜
描けない夜
張り裂けそうな
東京の空を知っているか
ネオンのその上にあるんだ
スカイツリーのその上にあるんだ
匂菫のそのうえに
あおい銀杏のそのうえに
かの黄葉のそのうえに
稀なる雪のそのうえに
ぺてんに慣れてうた ....
夢みるようなうすももいろ
澄んだ湖水のようなみずいろ
二冊のファイルの背表紙に
二色のテープを貼りつけてみた
表紙と裏表紙はスタンプや使用済みの異国の切手
舶来のステッカーなどで飾りつけたい ....
今朝 クロネコのおにいさんが
水を持ってきてくれた
わたしも持ってみて その重さに眩暈がした
神さまはいのちをくださった けれど
あとは
自分でやりなさいと 死ぬまで
現れ方がね最初ストーカーかと思った
わかりにくいよ うんと悩んだよ
あなたとあなた以外のことを想う日はないのに
いまは一人で、ずっと一人のつもりです
思い出にすがるのでなしに だけど
思い出 ....
人魚姫対岸をみて泣いている男女二つの影の七夕
地球では雨が降っても宙は晴れ人魚の想いとうらはらに晴れ
織姫がもどる頃には泡となり人魚はとわの一年の旅
自転車を漕ぎ忘れゆく日常の都会の暮らし軽井沢にて
手折ってはいけない花を手折ってるこどもを赦す手折られた花
この空がずっと続くと信じてた学生時代の常夏の空
雷に打たれてしまいたいほどの失恋の日に不意討ちの雨
傘二つ隠して君を待ち伏せてカフェで二人はクリームソーダ
ごめんねと云わ ....
わかっているよ
と云われてみたい
ぼくにはわかっているよ
あたたかいことば
ことばによる抱擁
今夜は淋しいよ
いくつもの夜に独りだったのだけど
今夜はおかしなほどに淋しいよ
友人と喧嘩したわけじゃない
さよなら もなかった
夕ごはんにパンを食べて
それからブラックじゃないコーヒーを ....
生きていれば二十七歳
二十五歳まで生きるものよと
微笑って言ってくれる小母さんも居たけれど
十二月の空はあおくあおくあおかった
十年の月日が流れ 忘れられない
あなた以外と暮らそうなんて ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35